宮澤喜一の発言 (税制問題等に関する調査特別委員会)
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○宮澤国務大臣 このたび相続税の改正を御提案いたしますに際しまして、実は非常に相反しますといいますか、いろいろな要素がありまして、立案する当局は苦労をしたように存じます。
まず第一の事実は、ただいま政府委員が申し上げましたように、昭和五十年以来さわっていないわけでございますから、この十年間の動きは相当大きいわけでございますので、それを調整しなければならなかったというのが基本でございます。殊に土地等につきましては、この何年間かで急騰をしておるものでございますので、先ほど山下委員が言われましたように、そんな大きな土地でない、都会に猫の額ほどの親からもらった土地、家が、相続が起こるとちょっともう住み切れないというようなことはいかにもそれは問題ではないかということがございまして、この点は、御承知のように小規模宅地の減額を、事業用は六割、住宅用は五割でございます。おのおの二〇ポイントずつ上げる。六割減額というのは大変思い切った処置をいたさなければならないような要素が片方でございます。
ところが他方で、当委員会でも従来時々御議論がございますが、そういう資産、土地にしろ株にしろ、資産家はほっておけばますます資産が大きくなるではないか、それは相続税の対象に当然なるべきものであって、重課するのが本当ではないかという議論が他方で随分本委員会でも承る。それはそれで一つの私は考え方なんだろうと思うのでございますが、今申しましたこととちょうど正反対のお話になる。
そういう難しい要素を持った中でこのたびいたしました結果は、結局、所得、消費、資産と分けますと、資産課税のウエートはまあまあ従来と同じということであったようでございますが、そういったような改正をお願いを申し上げた。幾つかのやや方向の違う矛盾する要素を改正の中でやらせていただこうということであったと存じます。