柳田稔の発言 (本会議)
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○柳田稔君 私は、民社党を代表し、ただいま提案されました平成二年度予算三案に対して、反対の討論を行います。
反対の第一の理由は、従来からの硬直的、固定的な予算編成が踏襲され、国民生活の向上より各省庁の権益を優先させた欠陥予算となっている点であります。
我が党は、夢ある二十一世紀を切り開き、生活者がゆとりと潤いを実感できる社会を創造するため、生活先進国型予算を編成するよう強く求めてきました。我々は、この観点から、消費税の白紙撤回、税制改革のやり直し、インフレの防止と内需主導による実質五%の経済成長の確保、住環境の改善などを中心とした社会資本の整備、資産格差の是正、教育・文化・スポーツ政策の充実と労働時間の短縮などに資する施策に重点を置くよう具体的提言を行ってきたにもかかわらず、海部内閣がつくり上げた予算案は、従来からの近視眼的でずさんきわまりない数字のつじつま合わせにとどまっており、国民の期待を裏切るものであると断ぜざるを得ません。
とりわけ、歳出項目の中核をなす公共事業費の配分に至っては、政府・自民党の政策立案能力の低さをさらけ出したお粗末なものとなっていることを強調したいのであります。
一般公共事業費の各省配分率は、このところずっと同じであります。昭和六十年度の約六兆二千億円の公共事業費は、建設省六八・二%、農水省二二・〇%、運輸省六・二%、その他三・六%の割合で配分されております。平成元年度と二年度は、それぞれ総額七兆二千三百億円、七兆二千五百億円と増加はしているものの、各省庁間の配分は一定で、昭和六十年度と全く変わっていないのであります。これでは、日米構造協議で、社会資本整備の着実な推進を図るという我が国の主張は、全く説得力を持たないのではありませんか。
インフレなき内需主導型の経済成長を持続し、対外貿易摩擦を解消するという国際公約を達成するためには、本予算案は余りにもずさんと言わざるを得ないものであります。我が党が長年にわたって主張してきたにもかかわらず、歴代自民党内閣が続けてきた、国民の幸せより利益誘導、官僚のメンツを優先させた予算編成のやり方が、全く改められていないことに強い怒りを表明せざるを得ません。
反対の第二の理由は、強行導入され矛盾と欠陥に満ちた消費税の存続が大前提となっている点であります。
我が党は、昨年の臨時国会において野党が共同して提案した消費税廃止関連九法案が参議院で可決されたということを重視し、再び消費税廃止三法案と税制再改革基本法案を共同で衆議院に提出している次第であります。これら法案をもとに、我々は、消費税を本年九月三十日をもって廃止し、そのための財源処置を講じることを柱とした予算案組み替えを政府に求めたのであります。これに対し、政府・自民党は拒絶し、かたくなに消費税存続に固執するばかりであります。このような海部内閣の姿勢は、断じて容認できるものではありません。
他方、政府は、消費税見直し法案を今国会に提出していますが、海部総理の公約した大胆な思い切った見直しとはほど遠い、小手先の改革だと断ぜざるを得ません。
食料品については、生産・流通段階で軽減税率を設け、小売段階で非課税とする奇妙きてれつな方式は、世界に類を見ない愚かな税制とのそしりを免れるものではありません。消費者にとっては、食料品がせいぜい一%程度安くなるだけであり、本当に値下がりするかどうかの保証も全くないのであります。また、事業者にとっても、果たして転嫁できるのかどうか、煩雑な事務負担を強いられないのかどうかなど、大きな不安が残っています。
もともと現行の消費税そのものが欠陥と矛盾に満ちたものであるため、小細工を施したところで事態が改善されることなどあり得ないと申し上げたいのであります。
今日の衆参ねじれ現象のもとでは、政府の見直し法案も野党の廃止法案も相打ちとなり、両方とも廃案となって、現行の欠陥消費税が存続し、国民にとって最悪の結果となることは必至であります。大型間接税の是正のみならず、不公平税制の是正、土地税制などの資産課税の強化など、まだまだやらなければならない重要な問題が山ほど残されております。高齢化、国際化が進み、経済構造が大きく変化する中で、我が国の税体系はいかにあるべきなのか、改めて真摯な論議を始めることを強く強調します。そのため、我が党は、国会の中に税制改革のための協議機関を設置するよう提言するものであります。
反対の第三の理由は、行財政改革が極めて不十分にとどまっていることであります。好景気による税の自然増収を口実として行政改革を後退させている海部内閣の姿勢を厳しく糾弾したいのであります。
民社党は、さきに行財政改革基本法を策定し、ポスト行革審の設置や行革白書の公表などを提唱し、行革を不断かつ強力に推進することを強く求めています。政府は、税金や社会保険料など国民にッケ回しすることばかりを先行させず、抜本的行財政改革を断行すべきだと考えます。補助金行政を徹底的に改め、公務員の定数を削減し、硬直化した、肥大化した官僚機構に大なたを振るうことが、今我が国に強く求められているのであります。
また、本予算案では昭和五十年度から行われてきた赤字国債発行に終止符が打たれていますが、政府・自民党がこれ以降の財政再建の具体策を明確にしていないことは、無責任きわまりないものと断ぜざるを得ません。
この際、百六十四兆円にも及ぶ公債累積残高の縮小を初め、特殊法人の民営化とその株式の売却などを含む抜本的な財政再建計画を早急に策定し、その実現に向け全力を尽くすべきことをここに改めて提唱するものであります。
最後の第四の理由は、我が党を初めとする野党会派が組み替えを強く要求したにもかかわらず、政府・自民党は予算案に指一本触れさせず、いかなる修正をも拒否したことであります。我々は、消費税廃止だけではなく、環境などに係る歳出項目についても組み替えを要求しております。そのすべての項目に関して一切修正を認めないというやり方は、およそ議会制民主主義を尊重する者にあるまじき態度と言わざるを得ません。
衆参ねじれ国会のもとでは、与野党ともに政治に対して重い責任を持っているのであります。自分の主張がすべて正しく相手はすべて間違っているというのでは前進はありません。我々は、政府提出法案に対しても、是であると認めた場合は堂々と賛成をしております。野党に責任ばかり押しつけて自分の非は一切認めないという最近の政府・自民党の姿勢に厳しく警告を発するとともに、長期暫定予算を編成するなど、与党の無為無策により審議日程が大幅におくれたことに苦言を呈し、私の反対討論を終わります。(拍手)