原田昇左右の発言 (本会議)

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○原田昇左右君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております平成二年度予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 最近の我が国を取り巻く国際情勢を見ますと、ソ連、東欧諸国において民主化へ向けての劇的な変化が相次ぎ、東西ドイツの統一問題も急激な展開を見せており、また、米ソ関係においても、冷戦の発想を超えた新しい関係の構築への動きが見られるなど、世界は対話と協調による新しい秩序の構築に向けて模索しつつあります。このような国際情勢のもとにおいて、我が国の果たすべき役割はますます増大しており、我が国の積極的な対応が強く求められているのであります。
 一方、国内的には、高齢化社会の到来に備えるとともに、国民の一人一人が真に豊かさを感じられるよう国民生活の質的な向上を図るため、二十一世紀においても十分耐え得る諸制度の構築が求められているのであります。その意味で、九〇年代はまさに二十一世紀へ向けての選択と決断の時代であり、平成二年度はその第一歩を踏み出す極めて重要な年に当たるわけであります。
 平成二年度予算はかかる展望のもとに編成されたものでありまして、現状において編成し得る最良、最善の予算であると考えるものであります。(拍手)
 以下、政府原案に賛成する主な理由を申し上げます。
 賛成の第一は、特例公債依存体質からの脱却という財政再建の第一目標を達成したことであります。
 平成二年度予算において、実に十五年ぶりに政府の悲願であった特例公債依存体質からの脱却を実現し、財政再建の第一目標を達成いたしました。好調な税収に支えられているという幸運に恵まれたとはいえ、十五年の長きにわたり脱却に向けて粘り強く節減合理化に努めた結果であり、政府の努力と熱意を高く評価するものであります。(拍手) 
 しかしながら、国債残高が平成二年度末には百六十四兆円にも上るなど、我が国財政は依然として厳しい状況にあります。政府におかれましては、引き続き財政改革を強力に推進されることを強く要望する次第であります。
 賛成の第二は、社会保障関係費の拡充を初めとして、国民生活の充実等、時代の要請に的確に対応した予算になっていることであります。
 すなわち、社会保障関係費について、来るべき高齢化社会に向かって活力ある福祉社会を形成していくため、総額十一兆六千億円強を計上しており、前年度比六・六%増は、本年度予算の一般歳出の中で最大の増加額となっております。特に、すべての国民が安心して老後を送ることができるよう、十年間で総事業費六兆円に上る「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を策定し、その着実な実施を図るため、初年度分の経費を盛り込んでいることは、極めて適切な処置であります。
 また、公共事業関係費につきましては、社会資本整備の重要性にかんがみ、景気の持続的拡大の維持にも配慮し、前年度と同水準の高いレベルを維持しており、その配分についても、下水道、公園等生活環境の質的向上等に特段の配慮がなされております。
 このほか、中小企業対策費、農林水産関係費、文教及び科学振興費についても、めり張りのきいた予算措置を講じており、この点についても高く評価するものであります。
 賛成の第三は、我が国が経済大国として国際社会で積極的に貢献する予算となっていることであります。
 すなわち、政府開発援助は、世界に貢献する日本外交の重要な柱であります。第四次中期目標に沿ってその着実な拡充に努めた結果、事業規模において総額一兆四千億円と、世界で一、二を競う援助量を誇るに至っており、まことに適切な措置と考えるものであります。
 また、防衛費については、中期防衛力整備計画に沿ってほぼ一〇〇%の達成を見たことは、極めて妥当な措置であると考えるものであります。野党の一部からは、冷戦時代の終えんに伴い、防衛予算の凍結、削減の主張がなされておりますが、自衛のための必要最小限度の防衛力を整備する必要性は何ら薄れていないのであります。(拍手)
 賛成の第四は、消費税の見直しが行われていることであります。
 消費税は、昨年四月の実施以来、大きな混乱もなく、着実に定着しつつあります。しかしながら、消費税が何分にも新たに国民に広く負担を求める税制であることから、国民各層よりさまざまな意見や指摘がなされていることを踏まえ、現時点で最善と考えられるような見直しを行ったものであります。
 以上、政府原案に賛成する理由を申し述べました。
 さらに、この際、消費税問題に関して一言申し述べますが、本問題に対する野党の姿勢、行動には理解しがたいものがあります。
 すなわち、さきの総選挙において、野党側は、消費税の存廃こそ選挙の最大の争点と主張していたはずであります。国民の厳正な審判の結果は、消費税の存続を主張する我が自由民主党に圧倒的多数の議席を与えたのであります。(拍手)また、最近行われた各種の世論調査の結果においても、見直しを含め、消費税の存続を支持する意見が多くを占めているのであります。かかる国民世論にもかかわらず、野党側から消費税廃止を前提とした組み替え要求が提出されましたことは、まことに遺憾であります。
 消費税は既に国民の間に定着しつつあるのであります。私は、消費税に関しては、野党の言うような廃止、凍結ではなく、民意に即して、消費税を存続しつつ、政府提案の見直し案の実現を図っていくことが肝要であると存ずるものでありますが、いかがでしょうか。今後の消費税見直し法案の審議に当たっては、国民にわかりやすい審議を行うとともに、与野党とも責任を持って真剣な政策論争を行い、憲政の常道にのっとり結論を見出していく努力がなされなければなりません。私はそのことを切に希望するものであります。
 最後に、現在行われている日米構造協議について申し添えます。
 本協議は、対外不均衡の是正に向けての経済政策協調努力を補完するものであります。したがいまして、協議の進展は、我が国にとって最も重要な日米関係の維持発展のために極めて重要であるばかりでなく、我が国の国民生活の質の向上、消費者重視の観点からも大いに意義のあることと考えるのであります。政府におかれましては、我が国自身の問題として、最終報告に向けて最大限の努力を傾けていただくよう強く要望する次第であります。
 以上、申し述べ、政府予算三乗に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 原田昇左右

speaker_id: 28846

日付: 1990-05-10

院: 衆議院

会議名: 本会議