宇野宗佑の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(宇野宗佑君) 永末委員長に二問ばかり答弁漏れがございましたから、私から補充いたします。
 日中経済関係についてでございますが、国際的イメージが大きく傷つけられたことは否めません。したがいまして、今回、中国から邦人が一時引き揚げを行いまして、経済協力についても、近く予定されておりました調査団の派遣も延期せざるを得ないような情勢となっております。だから、こういう状況に立ち至っていることから、経済関係を含めまして日中関係にも大なり小なりの影響が出ることも予想される、これが今日の考え方であります。
 いずれにいたしましても、中国の情勢はまだ流動的で、まずその帰趨を慎重に見きわめたい、かように考えております。
 先ほど、伝聞として、平静化しつつあるというお話も承りました。しかしながら、また新しい情報が入りまして、いろいろと諸種の諸説紛々たるものありということでございますから、今のところ、平静になることを期待しながら、このような見解を表明いたしておきたいと思います。
 また、ブッシュ大統領の封じ込め政策、そうしたことを撤廃するというふうに言われたから防衛大綱どうかというお尋ねがございましたが、ブッシュ大統領のスピーチは、いろいろとあちらこちらでなさっておりますけれども、封じ込め政策を超える、撤廃じゃなくて超える、こういうふうに発言をいたしております。そして、単にソ連の拡張主義を封じ込めるだけではなく、ソ連を国際社会に統合する、こういうふうに説明をいたしまして、なおかつ、我々の軍事力は米国と同盟諸国の防衛及びソ連の拡張主義の阻止を目的とする、このように示されておりますので、これが直ちに防衛大綱の重要な点を変更しなければならない状態ではない、このようにお考え賜りたいと思います。
 さて、馬場さんに対しましてのお答えでございますが、随分と広範にわたりましてございましたが、政治改革に関しましては、もう私、何度も何度も申し上げました。今内閣の重点使命は政治の改革にありということでございます。なおかつ、今まであなたは何度もそれを言わなかったじゃないかとおっしゃいますが、外務大臣たる者、自国のいろいろな政治空白をちょうちょっとして他国に論ずるべきではありません。したがいまして、私はそうしたことは一切申し上げられる立場になかった、このことをひとつ御理解賜りたいと思います。
 なおかつ、リクルート問題に関する議員につきましても、何度も申し上げておりますが、司法上の責任の有無にかかわらず、議員としての名誉を重んじて、良識に基づいてみずから対処していただきたい、これが私の考え方でございます。
 また、問い二では、後継総裁の就任要請の際に条件をつけなかったかということでございますが、私は、政治改革を断行するしかない、こういうふうに考えて、そのことを要請されましたので、何ら条件はつけておりません。
 派閥解消を直ちに実行すべきだということでございますが、このことも我々といたしましては十二分に大切な項目であるとして、派閥の弊害除去と解消への努力を行う所存でございます。閣僚並びに党の役員はいずれも派閥を離脱いたしました。私も離脱いたしました。そうしたことがその決意の一つである、かようにお考え賜りたいと思います。
 また、リクルート事件捜査の全容報告ということもございましたが、これも既に議運で決まりましたので、国会から報告の要請があらば、その時点で対応を検討すると申し上げておきましたが、国会の国政調査権に対しまして、法令の許す範囲内で、できるだけの協力を申し上げたいと思います。
 リクルート問題に関する反省でございますが、私はここに立つたびに、自由民主党は深く反省を申し上げております、国民に対しましても反省の言葉を私は申し上げております。したがいまして、二度とこのようなことがないために、私たちは政治改革をやりたいのでございます。
 その内容は何かということでございますが、我々政府におきましてできることはもう既に実施いたしております。
 さらに、法律によって改正をしなければならない問題がございます。これは選挙法の改正であり、政治資金改正等々でございますが、既に自民党案が出されております。もちろん野党の皆さん方と御協力をいただきまして、この問題の早期な審議をお願いし、この国会において成立しますならば、それこそ国民が政治改革を望まれた第一段にこたえるゆえんである、私はかように考えます。(拍手)
 企業献金を禁止しろということでございますが、企業も一つの社会的存在でございまして、企業が行う政治活動に関する寄附がよくないと決めつけるわけにはまいりますまい。
 また、家族、秘書の行為も政治家の責任として、議員資格剥奪を含む罰則つきの政治倫理法を制定すべしということがございますが、まず我々は、政治倫理綱領の遵守が政治家としての資格の第一義と心得ております。さきに両院で定めました行為規範、内容を充実するとともに、両院に置かれております政治倫理審査会がその機能を十分発揮するよう、ただいま自由民主党におきましては、これに関しましても検討中でございます。
 また、私に関する問題が出ましたので、はっきりお答えいたしておきます。
 宇野の後援会長もリクルートに関連しておるではないか、これは既に新聞で報道されたとおりでございますが、その会長さんは先日おやめになりましたし、また、その会は、私の事務所にあるのではなく、全く別のところに私の大学の同窓生がつくっておるのでございます。だから、その会長さんの献金もその会になされまして、その会から私に献金があるわけでございますから、私とリク
ルートはどこにおきましても結びついている点は全くございません。
 その次に、四閣僚のリ社献金の問題は、先ほど一つのけじめをつげるために各閣僚に自主申告をお願いした、その自主申告によりまして明らかにされたと私は思います。
 その次に、政治倫理綱領を閣僚、党役員はもちろん、自民党全議員に遵守させるべきである、そういう質問でございますが、当然このことは、全国会議員は綱領の遵守をみずからに厳しく課す決意を新たにすべきであると考えております。
 なおかつ、国際信用が落ちたのではないかというお話でございますが、いろいろと政治改革につきましてはどうするかということを注目されておる、これが今日の問題でございます。
 中国に対しまして断固たる制裁措置をとるべきでないかということでございますが、これは甚だ私は隣国に対して礼を失しておるのではなかろうかと思います。やはり大切な隣国でございます。言葉も慎まなければならないでしょう。感情をあらわにする必要もございますまい。私たちは、ただ、隣国におきまして軍隊の鉄砲が国民に向けられて多くの死傷者を出したことは遺憾とする、憂慮する、このように申し上げておるような次第でございまして、既に、このことに関しましても、人道上の問題としてこのことは容認することはできません、そうしたことをお伝えいたしておりまするが、速やかに平静になることをやはり隣国といたしましては心から祈念いたしたいと思います。
 北朝鮮との関係改善に関しましても、既に、前内閣以来、政府間の直接対話をできるだけ早く実現したい、このことを申し入れておりまするし、外務委員会の諸先生方は御承知だと思いますが、旅券法の改正までそのためにいたしております。したがいまして、自民党の訪朝団も今後予定されておりますが、まだ具体化されておりません。政府といたしましても、そうした場合には側面的に協力をしていきたい、かように考えております。
 いずれにいたしましても、南北朝鮮の問題は、まず南北朝鮮、その関係国両国のお話し合いということが大切であるということを申し上げておかなければなりません。しかし、私たちも、朝鮮半島の融和が図られることに対しましては、これを歓迎いたしたいと考えております。
 消費税の廃止をせよという問題でございますが、現在撤廃する考えは全くございません。
 これは、御承知のとおり、将来の高齢化社会、さらには我が国が国際化になったという立場におきまして、なお一層国民生活の充実、そして安定を図らんがためには避けて通れない税制である、こういうことで私たちが決意をした次第でございますが、何度も申し上げておりまするとおりに、我が国になじみの薄いものであることは事実でございます。だから、多くの混乱や戸惑いが生じておることでございましょう。そうした国民の声は耳にしなければいけない、このことを私は申し上げておる次第でございます。
 したがいまして、大蔵大臣に対しましても、ひとつ政府税調において勉強会を始めてください、十二分に国民の声を吸収してくださいということをお願いしているような次第でございます。
 厚生年金の支給開始年齢は、これは平成二十二年に六十五歳になるというふうな趣旨でございまして、人口の高齢化の急速な進展の中では、年金給付の水準を維持しながら後代の負担を適正なものとしていくためには、その支給開始年齢の引き上げは避けて通れない課題であります。しかし、引き上げに当たりましては、できるだけ早目にスケジュールを国民の前に明らかにいたしまして、十分な準備期間を設け、段階的にその実施を図る、繰り上げ年金等の措置もあわせて実施をしたい、これが政府の考え方でございます。
 農業問題に関しましては、本年度の生産者米価についてはまだ何も決めておりません。いずれにいたしましても、生産者米価に関しましては、稲作の一層の生産性の向上を図り、農業経営の安定を確保したい、そして、国民の納得し得る価格での安定供給を行うとの観点に立って適正にそのことを決めていきたい、これが政府の基本姿勢でございます。
 米の問題に関しましても、各国の農業問題、制度の議論がウルグアイ・ラウンドでいずれなされましょうが、そうしたときに、マルチ、多数国として参加することが適切であると私は考えております。
 また、米問題につきましては、稲作、そして米、この格別な重要性というものを十分考えなければなりません。既に国会の決議がなされております。政府はこの国会の決議を尊重いたしたく存じます。その趣旨を体しまして、今後とも国内産で自給するのだという基本的な方針で対処してまいる所存でございます。
 食管制度に関しましても、米を政府が責任を持って管理することにより、生産者に対してその再生産を確保する、また消費者に対しましては安定的な供給責任を果たす、それが食管制度の基本的な考え方であります。今後もこれを堅持いたします。農政審議会の小委員会報告の方向に沿って、適切な運営改善を図る所存でございます。
 続きまして、臨教審にお触れなさいました。リクルート事件で汚れた臨教審に基づく教育行政を見直しなさい、こういう御趣旨の質問でございますが、臨教審は、教育基本法の精神にのっとって、教育の現状における諸課題を踏まえながら、時代の変化に対応する教育の実現を目指して、幅広い視野から審議を行われたものでございます。その成果は高く評価しなければならないと思います。したがいまして、その答申は、いわゆるリクルート問題とは無関係であると認識いたしております。
 ただいま、臨教審にかわりまして、先般中教審が再開されました。これに対しましては、新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について審議をお願いいたしております。今後とも、教育基本法の精神にのっとりまして、国民の理解と協力を得ながら積極的に教育改革を推進してまいりたいと思います。
 サミットで地球環境問題に対する取り組みをせよ、どういう仰せでございます。
 サミットにおきましても、地球の温暖化であるとか、オゾン層の破壊であるとか、さらに熱帯林破壊等の地球環境問題が焦点の一つになることは事実でございます。我が国といたしましては、その規模が非常に大きく、影響が国境を越え、全地球に及ぶことから、人類の共通の課題といたしまして地球環境問題に取り組みたいということを認識いたしております。
 また、九月にそうした意味で環境会議を東京において行うということも大切でございますが、とりあえずサミットにおきましては、我が国の立派な役割を果たしていかなければならないと考えております。
 森林の造成、育成対策に関しましてもお尋ねがございました。
 ちょうど戦後四十四年でございます。したがいまして、一たん伐採されました各山林における我々の林野、国産材が今や非常によい状況を迎えたと申し上げてもよいのではないかと思います。いわゆる国産材時代が到来した、このことが期待されております。このため、来るべき国産材時代に備えまして、木材需要の拡大とか木材産業の体質強化を図ることは当然必要でございますが、さらには造林、林道等林業生産基盤の整備に努めているところでございます。今後とも、森林・林業の振興のため、総合的な施策を強力に推進してまいりたいと存じます。
 衆議院を解散して総選挙によって国民の信を問えというのが最後のお尋ねでございましたけれども、私は、何度も申し上げておりますが、解散よりも、まず、今国民が最も要望をされておりまする選挙そのものに対しましてメスを入れなければならない、体質を改善しなければならない、そういうふうな思いを強く抱いておりまするから、政治改革、この改革の前進を図りたいと考えております。したがいまして、解散に関しましては全く考えておりません。
 以上でございます。(拍手)

発言情報

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発言者: 宇野宗佑

speaker_id: 12102

日付: 1989-06-08

院: 衆議院

会議名: 本会議