伊藤茂史の発言 (建設委員会)

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○伊藤(茂)政府委員 お答えします。大川端のリバーシティ21の公団住宅関連のお話、それから東京都の住宅政策懇談会報告のこれから東京都が取り組もうとしているいろいろな住宅対策のお話、それから江戸川区等で行われておりますいわゆる家賃補助の問題、いずれも大都市の住宅対策という面から見ますと、非常に示唆に富むお話でございます。
 私ども東京圏を初めとします大都市の住宅対策を考えるときに、居住水準の向上ということを考えますと、一つは、今先生が御指摘のように子供を持って子供を育てていく家庭の世帯、つまり日本経済を一番支えている勤労者でございますが、その方々の居住水準が最も低いということは非常に問題だと思っているのが一点。それから、高齢者世帯が高齢化社会に向けましてだんだんふえていくわけでございますが、その際に高齢の夫婦が残っていく、そして最後には一般的には女性お一人が残られるというような世帯が非常にふえておりまして、これが居住の安定と申しましょうか、持ち家に入って老後を迎えられた方はよろしいのですけれども、民間賃貸等で居住の安定がなかなか得られない、あるいは家賃の高騰に居住の安定が得られないというような問題がございますと同時に、居住水準面でも高齢者の二人世帯の居住水準というのは非常に悪うございまして、私ども住宅対策を進めていく上で、今申しましたこの二つのグループがこれから大きなものだと思っております。
 現在、今国会に提案しております大都市法等の改正案におきましても、私どもが四百三十万の住宅供給可能量が東京圏にはあるよ、その中で新規の宅地に立地をするものは二百三十万戸くらいの土地がある、それにつきまして約百万戸は今言いましたような子供を育てていく世帯の一般勤労者、中堅勤労者の住宅ということに十分配慮をしなければならないと申しておりますのも、先生御指摘のとおりの問題点を解決したいからでございます。
 それで、今リバーシティ21についてお話しでございましたが、確かにリバーシティ21におきます家賃の分布を見ますと、民間も公団も高うございます。公営住宅の場合には政策家賃でございますので相当下げておりますが、したがいまして、こういう家賃ばかりの住宅を東京圏で建てれば、これは住宅対策としては先生の御指摘のようなことになることは十分重々承知の上でございます。したがいまして、私どもは東京圏全体、広域圏としてとらえて、今言いましたような階層に対しまして百万戸の公共住宅を何とか供給していきたいと申しておるわけでございます。
 それでは公団がああいう場所で高い住宅を絶対つくってはいけないかと申し上げますと、これはまたこれなりに、それなりの住宅対策として意味があると思います。と申しますのは、大都市では相当高い世代まで共稼ぎの勤労者もおりますし、それから相当高齢者で管理職の方々もおられるわけでございます。したがいまして、そういう方々で賃貸住宅に住み続けたいといったときに、民間の非常に高いもの、しかも都市環境としてどうかというものもあるわけでございまして、そういう需要はやはり大きいわけでございますから、これは民間の方にもお手伝いいただきますけれども、公共の方でも補完をしていくということは重要だろうと思います。
 それからもう一点は、そういう都心部、中心付近に良質な住宅ストックを蓄えていくということは、これは将来に向けて、賃貸住宅は十年や二十年でなくなるわけじゃございませんものですから、そうなりますと、賃貸住宅特に公共賃貸住宅というものは人が入れかわるわけでございます。そうなりますと、当初は非常に高額所得者が入っても、後々は中堅所得層が入ってくる、これは過去の公団住宅の団地をごらんいただければ当然そういう事態になっているわけでございまして、長い目で社会的なストックということで見ていただきたいという点もあるわけでございます。
 したがいまして、私どもは、公団住宅、公社住宅につきましては、全体の供給の中で、ある部分、幾分かはこういう都市的な居住に対する供給もあってもいいけれども、全体としてはやはり中堅勤労者層に向けての施策に重点を置くべきだ、こういう考えで臨んでいるところでございます。御理解を賜りたいと存じます。

発言情報

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発言者: 伊藤茂史

speaker_id: 5841

日付: 1990-06-20

院: 衆議院

会議名: 建設委員会