三浦久の発言 (本会議)

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○三浦久君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の平成二年度予算三案に対して、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、本予算が、国民世論に逆らって消費税を定着、推進し、国民に一層の負担を押しつけるものだということであります。
 公約に違反し、民主主義を踏みにじって消費税が強行されてから一年余りたちましたが、消費税は、国民にとって毎日毎日が納税日であり、一世帯当たり平均で年間十万円を超える負担の増大となり、家計を大きく圧迫をいたしております。とりわけ障害者や高齢者世帯、母子世帯など社会的弱者ほど負担が重くなる最悪の不公平税制であります。また、予算の公聴会でも述べられましたように、日本の経済や社会に大きな役割を果たしている中小業者の方々も、消費税の重圧により経営が深刻な圧迫を受け、怒りを改めて強めているというのが現状でございます。
 このように、消費税は、自民党自身もその見直しをせざるを得ないほどの悪税であり、したがって、国民の意思に従い、直ちに廃止をすべきであります。
 政府・自民党は、今国会に消費税見直し法案を提出をいたしましたが、その内容は、減収額を数倍に水増ししている点でも、外税方式の廃止などで消費税の重圧を覆い隠そうとしている点でも、全くのごまかしだと言わなければなりません。そのねらいは、基本的な仕組みを残したまま消費税を定着をさせ、将来、税率を引き上げることにあるのであります。このことは、行革審の最終答申が、国民所得に対する租税や社会保険料などの国民負担率を五〇%まで引き上げる、すなわち、四十兆円近い新たな負担増を許容していることによっても明らかでございます。このような欺瞞的なやり方は、断じて容認をすることはできません。(拍手)
 反対の第二の理由は、軍事費を六・一%ふやし、総額で四兆円を突破させ、大軍拡を推進するものになっているということであります。
 この予算によって、十八兆四千億円という大軍拡である中期防がほぼ達成をされ、正面装備では、P3C対潜哨戒機、F15戦闘機、E2C早期警戒機、イージス艦など、中曽根元総理が対米約束した四海峡封鎖やシーレーン防衛を実行できる装備が整うのであります。また、硫黄島のNLP訓練基地建設費、三宅島の調査費、逗子の住宅建設費、日本人従業員手当の一〇〇%負担など、安保条約によってさえ負担義務のない思いやり予算が、アメリカの軍事肩がわり要求にこたえて大幅に増額をされ、過去最高の千六百八十億円となっております。
 アメリカのチェイニー国防長官でさえ、ソ連の脅威は戦後最低と述べたように、今日の世界は、軍縮と軍事ブロック解体、外国軍隊の撤退の方向へと大きく踏み出すのかどうかが問われているのであります。にもかかわらず、アメリカ政府は日本に対して、軍事費とODAの合計額を三年間でNATO並み、すなわち現在の三倍に引き上げること、とりわけ在日米軍の直接経費を全額負担することを求めております。まさに日米軍事同盟をてこにした重大な内政干渉であります。ところが海部内閣は、このようなアメリカの内政干渉に抗議するどころか、既に十年前の二倍に膨張して世界第三位となっている軍事費を、次期防によってさらに膨張させ、五年間で二十四兆円に上る新たな大軍拡を計画をいたしておるのであります。このことは、消費税が軍拡の財源づくりのためであるという、我が党の一貫した指摘の正しさを証明しているのであります。このような大軍拡は断じて認めるわけにはまいりません。
 国民の軍縮への願いは切実であります。今日、どの世論調査においても、防衛費は削減をするべきだという声が六割から八割に達しております。世界でも軍縮の流れが強まっているこのときにこそ、二兆円以上の軍事費の削減と在日米軍への思いやり予算の全額削減、非核三原則の法制化と一切の核基地、核部隊の撤去へと踏み切らなければならないのではないでしょうか。
 アメリカはまた、日本のODA予算についても、大幅増額を求めるだけではなくて、その内容を一々アメリカ政府と協議して決めるよう要求しており、ODAの戦略的性格をさらに強めようといたしておるのであります。今こそ、一兆四千億円に上るODAのあり方を抜本的に見直す必要があると思います。
 第三の反対の理由は、空前の大もうけをしている大企業へは大盤振る舞いを行う反面、国民に対しては依然としてその生活への圧迫をさらに強めているということであります。
 国民には消費税の重圧を押しつける一方、大企業には、法人税の基本税率を四〇%から三七・五%へ引き下げて大幅減税を行うのに加え、新たに製品輸入促進税制を創設し、初年度だけで六百五十億円という減税の恩典を与えているのであります。自民党がさきの総選挙で財界から三百億円とも言われる献金を要請したというのも、このような大企業優遇措置を盛り込んだからにほかなりません。海部内閣が金権腐敗体質と無関係だと言うのであるならば、深谷郵政大臣のリクルート献金疑惑の全容を究明し、みずからの政治責任を明らかにすべきだと思うのであります。
 一方、政府・自民党が宣伝している、消費税は高齢化社会のためという、その福祉の実態は一体どうなっているでありましょうか。特養老人ホームの待機者はふえ、介護心中と言うべき悲惨な事態が起きており、また、世界に類のない老人に対する差別医療制度や生活保護の切り捨て措置は、何ら是正されていないのであります。それにもかかわらず、社会保障関係費は、厚生年金及び政管健保に対する国庫負担金繰り入れ再開や現行水準を維持するのに必要な当然増経費を除けば、実質マイナスになっているではありませんか。
 教育問題については、一般会計に占める文教予算の割合は戦後の一時期を除いて最低となり、私学助成は引き続き抑制しつつ、国立大学授業料を九一年度から大幅に値上げするなど、国民の負担をふやし、教育の機会均等の破壊を一層進めるものになっております。そうして、反動的な臨教審路線の推進には惜しみなく予算を注ぎ込んでいるのであります。
 さらに、農業については、食糧管理費を大幅に削減をする一方で、政府は、国内産で自給するとの答弁を繰り返すのみで、自由化しないと明確に言明することを避け、米輸入自由化に道を切り開こうといたしておるのであります。日本共産党は、米問題をウルグアイ・ラウンドの協議課題から外し、米の輸入自由化を阻止することを断固として主張するものであります。
 中小業者に対しては、一般会計に占める中小企業関係費の割合がわずかに〇・二九%であります。まさに中小企業切り捨ての冷酷な政治と言わなければなりません。しかも、海部内閣が、総選挙では、大店法の改悪はしない、そういう公約をしながら、日米構造問題協議においては、アメリカの圧力に屈服をして、大店法の改廃を進めようとしていることは、断じて許せません。大型店の規制緩和、大店法の廃止により中小業者が大きな打撃を受け、多数の人々の就業、雇用の場が奪われ、地域経済が破壊されることは必至と言わなければなりません。このような日米構造問題協議は直ちに中止し、大店法の改廃という対米約束を撤回することを我が党は強く強く要求をするものであります。(拍手)
 以上述べましたように、本予算案は、大軍拡とそのための消費税の定着、推進を図る予算であり、我が党としては到底容認することができないものであります。
 日本共産党は、消費税の廃止、平和・軍縮・軍事ブロックの解消、生活向上と農業・中小企業重視、福祉・教育の再建、土地・住宅対策の抜本的強化の五項目で予算を再編成することを強く要求するとともに、その実現のために全力で奮闘することを表明して、反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 三浦久

speaker_id: 12074

日付: 1990-05-10

院: 衆議院

会議名: 本会議