山東昭子の発言 (科学技術委員会)
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○山東国務大臣 第百二十回国会に当たり、科学技術庁長官といたしまして、所信を申し述べさせていただきます。
科学技術の振興は、世界が二十一世紀に向けて平和で豊かな社会を確立していくために、また、私たち一人一人の夢のある国民生活を実現していくために、欠くことのできない最重要課題の一つです。
今日、科学技術が、国力の向上の原動力であるのみならず、人類共通のさまざまな課題の解決に大きな役割を果たすものであることは、世界共通の認識でございます。
特に、創造的・基礎的研究の振興は、その成果が人類共通の知的資産となるものであることから、今後とも積極的に進めていく必要があります。
また、国際社会において我が国が果たすべき役割がますます大きくなりつつあることを踏まえ、本分野においても国際貢献を一層進めていくことが重要です。
平成三年度におきましては、かかる観点に重点を置きつつ、次のとおり各種施策の積極的展開を図ってまいります。
第一は、活力ある経済の維持発展を図り、より豊かな社会と国民生活を創造するため、新たな科学的知見を開拓し次の世代の技術を培う創造的・基礎的研究を積極的に進めることでございます。
とりわけ、基礎的研究においては、研究者個人の独創性に負うところが大きいことにかんがみ、新たに独創的個人研究育成制度を発足させ、すぐれた発想を持つ研究者が主体的に研究できる環境の整備を図ってまいります。
第二は、科学技術を通じて国際社会に積極的に貢献することです。
特に、地球温暖化など人類の生存基盤に深刻な影響を及ぼすおそれがある地球環境問題については、英知を結集してその科学的解明等を進めてまいります。
また、人類共通の財産となる基礎的知見の蓄積を目的としたヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムを初め、国際的な研究交流の促進を図ってまいります。
第三に、先端的・基礎的研究のための大型放射光施設の建設、地域における研究開発機能の高度化、科学技術情報流通の促進等研究開発基盤の整備を図っていかねばなりません。
第四は、科学技術振興調整費の拡充、科学技術政策推進機能の充実強化等により、科学技術行政を総合的に進めることでございます。
第五は、原子力の研究開発利用につきまして、我が国のエネルギーの安定供給に不可欠な基軸エネルギーとして、安全確保を大前提に、着実に進めていくことでございます。このため、核燃料サイクルの確立、新型動力炉の開発、国際熱核融合実験炉の工学設計活動への参加を初めとする核融合の研究開発等を進めるとともに、安全確保対策の一層の充実強化を図ってまいります。
さらに、国民の悲願であるがんの撲滅のため、画期的な治療法である重粒子線によるがん治療の体制を整備いたします。
第六は、人類の新たな活動領域である宇宙の開発利用につきまして、技術基盤の確立を基本とし、人工衛星、ロケット等の開発を推進するとともに、国際協力による宇宙ステーション計画へ参加するなどにより積極的に取り組んでまいります。
第七は、海洋開発につきまして、「しんかい六五〇〇」等を活用した深海調査研究、地球規模の環境変化に大きなかかわりを有している海洋変動現象の実態解明を目指した海洋観測技術の研究開発などを多角的に進めていくことです。
第八に、人工衛星等を利用した地球観測技術の研究開発、地球規模で発生する諸現象の解明研究等を進めるとともに、首都圏直下型地震の予知のための広域深部観測施設の整備等防災科学技術の研究開発にも力を入れてまいります。
第九に、技術革新の先導的役割を果たしていくことが期待されている物質・材料系科学技術に関し、超電導材料、インテリジェント材料等の研究開発を進めていくこととしております。
第十は、広範な分野で人類の福祉の向上に資するライフサイエンスに関し、がん関連研究、ヒトゲノム解析研究、生体機能解明研究等基礎的・先導的研究開発などを積極的に推進いたします。
このような科学技術の振興を図っていくために
は、国民の理解と協力を得ることが重要であることから、原子力の分野を初めとして、きめ細かくわかりやすい広報活動などを一層充実強化してまいります。
以上、平成三年度における科学技術庁の施策に関し、その概要を申し述べましたが、我が国の科学技術のより一層の発展のために、私といたしましても誠心誠意努力してまいる所存でございますので、委員各位の一層の御指導、御鞭撻をどうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)