吹田愰の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(吹田愰君) 羽田先生に、私に対する御質問に対し、あるいは残余に対して、お答えをさしていただきます。
 小選挙区比例代表並立制について、いろいろな問題で指摘がありましたが、これにつきましては、有権者の選択の自由がなくなるというような点については、選挙本来の政策によって争われるべきものであると考えておりますし、小選挙区制では各党が一人の候補者を立てて争うことになりますので、有権者は各党の政策と候補者とを比べながら自由に選択できることになり、有権者にとってもわかりやすい、政策中心の選挙になるものと思っております。
 また、二番目には、死票が多くたるのでは北いかということについての御意見がありました。
 これにつきましては、多いということは多数の別の意見、批判があるということになりますので、当選人もこのことを十分に踏まえて、緊張感を持って行動するということになりましょうし、いたずらに死票としてのみ考えるべきではないというふうに思っておりますが、また今回は、改正法案では小選挙区制、比例代表制を並立さしておるということで、少数意見も選挙に反映されやすいようにいたしておるわけであります。したがいまして、死票という点につきましては十分カバーできるのではないかというふうに考えておるわけであります。
 あるいはまた、三番目にお問いになりました小選挙区制になれば金がかかる、またサービス競争が激化するというような御意見も一面であるではないかということもございました。
 この制度を導入すれば、日常の政治活動や選挙が政党中心になることによって、政治家個人の負担は減ることになるでありましょうし、現在のように、候補者同士の個人的なサービス競争や、それに伴う支出の増大は避けることができると思います。
 四番目に、政権交代の可能性ということにつきましては、ただいま総理もお話しになりましたが、一般的に、小選挙区制は、民意の変化は鋭敏に議席数の変化をもたらすと言われておりますので、完全な小選挙区制の方が政権交代が起こりやすいということは言えましょうけれども、少数意見の国政への反映にも配慮して、比例代表制との並立制を提案しておるところであります。
 五番目のお問いでありました立候補制度、候補者の選定に関連してでありますが、改正法案では無所属立候補もできることになっておりますが、やはり衆議院議員の選挙は、政権の獲得、政策の実現を目指して、政党間の政策の争いを中心として行われるものである、こういうふうに思っております。
 また、候補者については、要は選出される議員が国政を担うにふさわしい人格であるかどうか、識見を有するか否かでありますので、政策本位、政党本位の選挙制度のもとにおいては、各政党もそのような観点から一人の候補者を選定することになりましょうし、有権者もそのような目で各政党の候補者を選択を行うことになるでありましょうから、新人が出にくくなるとか、大物の輩出が困難になるとか、選挙区が狭くなって国会議員の権威が失われるというようなことには結びつかないものであるというふうに私は考えております。
 次に、六番目のお問いでありました。多極分散の時代なのに議員が一極集中にたるというような点については、政府としては、この方面の御意見を踏まえて、各方面から御意見をずっと集めております。人口の比例という答申の考え方に準拠しつつも、まず都道府県に一人ずつを配分することによって、人口の少ない県に対して定数配分上配慮したところであります。
 七番目の御質問でありました。人気取り政策の競争が横行するのではないかというような懸念につきましては、政党が中心となりますので、国全体の立場に立った政策を立案し、有権者に示して信を問うことになります。その実現に責任を持つ意味から、安易な人気取り政策競争をするようなことはかえって難しくなるんではないかというふうに思っておりますから、私は、その御心配はないものだと考えておるわけであります。
 次に、政治資金制度の問題についての御意見がありました。
 国民の政治に対する信頼を確立するためには、いわゆる政治活動に充てるお金、あるいは選挙に必要な資金の集め方あるいは使い方の仕組みを見直さなければなりません。このような政治資金をめぐる問題を根本的に解決するためには、選挙あるいは政治活動のやりやすい方法で、大部分の政治家の個人の責任で対処しなければならないという現行の選挙制度を改めて、政策本位、政党本位の仕組みに直す必要がある、私はこのように思っておるわけであります。
 今回の政治資金制度の改革は、このような選挙制度の改革にあわせて、政治資金の調達を政党中心にするとともに、その公開性を高め、規制の実効性を確保することといたしておるわけであります。
 次の質問は、企業と政党との癒着が起こらないかということについての御意見でありました。
 企業等の団体の寄附を受けることができる政党は、その政策について国民の支持を得る必要があり、また、常に国民の監視と批判のもとに置かれておりますので、企業との癒着は生じないようにたってくると考えております。企業献金をやめて個人献金とすべきではないかという御意見でありますが、企業等の団体も政治活動の自由を持っております。企業等の団体の寄附をよくないものと決めてかかることはいかがであろうかと思っております。
 今回は、選挙制度の改革により選挙や政治活動が政党中心になりますので、企業等の団体の寄附は原則として政党に対するものに限るとしたものであります。原則としてですよ。政治資金の規制よりも限度額を広げる方が現実的ではないかという御意見もありましたが、政治と金をめぐる問題を解決し、政治に対する国民の信頼を確立するためには、金のかからない政策本位、政党本位の制度をとる必要があります。現在のように日常の政治活動や選挙の場合の活動費について、政治家個人がその大部分を賄わざるを得ない制度を続ける限り、政治資金の膨張をとめることは困難ではないでしょうか。限度額を引き上げることはこのような現状を追認することになりかねませんので、したがって、制度面においても政党本位のものとして選挙制度の改革を行うとともに、政治資金制度の改革をぜひとも実行して、こうしたことはいたさないということにしようと考えております。
 最後に、政党助成法であります。
 政党助成は政党活動への公権力の介入にはならないかというような点についてのお尋ねでありました。議会制民主主義のもとにおいて、国が政党の政治活動を尊重することは当然であります。政党交付金の使途は制限することなく政党の自覚と責任にゆだねるとともに、その収支の報告も政党みずからが行うこととし、その公表を通じて国民の監視と批判にゆだねる仕組みとしております。政党助成は、政党に対する公権力の介入になるものでは私はないというふうに考えております。
 次に、政党助成についての国民の納得が得られるかという点でありますが、現在のように政治家個人が選挙や政治活動の大部分をみずから賄わなければならない状況下では、国民の理解を得ることは困難だと考えますが、選挙制度や政治資金制度の改革によって、選挙や政治活動が個人中心から政党中心のものとなり、あわせて連座制の強化など選挙の腐敗行為に対する制裁の強化等も行われますので、国民の理解が得られ、環境が整備されるものと考えております。
 政党助成の対象となる政党の要件と結社の自由との関係についてはどうだという御意見でありましたが、国民の支持を反映する客観的な基準である一定の国会議員の数と得票数を満たす限り、いずれの政党も政党交付金の交付対象となりますので、言うまでもなく憲法上の結社の自由に触れるものではない、かように考えておる次第であります。
 以上であります。(拍手)

発言情報

speech_id: 112105254X00619910910_007

発言者: 吹田愰

speaker_id: 34698

日付: 1991-09-10

院: 衆議院

会議名: 本会議