薮仲義彦の発言 (土地問題等に関する特別委員会)

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○薮仲委員 次に、総理がおっしゃる資産格差という問題。持つ者と持たざる者との格差を、とおっしゃった。確かに、ここに政府の資料、国民経済計算年報、経企庁の元年版がございますが、国民の総資産は五千三百三十八兆。そのうちの約三割は土地でございます。一千六百兆。正確に言えば一千六百三十七兆。こんなに狭い日本の国の総資産が一千六百兆です。アメリカが四百九十兆余り。よく笑い話のように、もし買ってくれる方がいればアメリカが三つくらい買えちゃうじゃないかというようなことが言われます。これは余りにも膨らみ過ぎているのじゃないか。
 また、総理ですから、やはり経企庁の資料でやりますけれども、この中にもこう書いてあるのです。六十三年末の法人の含み資産は、土地については三百四十二兆、株式については百七十兆、合わせると五百兆円に達している。これは経企庁の白書でございます。この中でも法人の含み資産という話が出てまいります。個人において、総理のおっしゃる持つ者と持たざる者の格差もございます。
 しかし、現実には個人と法人の間の格差もまた広がりつつあるのかな。なぜ広がるかといえば、税制上、個人の場合は一生の間に一度は相続税で全部資産が再評価されます。ですから、自分の持っている資産はまた社会に還元してその人生を終わられていくわけでございますけれども、法人の場合は残念ながら資産の再評価というものは、シャウプ税制以来四回ほど各自企業がおやりになりましたけれども、きちんとした形で資産を再評価するということがなされずに、フローはストックとしてこれだけの資産になった。しかも、それをもとに金融機関からお金を借りて日本の経済が今日成り立っているという重要な面も見逃せないと思います。
 しかし、余りにもこうなってまいりますと、これはバブル、泡みたいなものです。金融も経済も、日本の国全体がそういう泡のような、土地に対する評価が適正じゃないところに成り立っていることは、将来この泡がぽんとつぶれて大不況になってはという懸念はどこかにありますけれども、そうならないために政治家があり政治があると私は信じていますから、ソフトランディングさせる必要があると思うのです。しかし、このような資産のあり方については、持つ者と持たざる者と同時に、法人と個人の差についても、経営者やいろいろな方の御意見、反対意見はもろに出てくると思いますけれども、調整しながら、国民の合意が得られるような資産のあり方に進めるべきだと思います。これは拙速はかえってまずい問題でございますが、長期にわたって適正な評価に持っていく方向が私は正しいと思いますが、いかがでございましょう。

発言情報

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発言者: 薮仲義彦

speaker_id: 154

日付: 1989-11-17

院: 衆議院

会議名: 土地問題等に関する特別委員会