海部俊樹の発言 (本会議)
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○国務大臣(海部俊樹君) 小西議員にお答えを申し上げます。
追加支援の考え方について、あるいはその積算根拠について述べろ、こういうことでございます。
私は再三申し上げさせていただいておりますが、今、世界は新しい平和の秩序を求めております。冷戦時代を乗り越えた新しい平和の基本的な原則は、力でもって他国を侵略しないということを打ち立てなければならない大切なときであります。そのときに、相次ぐ国連の決議を無視して行われたイラクのクウェート侵略と併合に対して、撤兵とクウェートの正統政府の復活を求めて、多くの国が平和回復のために共同の行動をとっております。
我が国憲法も、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求していく、平和主義、そして国際協調主義で、他国のことを顧みないのはいけない、一国平和主義をみずから戒めて国際協調をしようと言っておるのです。
ただ、憲法の制約で、武力の行使を伴うような力でお役に立つことはできないというのが立場でありますから、せめて各国の多くの行動に対して、平和回復が一日も早く行われるように、それぞれの国が国内の抱える経済問題とか、あるいは多国籍軍に参加することによって膨大な費用を負担しながら、それでも世界平和のために行動をとっておるわけでありますし、我が国が享受しておる平和な毎日を続けるためにも、公正で安定した国際秩序というものは不可欠なものでございますから、追加支援をその点に立って考えて、我が国としてなし得る範囲で応分のことをすべきである、こう考えたわけでございます。あくまで、総合的に我が国の国際社会における立場から判断して、金額はできる限りの措置として決定をしたものでございます。
また、今回の措置は関係諸国の活動に対しての適切な支援でございますから、これは政府として戦闘行為が一日も早く終了することを願ってやっておりますから、歯どめがあるのかないのかというお話よりも、現在のところは、戦闘の早期終結を願いつつ、なし得る限りのことを自主的に行ったということで、これ以上の追加支援は現在のところ考えておりません。
また、行政経費の節減の御指摘は、私はお考えはよくわかるわけです。同時に、政府も常にそのことを心がけて今日までやってまいりました。今後とも、行政経費の節減ということは、その考え方を持ち続けていかなければならないことだと私も受けとめております。
また、必要な場合は国民の皆さんに負担をお願いすべき問題で、国民合意形成に向けて、与野党協議や各界の責任ある立場の方々へ要請を行っていくべきではないかと御指摘をいただきました。私も、今後とも、与野党の皆さんとの協議や、あるいは国会の御議論、あるいは仰せのように各界の方々に御理解を求め、国民的な合意を求めながら、国民すべてが享受しておるこの平和というものを、さらに国民皆さんみんなの理解と協力によって守り抜くための体制を組んでいきたい、私はそのように考えております。
また、自衛隊の輸送機を使うことについて、シビリアンコントロールの確立はどうかということでございました。
避難民の輸送という非軍事的な人道的な面について、現行の自衛隊法百条の五の規定に基づいて、その授権の範囲内で、安全保障会議の決定を経て、同時に内閣の判断によって新たに必要な政令を制定した上、国際機関の要請に応じ、関係諸国から必要な協力を得て支援を行っていくために輸送機により輸送を行うこととした次第でありますから、シビリアンコントロールの観点から問題があったとは考えておりません。
湾岸地域の戦闘終結の見通しはどうかと言われましたが、私は一日も早く終結することを強く願っておるところでございますが、今般の武力行使の目的は、安保理諸決議の実現というところにあり、公正な平和の回復というところにあるわけでありますから、そのかぎを握っておるイラクが一日も早く決断をし、反省をし、クウェートから撤退することが必要な大前提でございます。一日も早くそれが行われるように期待をし、引き続き受諾を強く呼びかけてまいりたいと考えております。
また、ソ連についてお触れになりました。
私は、ゴルバチョフ大統領の訪日を、議員と同様に北方領土問題解決、抜本的に改善していくための契機にしたい、こう考えております。あらゆる分野で質的に新しい両国関係を構築することが大切だと考えますから、ゴルバチョフ大統領の訪日をそのような突破口にしたいと考えております。
ただ最近、私が率直に申し上げると、ペレストロイカの非常に大きな節目にソ連は立っておるのではないか。先般のバルト諸国における武力行使が再度行われたということに、私も深く憂慮をいたしております。事態の民主的、平和的解決を強く求めており、このことはさまざまの機会にソ連にも明確に伝えてございます。対ソ支援については、ソ連の今後の国内情勢等を勘案しながら今後のあり方は検討をしていくべきものであると考えております。
また、土地問題についての私の基本的な考えでありますが、去る二十五日に、土地基本法を踏まえた今後の基本指針として総合土地政策推進要綱を閣議で決定いたしました。これに従って今後とも一層土地問題に取り組んでまいりますし、特に具体的にお触れになった地価税については、これは公共的性格を有する資産である土地、これに対して、負担の公平を確保しつつ、資産としての有利性を縮減するために土地の資産価値に応じた負担を求める観点から創設する税でありまして、土地の保有コストに対する意識を高め、地価の低下、抑制、土地の有効利用の促進など、土地対策に資するものと考えており、その内容は最善のものと判断して政府は提出をいたします。
担当の省庁及び責任省庁を明確にせよということでございますが、私は、土地対策担当大臣も任命いたしておりますし、国土庁長官にその総合的なまとめを要請し、そこを窓口に、土地対策関係閣僚会議等も積極的に活用いたしまして的確な推進に当たっていく考えでございます。
消費税につきましては、見直し法案を政府は提出いたしましたが、去る国会で法案処理のあのような結果となりました。それを踏まえて、両院合同協議会において引き続き協議が行われるものと承知をいたしております。政府は、消費税の必要性を踏まえつつ、全体的、長期的な利益といった次元に立って、御指摘の立法の方法等の問題も含めまして建設的な合意が得られることを心から期待いたしておるところであり、合意が得られたら、迅速に、誠実に対応をしてまいります。
また、政治不信の増大については、まず政治家の政治倫理の確立は重要だと思います。一人一人の資産公開等を含む政治倫理法をどうするか、これは各党においてただいま御議論をいただいておると聞いておりますが、政府としても適切な結論が出されますことを強く期待いたしております。
同時に、政治改革は、政策中心、政党本位の公正な競争ルールに従った選挙の制度を考えること、同時に政治資金の透明性を確保すること、そして一票の格差を是正するという国会決議の問題もございます。私は、審議会の答申も踏まえて、これらの問題を、すべて密接な関連を有するものでありますから、一括して答申の趣旨を尊重し、整合性を持って実現していくために全力を尽くしていきたいと考えますが、事は政党と政治家の基本に関する問題でもございます。各党各会派の皆様の御議論と御協力、御理解も心からお願いを申し上げる次第でございます。
参議院選挙のことについてお触れになりましたが、審議会の答申においては、その望ましいあり方に関する考え方を示すとともに、比例代表選挙における個人名投票の導入や選挙区選挙における定数の再配分という、御指摘のような具体的な策も示しておるわけであります。政府といたしましては、答申の趣旨を尊重する立場にありますが、事は皆様の身分にかかわるものでもあるので、各党各会派における十分な御検討をいただきながら、御協力を得て改革の実現に向けて努力をしてまいる考えでございます。
なお、青少年に対して物づくり、創造の喜びが実感できる教育が大切ではないかとお述べになりましたが、私も全く同感でございます。先般の学習指導要領の改訂において、児童生徒の発達段階に応じて、手を使って物をつくる活動とか、あるいは勤労生産活動などの体験学習を通じて創造の喜びを体得させるような方向を一層重視して改善をしたところでありますが、これが現場で定着していきますようにさらに努力をしてまいる考えでございます。
文化財の保存と修復については、御指摘のとおりでありまして、我が国が誇り得る貴重な文化財が数多く残っておりますから、適切な保護、保存を図ることは重要であります。このため、文化財の保存、修復に必要な財政上の措置を講じました。同時に、文化財保存技術の選定制度を設けて後継者養成のための助成を行うなど、保存のための技術者の養成、確保に努めておりますが、今後とも文化財行政を積極的に推進してまいる考えであります。
最後に、原爆被爆者援護法の問題は、政府といたしましては原爆二法を中心とする施策の充実により対処する考えでありまして、来年度においては、諸手当の大幅な改善を行うとともに、新たに原爆死没者の慰霊等のための諸事業を実施することといたしております。
残余は関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
〔国務大臣中山太郎君登壇、拍手〕