越智伊平の発言 (本会議)
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○越智伊平君 ただいま議題となりました平成二年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
この予算三案は、去る三月一日本委員会に付託され、同月七日橋本大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、四月六日から質疑に入り、公聴会、分科会を行い、昨五月九日討論、採決をいたしたものであります。
まず、予算の概要について申し上げます。
平成二年度一般会計予算の規模は六十六兆二千三百六十八億円であり、前年度当初予算に対し九・六%の増加となっております。
歳出のうち、国債費及び地方交付税交付金を除いた、いわゆる一般歳出の規模は三十五兆三千七百三十一億円であり、前年度当初予算に対し三・八%の増加となっております。
歳入のうち、租税及び印紙収入は、前年度当初予算に対し一三・七%増の五十八兆四十億円が見込まれております。また、公債の発行額は、前年度当初発行額を一兆五千百七十八億円下回る五兆五千九百三十二億円を予定いたしております。これはすべて建設公債であり、特例公債は発行しないこととしております。この結果、公債依存度は八・四%となっております。
特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、財源の重点的、効率的配分を行い、事業の適切な運営を図ることとしており、その数は、それぞれ三十八及び十一で、ともに前年度と変わりありません。
なお、財政投融資計画の規模は三十四兆五千七百二十四億円であり、前年度当初計画に対し七・一%の増加となっております。
次に、質疑について申し上げます。
質疑は、国政の全般にわたって行われたのでありますが、その主なものについて申し上げますと、
第一に、外交、防衛問題についてであります。
まず、「先般行われた日米首脳会談において、ブッシュ大統領から日米欧三極対話構想が提唱されたと聞くが、この構想について、いかに認識し、今後どのように臨んでいくのか」との趣旨の質疑があり、これに対し政府から、「日米欧三極が相互に強力に提携しながら、世界の平和と繁栄のため、新しい世界経済秩序の枠組みづくりに協力していこうというものであり、我が国もこれに積極的に参加してまいりたい」との趣旨の答弁がありました。
次に、「ゴルバチョフ大統領はいわゆる新思考外交を展開しているが、我が国も、この際、政経不可分の原則を改めるべきではないか」との趣旨の質疑があり、これに対し政府から、「北方領土の返還は国民的合意であり、我が国外交の最重要課題である。これを前提に考えながら、実務関係の交流や人的、文化的交流等外交交渉の枠を広げながら拡大均衡で解決してまいりたい」との趣旨の答弁がありました。
次に、「国際情勢が激変する中で、防衛計画の大綱はこの際再検討すべきではないか。また、平成三年度以降、防衛力の整備に当たってはどのように考えるか」との趣旨の質疑があり、これに対し政府から、「自衛のための必要最小限の範囲内において、我が国が平時から保有すべき防衛力の水準を示したものが大綱である。平成三年度以降の防衛力整備については、この点も考慮し、昭和六十三年十二月の安全保障会議における討議をも踏まえ、その具体的内容については、大綱の取り扱いを含め、国際情勢及び経済財政事情等を勘案しつつ、安全保障会議を中心とする適切な文民統制のもとに逐次検討してまいりたい。その際、憲法及び専守防衛等の基本的防衛政策に従っていくことは言うまでもない」との趣旨の答弁がありました。
外交、防衛問題については、このほか、ヨーロッパ情勢の変化と軍備管理の問題、ODA援助のあり方、日中第三次円借款、朝鮮半島をめぐる問題等が議論されました。
第二は、日米構造問題協議についてであります。
まず、「日米構造問題協議の目的とするところは何か。また、米国からの要求は不当ではないか。政府はどのような姿勢で協議に臨んでいるのか」との趣旨の質疑があり、これに対し政府から、「日米構造協議において取り上げられている問題は、いずれも消費者の立場に立ち、国民生活の向上を考えて数年前から我が国が自主的に取り組んできた問題であり、米国の要求を受けて動き始めたものではない。日米構造協議により、国際的に協調したルールの中に日本経済を組み込むことは、その結果が単に日米間に及ぶだけにとどまらず、広く世界に均てんするものであり、国際的な相互依存関係を深め、世界の経済の中において占める我が国の役割と責任を果たすことにもなるので、十分協議し、理解が得られるよう取り組んでまいりたい」との趣旨の答弁がありました。
日米構造問題協議については、このほか、大店法の規制緩和と法改正、新総合公共投資十カ年計画、市街化区域内農地の宅地並み課税等の土地税制、独禁法の運用強化と法改正等、具体的問題についても詳細な質疑が行われました。
第三に、消費税問題についてであります。
「自民党が選挙で公約した消費税見直しが実行できなかった場合、海部内閣はどのように責任をとるつもりか。また、消費税問題の最終的な決着はどう図っていくのか」との趣旨の質疑があり、これに対し政府から、「見直し案は、世論に耳を傾け、世論を尊重して作成したものであり、それを国会に提出するのが政府の責任であって、国会における審議まで政府が拘束することはできない。総選挙を通じて、いろいろ示唆に富んだ意見も出ているところであり、見直し案と野党の廃止案について、どちらが現行消費税より国民の気持ちや感覚に近いか、十分議論をしていただき、その中から結論が出てくることが望ましいと考えている」との趣旨の答弁がありました。
消費税については、このほか、与野党協議機関設置の必要性、消費税の実施状況等についても質疑が行われました。
以上申し述べましたほか、政治の現状認識と国会運営、政治姿勢、政治改革、行政改革などの政治問題、G7の結果と経済見通し、物価の内外価格差、財政の今後のあり方などの経済財政問題、農政の展望、ガット・ウルグアイ・ラウンドと米の自由化問題、林業の振興、水産業の振興などの農林水産問題、地球温暖化防止と森林資源の再生、ゴルフ場の農薬汚染防止などの環境保全問題、高齢化社会対策、救急医療体制、外国人不法就労者問題、整備新幹線問題、交通安全及び海運対策、土地・住宅問題等でありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
かくて、昨九日、質疑終了後、日本共産党から平成二年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、趣旨の説明が行われました。
次いで、予算三案及び動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党は政府原案に賛成、動議に反対、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合は、それぞれ政府原案及び動議に反対、日本共産党は動議に賛成、政府原案に反対の意見が述べられました。
引き続き採決いたしました結果、日本共産党提出の動議は否決され、平成二年度予算三案は、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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