海部俊樹の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(海部俊樹君) 沓脱議員にお答えを申し上げます。
 湾岸の事態に関して、公正な平和を実現するためにあらゆる努力を尽くすべきである、私はそのとおりに考えますが、しかし、国連を中心とした累次の決議や、五カ月以上にわたり我が国を初めあらゆる国が努力をし、アメリカ、イラクの直接対話や国連事務総長の最後の提案などをことごとく無視したその力の侵略というものは、私はこれ以上許しておいては、新しい世界の平和秩序というものは力の侵略は許さないという大原則を皆で守るようなものでなければならない、こう考えておりますので、その原因をつくっておるイラクに対して一刻も早く反省と決断をすることを引き続き呼びかけてまいりたいと考えております。また、唯一の早期決着の道がそれでありますから、私はそれらの問題についてはイラクの撤兵をさらに重ねて強く求めるものであります。
 また、憲法が禁止をしておりますのは実力の行使であります。武力による威嚇または武力の行使を現状でとらえて考えれば、追加支援というものは湾岸平和基金への費用を拠出することであり、実力の行使に係る概念ではありませんので、平和解決のための関係諸国の当面の経費を追加支援することは、私は憲法違反には当たらないと考えております。また、米国は種々の数字を取りざたしておりますけれども、見積もりや負担割合について説明を受けたことはありませんし、あくまで我が国として相ふさわしいと総合的に判断をした経費を決めた次第でございます。
 また、勝手に約束した金を国民が共同で負担する責任はというようなお話ですが、今日、日本の国は日本の国民が支持する民主国家でありますし、また日本が享受しておる国際社会の秩序の中の平和は、国民のすべての方が享受しておられるのでありますから、日本の平和主義、国際協調主義に従って、国民の皆さんにも御理解と御協力をお願い申し上げた次第でございます。
 また、今回の避難民の輸送というのは、あくまでも避難民の輸送であって、武力を伴う威嚇や武力の行使と人道的な避難民の輸送はきちっと分けて考えられる問題であると私は理解いたします。そして、避難民対象の輸送ということで決めたわけでもあり、また要請を受けたときに関係諸国の協力を得ながら行うものであるということを改めて申し上げさせていただきます。そしてその根拠は、現行の自衛隊法第百条の五の中に「国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者」との規定がありますので、政令で避難民ということをきちっと限定して定めたわけでございますから、御理解をいただきたいと思うのであります。そのとおりに書いてございます。
 また、軍事費の問題は、新中期防は大綱に定める防衛力水準の維持に配意して、効率的で節度ある防衛力の整備に努めることとしたものでありまして、平和時において我が国の安全を確保するための必要最小限度の経費を計上したものでありまして、時代に逆行するとの御批判は当たらないと考えます。
 また、日米安保条約は、引き続き日米関係の基礎をなすきずなであり、我が国自身の平和と安定のためにも、またアジア・太平洋地域の発展のためにも不可欠な枠組みとして機能しております。私は、この効果的な運用を確保していくことは大切と考え、在日米軍の駐留支援のための新たな措置を講ずることとし、必要な特別協定を今国会に提出して御審議をお願いする考えでおります。
 老人保健のことをお取り上げになりましたが、高齢社会においてお年寄りにふさわしい保健医療を提供するとともに、その費用を国民が公平に負担するための制度である。この制度では、お年寄りにも一部負担をお願いしておりますが、これはお年寄りと若者の負担のバランスを図るなどの見地から必要なことと考えて、制度の長期安定化を目指していきたいと考えております。
 また、学級編制のことについては、お約束してあった四十人学級を初めとする第五次改善計画の推進に努めてきましたが、平成三年度予算において計画どおり達成される予定であります。なお、三十五人学級の問題については、引き続き研究、検討を続けてまいりたいと考えます。
 私学助成につきましては、ここ数年間効率的な配分に配意しつつ、その確保に努めてきたところでありますが、今後とも私学の役割の重要性を考え、適切に対処してまいる考えであります。
 子供の権利条約につきましては、批准できるように現在政府部内での検討作業を急いでおるところであり、最大の努力を重ねてまいります。
 児童手当は、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりのため必要があると考え、世代間の助け合い及び児童養育家庭に対する育児支援の強化という観点から、制度改正を行うことといたしております。
 消費税は、両院合同協議会において引き続き協議が行われているものでありますが、消費税の必要性を踏まえ全体的長期的な利益といった観点から具体的な合意が得られることを期待しており、政府としては、各党間の合意をいただいて、誠実、迅速に対処していく考えでございます。
 また、固定資産税については、負担の公平が図られること、したがって評価替えを行わないことはかえって不公平を生じ適当ではないと思料いたします。宅地並み課税のあり方については、都市計画の中で対象農地を保全する農地と宅地化する農地とに明確に区分して、その上で措置をしていく考えでございます。
 水俣病の問題につきましては、早期解決に努力すべきものと認識いたしており、これまで二千九百名の患者の方々を認定し、公正な救済を推進してまいりました。また、関係閣僚会議を設けて、各種対策も実施いたしております。訴訟に関しましては、当事者間の主張が余りにも隔たっておりますので、法に基づく国の行政のあり方の根幹にもかかわる問題であり、現時点で直ちに和解勧告に応ずることは困難であると考えております。
 また、被爆者援護法の制定は、政府としては原爆二法を中心とする施策の充実により対処していく考えであり、来年度においては諸手当の大幅な改善を行うとともに、新たに原爆死没者の慰霊等のための諸事業を実施することにしておる次第であります。
 残余の質問は関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
   〔国務大臣中山太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 112015254X00819910130_010

発言者: 海部俊樹

speaker_id: 5376

日付: 1991-01-30

院: 参議院

会議名: 本会議