伊江朝雄の発言 (予算委員会)

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○伊江朝雄君 予算委員会委員派遣第一班の調査について御報告申し上げます。
 第一班は、原委員長、大河原、藤野、矢原、沓脱の各理事、山口委員、そして私伊江の七名で編成され、十月五日から七日までの三日間、沖縄県(沖縄本島、石垣島及び竹富島)を訪れ、本土復帰十五周年を迎えた沖縄の振興開発状況、県の財政・経済・産業の実情、離島振興の実態等、現地調査を行ってまいりました。調査の概要を簡単に申し上げます。
 まず、沖縄の経済動向につきましては、一、財政依存度が高いこと、二、民間設備投資の割合が小さいこと、三、県際収支が恒常的に大幅な赤字であること等の特徴があり、その背景には製造業のウエートが低く、サービス業を中心とする第三次産業のウエートが高いといった産業構造上の問題があります。こうした状況下で、一人当たり県民所得の全国比較を見ますと、全国水準の四分の三程度であり、さらに六十一年の完全失業率は五・三%と全国平均の二倍近い高率で、雇用失業問題は大変厳しい状況にあります。
 今年沖縄で開かれた海邦国体は、建設関係を初めホテルや土産物に至るまで各方面に活況を与
え、沖縄経済に大きく寄与しましたが、地元では国体後の反動減を心配しておりました。
 次に、沖縄県の財政状況については、県の普通会計は五十九ないし六十一年度の三カ年形式収支はいずれも三十億円台の黒字決算となっておりますが、本県の財政は、県税収入等の自主財源が二三ないし二四%と低く、歳入の七五ないし七六%を国庫支出金及び地方交付税等に依存する財政構造となっており、中央政府依存で財政基盤の弱い体質であります。さらに歳出面では、人件費等の義務的経費がほほ五〇%を占め、公債費比率は一〇%に近く、財政硬直化が目立っております。財政力指数は〇・二五と、全国平均の〇・五のちょうど半分といった低い状態にあります。
 次に、沖縄振興開発の進捗状況につきましては、おおむね所期の目標に近い実効を上げており、特に海洋博と国体の二大イベントを通じ道路や都市機能の整備が急ピッチで進められました。
 沖縄振興開発のポイントの一つでありますダム建設は、年間降雨量が多いにもかかわらず地形や河川の状況から水不足に悩まされ続ける現状を救済するために緊急の課題であります。現在までに本島北部に五つのダムが完成を見ておりますが、さらに現在建設中の三ダム、漢那、羽地、瑞慶山の早期完成と、六十二年度から始まった奥間、比地、大保の各ダムの実施調査も鋭意進めることとしております。また、陸上輸送のすべてを自動車に依存している沖縄では、市街地の交通渋滞が年々激化しており、この解消のためのバイパス建設事業や観光立県にふさわしいロードパーク事業等の進捗を図っております。
 次に、農林水産業の動向については、復帰後十五年間にわたる国、県、市町村並びに農林関係者の努力によって相当の成果を上げてはおりますが、沖縄の基幹産業としてさらに一層の振興が強く期待されております。そのためには、農業基盤整備事業による生産性の向上と経営規模の拡大、沖縄の気象や立地条件を生かした新しい農畜産経営の展開等が図られなければなりません。
 他方、農産物の本土等への出荷に当たって大きな障害となっていたミカンコミバエ、ウリミバエ等の害虫の根絶防除が着々と成果を上げていたこと、スプリンクラーの整備でサトウキビの単収が二倍程度に伸びたこと、サンゴ礁の石を砕いて草地に変えるスタビライザーという画期的機械方式が導入されたこと等、将来の本県の農業経営に明るい希望が持てる幾つかの事例が報告されました。
 さらに、現地で比嘉沖縄開発金融公庫副理事長、山里琉球大学教授、松田沖縄農業協同組合中央会会長、内原石垣市長、友利竹富町長等学識経験者の方々から、沖縄地方の経済の現状と問題点、振興開発の課題、農業の現状と展望、離島の諸問題等について貴重な御意見を聴取してまいりましたが、その詳細は文書報告に譲らせていただきます。
 なお、委員長のお手元に詳細な派遣報告を提出いたしましたので、会議録に掲載していただきますようお願い申し上げます。
 以上で口頭報告を終わります。

発言情報

speech_id: 111015261X00119871110_004

発言者: 伊江朝雄

speaker_id: 25727

日付: 1987-11-10

院: 参議院

会議名: 予算委員会