竹下登の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(竹下登君) まず、安保体制を堅持する、そういう考え方に基づいての御意見をも含めた御質疑でございました。
 さて、今回の地位協定の原則との関係でございますが、本件議定書は現行労務費特別協定の改正、そうして現行労務費特別協定は、地位協定第二十四条について期間が限定された暫定的かつ特例的措置を定めるものでありまして、地位協定のいわば特則ともいうべきものであると考えます。したがって、同条に言いますところの経費負担についての基本原則そのものを変えるというものではないというふうに考えております。本件議定書によります現行労務費特別協定の改正は、同特別協定のこのような性格を変えるものではないというふうに考えます。
 次に、在日米軍経費負担問題についての御意見でございました。
 政府としては、日米安保体制の効果的な運用確保のため、在日米軍経費の負担についてできる限り努力を行ってきたところであります。他方、政府としては、厳しい財政的な制約や社会経済的影響等を真剣に考慮しながら、安保条約の目的達成を図る範囲内で、国会の御審議を得ながら経費負担を行ってきた次第であります。今般の改正についても、日米両国を取り巻く経済情勢が最近において一層の変化を見せておりまして、そのために在日米軍経費が著しく圧迫されているこの事態にかんがみてとりますところの暫定的、限定的な性格のものでありまして、今般明らかにされました措置以外の措置をとるということは検討をいたしておりません。
 それから次は、中期防との関係のお尋ねがございました。
 昭和六十年九月策定されました中期防と本年一月新たに決定された在日米軍経費の日本側負担の増大との関係につきましては、いろいろ御議論があり得ることは十分承知しております。この日本側の負担増につきましては、在日米軍従業員の安定的な雇用の維持を図り、もって在日米軍の効果的な活動を確保するとの観点から極めて重要でありまして、その所要額は、防衛費の効率的使用といった観点から年度年度の予算で精査しながら中期防を着実に実施していく過程においてその所要経費、すなわちおおむね十八兆四千億円程度の枠内で賄い得るものであるというふうに考えております。
 それから次は、ペルシャ湾についてお触れになりました。
 まさに我が国は安全航行の最大の受益国であります。国際社会の責任ある一員として、ペルシャ湾安全航行確保のために何をなすべきか、そこで、非軍事的分野において応分の貢献を行うことが必要だという考え方に基づいて今日まで措置しております。そうして一方、イラン、イラク両国に対して、湾内における軍事行動の自制をこれは力強く呼びかけていかなければならぬ。そして、その背景にあります紛争そのものの解決のための外交努力を、今までも、今後とも鋭意行っていかなければならぬということでございます。そして、昨年十月七日に政府・与党首脳会議の決定に従い、政府としてはその貢献策の早急な実施に今努めておる、こういうことをお答えとして申し上げます。
 それから、危険なペルシャ湾で運航に従事していらっしゃる船員の方々、これにはもう、その任務を遂行されておることに対して深く敬意を表しております。これからも船舶安全航行の確保のために私どもの可能な努力を続けていくことこそ、それらの果敢な任務遂行に対して敬意をあらわす一つのことではなかろうかというふうに考えております。
 さらに次は、有事来援研究等の問題にお触れになりました。
 本研究は、あくまでも我が国に対する武力攻撃がなされた場合の我が国防衛のため、時宜を得た米軍の来援を得ることを目的としたものでありまして、「日米防衛協力のための指針」の枠組みのもとで行われておるものでございます。したがって、日米間の協定や法制そのものについて研究するものではないということに位置づけをいたしております。
 最後に、何ができるか何ができないか、それこそまさに国会の議論等を通じ、シビリアンコントロールのもとにおきながら、日米安保条約が有効に機能するための基本的考え方であるというふうに私も問題意識を同じくいたしております。(拍手)
    〔国務大臣宇野宗佑君登壇〕

発言情報

speech_id: 111205254X01219880331_020

発言者: 竹下登

speaker_id: 22013

日付: 1988-03-31

院: 衆議院

会議名: 本会議