金子満広の発言 (本会議)
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○金子満広君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、宇野新総理に対して基本的な政治姿勢の問題について質問をいたします。
まず初めに、私は、中国の首都北京で、民主化を求める数万、数十万と言われる学生、市民に対して、中国共産党と中国政府当局が戦車を含む軍隊を突入させ、野蛮きわまる無差別の発砲、乱射によって数千に及ぶ死傷者を出した武力弾圧に対して、日本共産党の名において、怒りを込めて抗議するものであります。(拍手)
同時に、私は、犠牲となられた方々及び御遺族の皆さんに、この席をかりて心から哀悼の意を表するものであります。
学生、市民の基本的人権を武力で圧殺するというこの中国当局の野蛮な行為は、学生、市民に対する虐殺だけではなく、ついに軍同士の衝突、銃撃戦という重大な事態まで報道されるに至っています。まさに重大な国際問題であります。
我が党は、既に五月二十九日に、中国で起こっている学生運動は、中国指導部が規定したような動乱などでは全くなく、民主化を求める非暴力の平和的運動であり、万一軍隊によって学生が制圧されるならば、それは中国の国内問題にとどまらず、重大な人権問題、国際問題になることを明確に警告してまいりました。さらに、武力弾圧が開始された六月四日には、直ちに声明を発表し、中国指導部の暴挙を怒りを込めて糾弾をしました。これが人権の尊重と民主主義め発揚を基本とする科学的社会主義とは全く無縁な蛮行であることを明らかにしたのであります。
動乱とか暴乱を引き起こした、そして秩序を破壊した者は、北京の学生や市民ではありません。明らかにこの蛮行を命令し指揮した中国共産党と中国政府当局であることは明白であります。(拍手)
この中国の事態について、既に数多くの国々の代表が次々に中国政府に対して強い抗議と遺憾の意を表明しております。また、制裁措置をとった国もあります。ところが、総理、なぜ総理は所信表明でこの問題に一言も触れなかったのか。事態は明白であるにもかかわらず、なぜそれを避けたのか、その理由を明確に答えていただきたいと思います。
総理、今回の中国の事態に対し日本政府がどのような態度をとるか、それはまさに我が国の外交姿勢の根本にかかわる問題であります。総理、どのような具体的措置をとるのか、国民はそれを注目しています。
昨日総理はこの席から、中国在留邦人の安全ということで、慎重な態度が必要と言われました。きょうも同じ答弁をされました。その安全のためにこそ、流血の惨事を直ちに停止することを中国政府に申し入れるべきであります。また、かつて中国に対して侵略戦争を行ったという引け目から今正論を言わないとすれば、これこそ二重の誤りを犯すことになると言わなければなりません。明確に答弁をしていただきたいわけであります。
中国指導部は、世界周知のように、鉄砲から政権が生まれるなどと言いながら、武装闘争路線や野蛮な文化大革命の礼賛を我が党にも押しつけてまいりました。しかし、日本共産党はこれをきっぱりと拒否してきたことは、歴史の明白な事実であります。そのため、中国側は、我が党と日本の民主運動を破壊するため、暴力を含め、あらゆる干渉、攻撃を露骨にしてきたのであります。これに対して、日本共産党は、断固として自主独立の立場を貫いてまいりました。また、四年前、中国の側からの申し入れによって、我が党は日中両党の会談を行いましたが、中国側はその干渉の非を認めず、みずから提起した会談をみずから打ち切るという、民主主義の道理を国際的にも全く無視した大国主義的態度をとったのであります。
我が党の自主独立の立場は、今後とも不動のものであります。我が党は、こうした原則的立場から、民主化を求める中国人民と学生に深い連帯の意を表明するとともに、対等、平等、互恵の原則に立った健全な日中関係の発展のために全力を尽くすことをここで重ねて表明しておきたいと思います。
さて、第二は、国内政治における総理の政治姿勢であります。
総理、宇野新体制ができたときに、あなたはまず、清潔な政治、国民に信頼される政治を説きました。しかし、国民の目にすぐ入ったものは何であったか。リクルート疑惑解明どころか、総理自身の関係者を初め、幹事長、官房長官、主要閣僚がリクルートの金とつながりを持っていたという事実であります。これが次々に明らかにされてきたことでありました。したがって、宇野新内閣は中曽根・竹下リクルート政治の忠実な後継内閣そのものである。そして、リクルート疑惑を引きずりながらいる内閣ということは、一層はっきりしてきたと思うのであります。
リクルート疑惑のけじめなどというのは、ついたどころの話ではありません。ますます広がっています。自民党の中からさえ、宇野体制は国民感情への挑戦ではないかという批判が公然とされていることを見ても、明らかではありませんか。(拍手)
今や、金権腐敗政治を一掃することは、日本の政治に課せられた緊急の課題であります。ところが、総理が今積極的に推進しようとしている自民党の政治改革大綱は、改革どころか、その内容の一つ一つは金権政治の温存そのものであります。
この政治大綱は、リクルート疑惑の解明を回避しています。さまざまな名目による企業、団体からの政治献金を容認しています。それだけではありません。献金額の枠を一層拡大しようとしております。さらに、大綱は、金権腐敗政治の一掃を望む国民の要求を逆手にとって、これまで国民の強い反対で日の目を見なかった小選挙区制、つまり自民党が四割の得票で八割の議席を占めるという、独裁政治に道をあける小選挙区制の導入を、しかも政治改革の根本などと位置づけているのであります。また、結社の自由、政党活動の自由を抑圧する、圧迫する政党法の制定や、参議院比例代表制の廃止の方向まで打ち出すという重大な内容を含んでおるのであります。
私はここで、次の五つの点について、具体的に総理の所見を伺います。
まず第一は、金権腐敗政治の最大の根源である企業や団体からの政治献金を禁止する、政治献金は個人に限定するという問題であります。
言うまでもなく、企業、団体は、憲法で投票権を保障をされていません。当たり前のことです。政治献金は、その精神から見て、投票権を有する個人に限定すべきであります。これこそが憲法の精神に立脚するものであります。もちろん、社長・であれ、従業員であれ、だれであれ、個人献金は全く自由であります。それぞれの個人が支持する政党に献金をするということは、民主主義の原則であり、基本であります。
言うまでもないことでありますが、企業というのは初めから営利、もうげることを目的にしたものであります。したがって、営利を目的にして活動している企業からの献金は、結局事実上のわいろ政治につながっていくんだということは、今回のリクルート疑惑の実態を見ればよくわかるのであります。企業、団体からの献金を禁止するかどうか、これは腐敗政治を一掃するかどうかの根幹にかかわる重大な問題であります。(拍手)
私は、決して理想論を言っているんじゃありません。マスコミの世論調査でも、企業からの政治献金の禁止、これを求める声は、五九%の人々がそれを主張しているのであります。今や、企業、団体からの政治献金が金権腐敗政治の根源であることは、多くの国民がこれを指摘し、共通の意見になっていると言っても言い過ぎではございません。決して理想論でないことは明瞭であります。
総理が、真に、清潔な政治、国民の納得できるわかりやすい政治、こういうことを言うならば、真っ先に実行すべきことは、この企業や団体からの政治献金の禁止であります。この点については幾たびもここで答弁がございましたが、以上の私の質問の要点を踏まえた答弁を求めるものであります。
第二は、未公開株の譲渡という名前の献金を全面的に禁止することであります。未公開株の譲渡が初めからわいろ性を持っていることは、広く指摘をされているとおりであります。我が党はこの禁止を国会でも追求してきましたが、このことは国民多数の要求であり、声であると私は確信をいたします。この点でも総理の明快な答弁を求めるものであります。
第三は、よく言われることでありますが、一晩に十億とか二十億とかこういう政治献金を集めるとまで言われている、とてもとても常識では考えられないようなあのパーティー券方式による金集めであります。これは厳密に禁止することであります。
第四は、大臣はもちろん国会議員の資産を公開すること、そして政治資金の収支をガラス張りにすることであります。あれやこれやの後援会を幾つもつくって、それを隠れみのにして脱法行為をするようなことは断じて許さないという、こういう内容を明確にすべきだと考えます。
同時に、冠婚葬祭の名によるあの金のばらまきを禁止することであります。大体、現行の公選法でも、選挙区内における一切の寄附行為、冠婚葬祭費から各種行事への祝い金などは、親族の場合を除いて禁止をされているわけでありますが、これが実行されていません。これを厳しく実行することを明確にしていくことが今強く求められていることであります。
第五は、我が党の反対を押し切って改悪した議院証言法をもとに戻すということであります。そして、国会における証人喚問のテレビ放映を復活することであります。NHKその他からもこの要求は出ていますし、国民の広範な層からこれが強く求められています。これは主権者である国民の知る権利を保障する最小限の義務であります。証人喚問の国会中継があの紙芝居のように画面が動かなくて声だけ流れてくるというああいうやり方は、今やもう国際的にも物笑いの種であり、笑い話にさえなっているのであります。ガラス張りの政治ということを口にするなら、今すぐ金がかからなくてできることは、この証言法というのをすぐもとに戻すということだ。これはすぐにでもできるわけでありますから、総理の具体的な見解を伺いたいと思います。
今やるべきことは、これらの五項目の緊急課題を実現をし、政治浄化を求める国民の要求に直ちにこたえるべきであります。
小選挙区制をやるとか、政党法をつくるとか、参議院の比例代表制の廃止などとはもはや論外であります。選挙区制度の問題については、三年前の国会決議でその実行を義務づけているところの衆議院の定数是正を抜本的に改正する、これを今すぐやることであります。私は、その点で、まず一票の格差を一対二未満にすること、選挙区の定数は三人区から五人区を維持すること、そして、選挙区の区割りというのは同一都道府県内で行うこと、定数は現在を基準にすること、これを実行することであります。総理の具体的な見解を伺います。(拍手)次に、リクルートとともに国民の怒りの的になっている消費税について質問をいたします。
国民の強い反対を押し切って、政府・自民党は、暴挙に次ぐ暴挙の積み重ねの中で、公約違反の消費税を四月一日に強引に実施をいたしまし
た。これに対する国民の怒りはますます広がっています。来る日も来る日も納税日だ、これは国民の強い指摘であります。この悪税は国民生活にすべての分野にわたってつきまとい、朝から晩までうるさく消費税がつきまとってくるのであります。
これは政府・自民党がやった消費税でありますから、こういう点を明確にしながら、しかも、総理は、所信表明でも、また先ほどの答弁でも、消費税はおおむね円滑に実施をされているなどと述べました。どこにその言葉を信ずる人がいますか。やった人ぐらいじゃないのですか。日々その怒りはどんどん広がっております。
どこでも買い物のたびに、知らない客同士の間でも、この悪税を強行した者への怒りが日々話題となっているというのが現状であります。したがって、怒りは商店街から中小企業者の間で全国各地に広がっています。こういう商店街や各種の業者団体の中で、消費税の廃止、選挙で自民党を支持せぬ決議が次々にやられていることは、総理自身御存じのはずであります。
また、農産物の輸入自由化反対とあわせ、消費税に対する怒りは農村地域にも広がっておりますが、農協及び農業団体などが相次いで消費税の廃止を決議をします。参議院選挙で自民党を支持しないという決議もやります。全国的でありますから、これも新たな特徴であり、主権者の決意の新たな表明であります。
国民の怒りがますます高まるのも当然であります。政府は消費税の負担よりも減税の方がでかいのだと官医をしてまいりました。そのうそは、実施して二カ月間で完全にパンクをいたしました。日本生協連の調査によれば、四月の家計簿から推定した平均世帯の消費税負担は、月額実に九千円であります。年間では十万円を優に超えることになります。ところが、減税の方は、年収五百万円の四人家族で昨年に比べて年額わずか一万六千円です。一昨年に比べてみても七万円にすぎません。圧倒的多数の国民が差し引き大幅な増税を押しつけられているのであります。
とりわけ年金生活者はどうですか。お年寄りの世帯はどうですか。母子家庭はどうですか。減税の恩恵は全くゼロであります。消費税の被害だけが強要されているのが、皆さん、実態ではありませんか。
政府・自民党は、消費税導入について、高齢化社会のためだと随分宣伝してきました。しかし、消費税を強行した途端、どこでも指摘をされます老後の命綱である年金制度の大改悪を持ち出してきたのはだれなんですか。年金の支給開始の年齢を六十歳から六十五歳まで先送りをした。人生八十年だ、年金生活二十年、その年金生活二十年の中の四分の一を切り捨てるということであります。総理、高齢化社会を言うならば、このような年金制度の改悪は直ちに撤回をすべきであります。全国民的な問題であります。イエスかノーか、はっきり答えていただきたいと思います。(拍手)
総理、消費税の目的が高齢化社会のためであるなどということは真っ赤な偽りでありまして、真の目的が軍備拡大の財源づくりであることは、中曽根内閣の不沈空母発言以来この七年間、この間特にふえたのが軍事費と政府開発援助、ODAであったことを見れば一層明らかであります。そして、今年度の軍事費は、ついに史上最高の三兆九千百九十八億円にまで大膨張したのであります。既に日本は、アメリカ政府が公表しているように、米ソに続いて実質世界第三位の軍事大国になっているのであります。とこで私は改めて次のことを総理に要求をいたします。
まず、海外に進出している大企業に対する外国税額控除制度の見直しというのをやることであります。大企業、大資産家優遇のあの不公正の税制、これを抜本的に是正することであります。政府開発援助、ODAの見直しです。そして、今指摘したように、世界第三位の軍事費を半減することであります。これをやれば、消費税をなくして年金の改善、そして老人医療の無料化の復活を初め、減税、福祉、教育に予算を回すことができるのであります。
今、政府・自民党は、参議院選挙や東京都議会選挙を前にして、消費税廃止の声がどんどん大きくなっているということを意識をして、その声を恐れて、消費税の修正とか見直しとか、これをにわかに言い始めました。しかし、国民が要求しているのは、そのような修正や見直してはありません。明確に廃止そのものであります。国民の願いにこたえることこそ民主政治の基本であります。私は改めて消費税の廃止を強く要求をいたします。総理の見解をただします。
この際、私は、農産物の輸入の自由化、特に米の問題について単刀直入に伺います。
あの牛肉・オレンジの自由化を受け入れた政府・自民党の姿勢は、今米の自由化を誘発しています。日本農業を存亡の危機に陥れようとしています。これまで農産物の輸入自由化についてはアメリカといろいろ交渉してきました。しかし、交渉の経過から見て、結果を見るならば、アメリカというのは一つ譲れば二つよこせと言います。二つ譲ればみんなよこせで、米まで自由化しろという強い圧力じゃないですか。
そこで総理、総理が米の自由化は部分的といえども、よろしいですか、部分的といえども絶対に容認しないということを、ここであれこれの言葉で煙幕を張らないで、部分的なことでも絶対やらないと断言をできますか。農民はそれを聞いています、見ているのですから、はっきり答えていただきます。また、いよいよ新しい米価決定の時期になってまいりました。米価の引き下げは絶対にしないで再生産を保障すること、あわせて食糧の自給率を高めていくこと、この点について総理の見解を伺いたいと思います。
ここで私は、先般明らかにされた、一九六五年沖縄水域におけるアメリカの空母タイコンデロガの艦載機が広島型原爆の七十倍の破壊力があると言われている水素爆弾もろとも水没したあの事件について質問をいたします。
乗組員その他の証言や航海日誌、日本の平和団体の調査でも、タイコンデロガがその直後に横須賀港に寄港していることは否定できない事実であります。政府は、明白なこの積載艦船の寄港についても、アメリカ側から事前協議の申し出がなかったから核兵器の持ち込みはないんだという開き直りを依然として行っています。しかし、このようなせりふはもう通用いたしません。
総理は、所信表明で、日米安全保障体制の堅持あるいは非核三原則の堅持を言いました。しか
し、今回明らかにされたこの水爆の事故と横須賀寄港の事実は、日米軍事同盟が核つきの軍事同盟だ、非核三原則というのは堅持されているどころか全く空文になっているということを重ねて国民の前に明らかにしたと思います。(拍手)今や、つくらず、持たず、持ち込ませずという国是は、つくらず、持たずというのはそれとしても、持ち込ませずというのは、日本政府によって確かめずに変質をしていることを私はここで指摘しておきたいのであります。
私は、一昨年四月本院の予算委員会で、一九六六年の二月に当時のラスク米国務長官から在日ライシャワー大使あての極秘電報で、一九六〇年、既に、日米両国間に核兵器積載艦船の我が国への寄港、通過をあいまいにし容認するという秘密の合意があったことを、解禁されたアメリカ側の公式文書に基づいて政府の見解をただしました。これに対して、当時の中曽根内閣は、その密約を否定をし、事前協議の申し出がなかったから核兵器は持ち込まれていないといういつものせりふの繰り返しで答弁を行ってきました。
しかし、周知のように、核兵器に対するアメリカの国策は、核兵器がどこにあるかないか、その所在を明らかにしないということであります。核兵器の所在を明らかにしないアメリカが、どうして核兵器を積んだ船を日本の港に入れるということで事前協議を申し入れできますかね。してくるはずはないじゃないですか。それは、過去二十九年間なかったことであり、今後もあり得ないことであります。国是である非核三原則は、核兵器の所在を言わないとするアメリカの国策に踏みにじられているというのが現状ではありませんか。ここまで来ても、総理は本当にまじめにアメリカが今後も事前協議を申し入れてくるなどとでも思っているのかどうなのか、伺います。
総理、外務大臣を経験されたあなたは、そのことをだれよりもよく知っているはずであります。非核三原則を堅持すると言いながら、もしそれが本当ならば、まず、空母タイコンデロガがアメリカを出港してベトナムで作戦をして再びアメリカに戻っていったあの航海日誌の全容の提出をアメリカ政府に要求して、これを入手し、天下に公表すべきであります。これは、国の安全に責任を持たなければならない政府の果たさなければならない当然の責務であります。私は、核兵器の廃絶を願う唯一の被爆国の国民の名において、このことを強く要求をいたします。(拍手)