奥野誠亮の発言 (建設委員会)

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○国務大臣(奥野誠亮君) 国土行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し上げます。
 近年、我が国においては、東京への種々の機能の一極集中と人口の再集中等により地価の高騰を初めとする都市問題が顕在化してきている一方で、地方においては急速な産業構造の転換により雇用問題が深刻化している地域も少なくありません。また、本格的な国際化、技術革新、情報化、高齢化等の進展により、経済社会の大きな変化が予想されます。
 このような社会経済情勢の変化に的確に対応しつつ、二十一世紀を見通した長期的な展望のもとに国土の均衡ある発展を図り、住みよい国づくり、地域づくりを進めるため、私は、次に述べる諸施策を積極的に推進してまいる所存であります。
 第一は、第四次全国総合開発計画の推進であります。
 国土政策の根幹として、二十一世紀への国土づくりの指針となる第四次全国総合開発計画は、昨年策定されたところでありますが、これは、地域の創意と工夫を基軸とした地域づくりを基本とし、そのための基盤となる交通、情報通信体系の整備等交流ネットワーク構想の推進により、多極分散型の国土の形成を図ることを基本的目標としているものであります。このような国土を形成することにより、住民が誇りと愛着の持てる、豊かで住みよい地域社会の実現に寄与してまいりたいと考えております。したがって、その推進は、東京一極集中の是正と多極分散型国土の形成を通じて、東京を中心とする地価の高騰等現下の土地問題の解決にも資するものであると考えております。
 本年は、この四全総推進の一年目に当たり、国はもとより地方公共団体や民間団体など多様な主体の参加、協力を得ながら、四全総で示された諸施策を総合的かつ強力に推進してまいります。
 この一環として、本国会に、四全総の基本的目標とする多極分散型国土の形成を促進するため、行政、経済、文化等に関する機能が過度に集中している地域からこれら機能の分散を図るとともに、地方の振興開発と大都市の秩序ある整備を推進し、あわせて住宅及び宅地の供給と交通施設の整備等を促進するために必要な措置を講ずることを内容とする法律案を提出するための準備を進めているところであります。
 また、公共事業の関係省庁間相互のまたは民活事業との調整を円滑に推進することとし、このため、国土総合開発事業調整費の充実を図ることとしております。
 第二は、総合的な土地対策であります。
 東京都心部に端を発した地価の高騰は、最近に至って、都区部等においては一部下落も見られる等鎮静化の傾向を強めておりますが、周辺の各県さらには地方主要都市ではなお十分な監視が必要であります。
 このような地価高騰の抑制については、昨年十月、臨時行政改革推進審議会の答申等を受けて緊急土地対策要綱を定めたところでありますが、国会におかれても、精力的な御審議がなされ、決議等もなされております。これらを踏まえ、現在、土地対策関係閣僚会議を中心として政府一体となって、土地取引の適正化、住宅・宅地開発の促進など、この対策の着実な推進に努めているところであります。
 特に、土地取引の適正化については、国土利用計画法に基づく監視区域制度の機動的運用に努めてきたところでありますが、今後とも地価の上昇を防止するため、地価上昇のおそれがある地域については、機を逸することなく監視区域を指定するよう関係地方公共団体を指導する等、所要の措置を講じてまいる所存であります。
 また、昭和六十三年度税制改正において、居住用財産の買いかえ特例の原則廃止を初めとする土地譲渡益課税の見直し等を行うことにより、地価高騰の波及を防止し、また土地供給の促進を図るなど、地価対策に資することとしております。
 以上のほか、国土庁としては、今後とも国土利用計画法の的確な運用、地価公示の拡充、国土調査の推進等を図ってまいる所存であります。
 これらの施策により、引き続き適正な地価の形成を図るとともに、適正かつ合理的な土地利用の実現に努力してまいります。
 第三は、地方振興の推進であります。
 多極分散型国土の形成のため、さきに述べた諸施策に加えて、地方振興を強力に推進してまいります。このため、二十一世紀に向けての基本的かつ総合的な地方振興施策の体系化を図るとともに、四全総に対応した新しい東北、北陸、中国、四国及び九州の各地方開発促進計画の策定及びこれに基づく振興施策の遂行を図ってまいります。
 また、総合保養地域整備法に基づき、リゾートの整備を鋭意促進するとともに、テクノポリス地域等の整備により、地方産業拠点の振興を図ってまいります。
 さらに、地域の個性を生かした町づくり、生活環境と生産基盤の調和した豊かな村づくりを進めることにより、地方都市と農山漁村について総合的な整備を図るほか、地域の主体的なふるさとづくり活動を支援する地域活性化支援事業を行ってまいります。
 過疎地域、振興山村、豪雪地帯、特殊土壌地帯、離島、奄美群島、小笠原諸島、半島などについても、各種の特別事業の実施、生活環境の整備、産業の振興などを進めることにより、引き続き計画的、総合的に振興してまいります。このうち、豪雪地帯については、基本計画を改定し、これに基づき振興施策の総合的推進に努めることとしております。
 第四は、大都市圏整備の推進であります。
 多極分散型国土の形成のためには、東京一極集中を是正するとともに、大都市圏の秩序ある発展が重要であります。このため、大都市圏整備計画等の着実な推進を図ってまいります。
 また、都市・産業機能の地方分散を積極的に図ることによって東京への過剰な依存からの脱却を図るよう努めることとしておりますが、この一環として、さきに政府機関の移転について方針を決定したところであり、この方針に基づいてさらにその推進を図ってまいります。
 さらに、筑波研究学園都市の総合的な整備、業務核都市等の育成、東京湾臨海部の開発等の大型プロジェクトの推進、三大湾地域の整備、琵琶湖総合開発事業の計画的な実施及び関西文化学術研究都市等の建設促進を図るなど、各地域の総合的整備についても進んで取り組んでまいります。
 第五は、総合的な水資源対策の推進であります。
 水需給の安定を図ることは、国土行政を遂行する上で基本的な課題の一つであります。
 このため、経済社会情勢の変化、連続して発生する渇水等に対応し、二十一世紀を展望して策定した全国総合水資源計画及び利根川水系、荒川水系などにおける水資源開発基本計画に沿い、水源地域対策の充実を図りつつ積極的に水資源開発を推進してまいります。
 さらに、地盤沈下防止等対策要綱に基づく諸対策の実施など地下水利用の適正化を進めるとともに、国民の水資源に対する意識の高揚、雑用水利用の促進など水資源の有効利用に努めてまいります。
 第六は、災害対策の推進であります。
 国土を保全し、国民の生命及び財産を災害から守ることは、国の重要な責務であります。昨年は、災害による被害が比較的少ない年ではありましたものの、梅雨前線、台風、千葉県東方沖の地震などの災害が発生いたしました。今後とも、関係省庁との緊密な連携のもとに、各般にわたる災害対策を総合的かつ計画的に実施し、災害に強い国土づくりに努力していく所存であります。
 震災対策については、東海地震に対する防災体制の充実、地震対策緊急整備事業の促進のほか、南関東における広域防災体制の充実、防災基地の整備等をより一層進めることとしております。火山対策については、特に桜島、伊豆大島などの活動的な火山に係る防災体制の整備を促進してまいります。
 また、近年多大の被害を発生させている土砂災害については、関係省庁との連携を図りつつ、総合的な対策を推進していく所存であります。さらに、防災無線網の充実強化、情報化に対応した防災対策の推進、国民の防災意識の高揚に努めてまいります。
 最後に、国際交流につきましては、昨年の国際居住年の成果を踏まえた居住分野における国際交流事業の推進を初め、水資源開発についての技術交流、国連総会決議に基づき一九九〇年から始まる国際防災旬年に向けての国内体制の整備等、国土政策に関する国際協力を引き続き進めていくこととしております。
 以上、国土行政に関する所信を申し述べましたが、これらの施策の強力な推進に全力を挙げて取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 奥野誠亮

speaker_id: 25784

日付: 1988-03-01

院: 参議院

会議名: 建設委員会