宮澤喜一の発言 (本会議)

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○国務大臣(宮澤喜一君) 大変多岐にわたる御質問でありましたのですが、まとめましてお答えを申し上げます。
 まず、マル優の問題でございますけれども、先ほど申し上げましたように、これだけの現在の枠をいっぱいに使えるというのはどうしても高額所得者でございます。低額所得者は枠をいっぱいに使えないのでございますから、結果として、これをやめるということ、改組するということは、高額所得者の方の負担が大きいということになろうと思います。
 支払い調書を軽便にすることができるだろうというのは、そのとおりでございます。大変な事務負担でございますから、できるだけこういうことは簡略にできればいたした方がいいと思います。
 架空名義の預金、これをどういう状況においても根絶するということは困難な問題でございますけれども、相続税との関連などで申せば、結局、それは税務調査の問題であろう、今度の制度改正とは直接に関係がないように私は思います。
 マル優について、不正利用をこうやれば防げるというお話がございましたけれども、今度改組いたしますのは、不正利用のこともさることながら、先ほど申しましたように、どうして一般にこのような資産所得を優遇しなければならないかという、そういう問題意識であったことは先ほど申し上げたとおりでございます。
 それから、今度の一兆五千四百億円という減税額は、これはどういう経緯であったかと申し上げますと、八月七日に各党の、各党と申し上げますと、共産党はお入りでないので失礼でございますが、それ以外の各党でございますが、その与野党の書記長・幹事長会談におきまして、二千億円をひとつ上積みしたらということを与党の幹事長が御提案いたして、八月二十六日にそれを詰めるということになりました段階で、事務当局の方へ、仮に百二十万円までの税率を一〇・五%とする、二百万円までを一二%とすれば、どのくらいの減税になるであろうか、ひとつ計算してみてくれという依頼が自民党の幹事長からございまして、御承知のように、この二千億というふうにぴちっと、控除でございますとか税率とかの刻みがございますから、ぴちっとその数字が出ませんので、上か下へ行くわけでございますが、その刻みで計算いたしましたら一兆五千四百億円となった、こういう経緯でございます。
 それから、基礎的な人的控除をもっと引き上げた方がいいのではないかということでございますけれども、それはつまり課税最低限を引き上げるということになります。それだけ納税者を減らしていく、納税しない人がふえるということですが、我が国の課税最低限はもう相当高い水準でございますから、このようなかなり所得水準が高くなった我が国では、むしろ人的控除の引き上げではなくて、教育費や住宅費などがかさんでまいります勤労層に対しての税率の軽減の方が私は政策としては正しいのではないかと思います。
 それから、もう一つ申し上げておきますが、本当に人的な控除を広げますと、一番の受益者は一番税率の高いところの人でございます、上積みになりますから。したがいまして、そういたしますと所得の高い人がかえって大きな受益をいたします。
 それから、共稼ぎ世帯のお話がございましたが、これはもともと仮に六百万円から七百万円とかいう所得がございましたら、それは一人で稼得するよりは二人で稼得いたしております方がはるかに税負担は少のうございます、累進が低くなりますから。それは多分六割とか七割ぐらいの負担になりますので、問題はむしろそういうことになっておるということでよろしいのではないかと思います。
 それから三兆円の減税と言われました。正直を申しまして、恒久財源が見つかっておりませんので、今程度のことでもなかなか大変だと実は思っておりますことを申し上げさしていただきます。
 それからもう一つございました外国税額控除ですが、租税の二重課税排除のためには国際的に確立された外国税額控除制度がございますけれども、御指摘のように、二重課税の排除という趣旨を超えてどうも控除が行われているらしい問題点がございますから、それをできるだけ是正したいと考えました。
 それから最後の、法人については減税だけが行われて受取益金不算入等々が伴っていないではないかということは、そのとおりでございます。政府としては、当初案では両方並行して行いたいと考えておりましたが、国会の御審議の結果、減税だけが成立いたしましたので、これはいずれかの機会に私どもとしても検討させていただきたい問題でございます。(拍手)
   〔国務大臣近藤鉄雄君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 110915254X01019870904_026

発言者: 宮澤喜一

speaker_id: 13804

日付: 1987-09-04

院: 参議院

会議名: 本会議