池田省三の発言 (内閣委員会)

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○参考人(池田省三君) お答えします。
 プライバシー保護条例を持っております自治体のかなりの部分が個人情報保護審議会というものを設けております。この個人情報保護審議会というものが、例えば住民から具体的な個人情報保護に関する苦情であるとかあるいは問題点の指摘だとかそういったものを受けて、いわば行政とは離れた第三者の形でそれを議論し問題点を探り、そして改善というものを首長に勧告していく、こういう手続が非常に必要なんではなかろうか。現実にそれは自治体で行われていることであります。この場合、審議会の委員の任命というのはかなり多くの部分が首長の任命ということになるんですけれども、そこで具体的に住民参加の道を開くために幾つかの自治体では次のような方法をとっているわけです。
 一つは、例えば私が所属する武蔵野市もそうなんですけれども、地域の労働団体であるとかあるいは地域の一つの商工関係の団体であるとかそういった地域の団体の推薦を得て委員を任命するというやり方が一つございます。あるいはまた、公募という方法をとりまして、市民から個人情報審議会に就任したいという人間を公募いたしまして、数が多い場合は抽せんで決めるわけなんですが、そういう形で市民の参加を認めている、こういう自治体も幾つかございます。つまり、そういったいわば住民が具体的に個人情報保護のシステムというものについて発言権を持つということ、これが今自治体では非常に求められ、かつ進んでいるところだろうと思います。
 ちなみに、そういった中でどういったプライバシー保護というものが具体化されていたかということを一、二簡単に申し上げたいと思うんですが、例えば川崎市におきましては、住民に対するさまざまな行政上の必要に応じたアンケートがございます。そこで、フェンスをつくるために、当然そのアンケートに答えた人間の所得というものを知りたいわけですけれども、答えたくない人がいるということを想定いたしまして、所得を尋ねる項目について答えたくないという項目を新たにつくる。非常に小さいことのように見えますけれども、これもある意味で僕は非常に大きな意味を持っていると思います。あるいは、藤沢市などの図書館では、図書館の個人情報というのはだれがどんな本を読んだということがある程度推定できますから思想、信条にかかわる個人情報というものになってくるわけです。したがいまして、大体の図書館はオンライン処理はしておりませんで、オフラインで図書館の中だけで処理するというそういう傾向になっておりますが、例えば藤沢では、それにつけ加えまして、本を返却しない人に対して催促の督促状を出す場合に、あえて本の名前は書かないということをやっておるわけです。
 いわば小さい一つ一つの積み重ねですけれども、そういった具体的な一つの取り組みが恐らくはプライバシー権というものを行政並びに住民の中に定着さしていく一番いい方法ではないかというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 池田省三

speaker_id: 27109

日付: 1988-12-08

院: 参議院

会議名: 内閣委員会