名尾良孝の発言 (内閣委員会)
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○名尾良孝君 私は林参考人に二点だけお伺いをしておきたいと思います。
まず、私といたしましては、本法律案は高度情報化社会を迎えるに当たって行政機関の保有する個人情報の保護を行政の適正、円滑な運営と調和しつつ法制化するという画期的な立法でありまして、プライバシー保護のための第一歩を踏み出したという点は評価されるものであり、賛成するものであります。
特に第一点としてお伺いしたいのは、先ほどもお話が出ましたマニュアル情報でございます。
本法律案は、御承知のように、OECDの勧告、それに基づいて加藤研究会、プライバシー保護研究会が設置され、さらにその後、臨調の最終答申を受けて林参考人が座長となられた研究会が六十一年十二月に報告をされて、それがもとになってこの法律案ができたわけであります。
加藤研究会におきましては、コンピューター情報のみならずマニュアル情報についてもこれは対策を講じる必要がある。ただ、マニュアル処理については、システムの成熟度、処理データの内容、規模及び処理方法が多種多様であることなどから、具体的な規制の対象とその内容については適正な限定を置く必要があるというふうに言っておられますが、林研究会におきましては、保護すべき個人情報は公的部門における行政機関の持つコンピューター情報に限るというふうにされております。ただ、その報告書の中でこういうふうに言っておられます。「電子計算機処理に係る個人情報のみを対象とした規制を行うに当たっては、手作業による処理への逃避をもたらしたり、電子計算機の利用の拡大を抑制したりすることがないよう留意する必要がある」この意味は、私から言わせるならば、逆にマニュマル情報というものはなるべくコンピューター処理に切りかえていく、そしてマニュアル情報というものはなるべく減らしていく、減らしていくことによって情報の内容を把握しこれをシステム化していくと言うことができるというふうにも考えております。
これは、今後の検討条項として衆議院においても附帯決議をされ、参議院においても恐らく附帯決議の中に入ってくるであろうと思うのでありますが、今後のマニュアル情報の処理についてコンピューター情報との関係においてどのようにお考えになっておるか、それが第一点であります。
第二点は、先ほど申し上げましたように、林研究会では、もちろん臨調の最終答申を受けられての研究会でありますから公的部門におけるコンピューター情報ということに限定をされております。その中で特におっしゃっておられるのは、公的部門つまり国の行政機関が保有をしている個人情報というものは、これが収集、集積、保有されているのは法令に基づいて職権によりまたは公的信用を背景に収集されたものが多いということがまず前提になっておる。つまり、今政府機関が保有をしておる情報というものは頭からこれはもう正当であるというふうに言っておられる。私ももちろんそれを信じております。しかし、国民が心配をしているのは、果たして政府機関が持っている自分たちの個人情報というものが正当に収集をされ、保有をされているものであろうかということを心配をしておるんだと私は思うんです。でありますから、公的信用を背景にあるということを立証する必要があるのではないか。これは、私は本法案を修正しろという意味ではなくて、やはり先ほどいろいろ参考人からお話が出ましたように、抽象的な言葉ではなくて、いわゆるセンシティブ情報の中で思想、信条、宗教、健康状態であるとかあるいは教育ということに対してはある程度法的に明確にできないものか。それを明確にすることによって行政機関の方は、私の方は正当に収集して持っておりますよということであっても、国民の方から見て、やはりそれを法制化することによってやはり自分たちの情報はこれだけ厳正に守られながら政府機関に保有されているんだなという安心感を持つと思うんです。
そもそもこの法案ができた原因は一番先に何かといえば、国民の中には自分の個人情報が十五億件も政府機関に保有されてどのようなものになっているのだろうかということを心配している、それを解除して安心させてやるというのがこの法案をつくることになった一つの大きな要因だと思うんです。そういう意味で、やはり国民に信用をされる、国民が安心のできる法律案として今後考えていかなければならないわけではないか。
なるほどセンシティブ情報というものの定義はなかなか難しい。難しいけれども、この法案のように極めて抽象的ではなくて、ある程度具体的にその基準を示すということが今後必要ではないか、こういうふうに考えておりますが、その二点について林参考人の御意見を承って私の質疑を終わります。