海部俊樹の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(海部俊樹君) 日野議員にお答えをいたします。
 私は、今回のこの三法案というのは、我々の念願とする活力のある政党政治をつくり出して、政策本位、政党本位の政治活動、選挙制度をつくり出していくために必要なものであると確信をいたしております。今回提案いたしました三法案は、これは十分な御審議をいただき、御協力を得、御理解をいただき、ぜひとも成立をさせていただきたいと、私は最善の努力を尽くす考えております。日野議員も、我々の願望と言われる政治改革ともおっしゃいました。どうか御理解と御協力をお願い申し上げておきます。
 定数是正と解散・総選挙の問題について触れられましたが、これは法律論としてお答えしますけれども、衆議院の解散権というのは、憲法上、国政の重大な局面において民意を問う手段として内閣に与えられた重大な権限であります。いかなる場合に衆議院を解散するかは、内閣がその政治的責任において決めるべきものであると考えております。御指摘の衆議院議員の定数是正が行われたい間においても、解散権の行使が法律的に制約されることはないと内閣は考えております。
 また、定数是正の問題について御議論がございました。中選挙区制の争いの中でいろいろな問題が出てきておるわけでありますから、私は局面を打開するためにこの三法案をお願いをしておるわけでありまして、先ほど日野議員のお言葉をとらえるわけではありませんけれども、御議論の中で、やってみもせずにできないと言うのはおかしい、自民党は失礼ではないかという趣旨の御発言をたさいましたが、どうか政治改革というものの三法案を提案してお願いをしておるのですから、これをやってみもしないでだめだだめだとおっしゃるのはおかしいということを、そのままお返しをさせていただきたいと思います。(拍手)
 したがいまして、今日のこの政治の混乱を救うために、公職選挙法の特別委員会のこともお話に出ましたが、社会党の皆さん方の中から出ておるいろいろなお話をどうか具体的な案としてお示しをいただきますことをお願い申し上げるとともに、定数是正に関していろいろお尋ねになりましたが、やはり区割りをなぜ初めから審議会に頼まなかったかとおっしゃいますけれども、審議会にゆだねますのは、この抜本的改正がどうであったかということをまずお聞きしたのです。自由民主党の方では、政治改革大綱で基本は決めておりました。その答申の中で、区割り案も審議会が決めるとなったのであります。もし区割り案まで政府やあるいは自民党で決めたとするなれば、それは自分たちの手前勝手ではないかという御批判を受けることは、これは当然のことでありますから、第三者機関にゆだねるという政治改革基本要綱に従ってゆだねたわけであり、審議会からもそのような答申を受けた次第でありますから、どうかこれは御理解をいただきたいと思います。
 また、並立制における死票の問題を言われましたけれども、これは別の意見もあり、批判があるということでありまして、当選した人もこのことは十分にわきまえてその後の行動をすることになるわけですから、いたずらに死票としてのみ考えるべきではないと思いますし、また並立制は^小選挙区制に比例代表制を加味することによって少数勢力も議席が確保できるようにしようとするものでありますから、小選挙区制の問題点を緩和できるものであると政府は考えて提案をしております。
 また、並立制の趣旨というもの、これは、小選挙区定数の総数が多いほど都道府県の間、ひいては選挙区の間の人口の均衡が図りやすいという定数配分の均衡化の見地から、改正法案においては三百に対し比例代表百七十一としたところであります。また、政権の選択についての国民の意思が明確な形で示される小選挙区選挙と多様な民意をそのまま反映する比例代表選挙の二つの選挙によって議員を選ぼうとするものであり、この二つの選挙を組み合わせることによってさまざまな民意を的確に反映でき、選挙全体の結果が反映し、国民に選択されることができると、私はこう考えておるわけであります。
 また、小選挙区制のシミュレーションについて、いろいろ勝手過ぎるとおっしゃいましたが、あれは私は、冒頭に申し上げたように、幾つかの報道機関の参議院選挙のときの得票をもとに今回のこれに従って割ったらこのようになるという、その結果を見て私が愕然としたということを率直にここで申し上げた次第でございます。
 また、自民党に一方的な有利、そうした制度を導入しようとするのではないかと言われますが、審議会の答申にも、それでは緊張感を欠き、議会政治のねらいである政権の抽象的な交代すら否定されてしまうのではいけないから、もっとこのような政権交代の可能性も選挙制度の中で求めるべきであるという、そういった考え方が浮き彫りになっておることも御理解をいただきたいと思います。
 なお、企業献金の問題につきましては、党は党費等の自主財源に加えて皆さんに政治資金の拠出を広く求めておりますから、企業も一つの社会的存在として法律に許された範囲内において節度を持って行われるべきものは当然であり、私も多くの企業から資金を受けましたけれども、今後これがますます多くなっていくということが、国民の皆さんとの間の関係を資金を通じて透明にするために、原則として団体やあるいは法人の献金をやめて、政治資金の調達は団体、企業からは政党中心にしていこう、透明度を高めていこうというものでありますから、御理解をいただきたいと思うわけであります。
 また、政党交付金の根拠については、政党の政治活動が国家意思の形成に寄与し、公的性格を有することなどから、諸外国等の現状等を踏まえ、また、政党活動の健全な発達を促進するためにこれを創設しようとしておるものであります。
 最後に、公職選挙法は撤回して、政治資金規正法案と政党助成法案の成立を図る考えはないかと仰ぎれましたが、私は何回も申しているように、今度の政治改革は三法案を一緒にして制度、仕組みの根源まで触れていかないと、個人の倫理だけとかあるいは政党助成法だけでは、これは根本的に片づく問題ではなく、あくまで政党本位、政策本位の議会政治を打ち立てていきたい、個人中心から政党本位の政党政治に変えていきたい、こういう願いから提案しておる三法案でございますから、御理解をいただきたいと思います。
 残余の問題については、関係大臣から答弁いたします。(拍手)
    〔国務大臣吹田愰君登壇〕

発言情報

speech_id: 112105254X00619910910_010

発言者: 海部俊樹

speaker_id: 5376

日付: 1991-09-10

院: 衆議院

会議名: 本会議