竹下登の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(竹下登君) ただいま、五十三年以来の経緯にさかのぼって、今日の米国の世界戦略への認識と、こういうお尋ねがまず第一点でありました。
米国は、抑止力の維持強化を図ることを基本とする国防政策を推進しておる、このようにまず認識しております。こういう基本的な考え方に立って、流動する具体的な国際情勢等に応じて、効果的な国防力の維持に努めておるものと承知いたしております。米国のこのような基本戦略に基づく米国の同盟友好諸国に対するコミットメントの決意についても、変化があるというふうには考えておりません。他方、米国議会を中心といたしまして、我が国に一層の防衛努力と国際社会における貢献の増大を求める声があることは、これは承知いたしております。安保条約上、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に我が国を防衛する立場にある米国として、我が国の防衛努力につき関心あるいは期待を有することは、これは自然の考え方であると思いますが、我が国の諸施策は、あくまでも自主的に行っていくべきものである、このように考えております。
次の問題は、軍事大国化への懸念の問題でありました。
日米安保条約によって我が国を防衛する立場にある米国として、これは先ほども申しましたように、一層の努力を期待するということは自然なことでございましょうが、我が国が米国にかわって地域的な軍事的役割を果たすことを要求しておるといったようなことはないというふうに承知しております。いずれにいたしましても、我が国としては、今後とも専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないという基本理念に従いまして、あくまでも自主的に判断し、みずからの防衛のため、節度ある防衛力の整備を図っていく、この方針に変わりはありません。
次は、思いやり予算の問題でありました。
外務大臣の趣旨説明にもありましたように、政府としては、日米両国を取り巻く経済情勢が最近において一層の変化を見せており、そのために在日米軍経費が著しく圧迫されているこの事態にかんがみまして、在日米軍従業員の安定的な雇用の維持を図って、もって在日米軍の効果的な活動を確保するとの観点から、労務費特別協定の改正によりまして在日米軍経費の我が国負担の増加を図る、こういうことになることであります。したがって、米国の極東戦略の肩がわりである、そういった御指摘は、私どもは当たらない、このように理解をいたしております。
以上でお答えを終わります。(拍手)
〔国務大臣宇野宗佑君登壇〕