海部俊樹の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(海部俊樹君) 菅議員にお答えを申し上げます。
今回の三法案は、先ほど来申し上げておりますように、本当の意味の政党政治を確立するために、政策本位の活動ができていくように、その問題を中心に考えて提案をした三法案でございまして、これは、決してすりかえでもございませんし、また、厳しい反省に立って行っておることも率直にお認めをいただきたいと思います。
その意味で、イギリスの一八八三年の腐敗防止法に匹敵するような改革が必要ではないか、こうおっしゃいましたが、その精神、その考え方を取り入れ、今回でも選挙制度審議会では、連座制について対象を極めて拡大するとか、あるいはまた、連座裁判確定後の五年間の立候補制限を科するとか、また、公判期日を事前に一括指定してしまって、ここでるる実例を述べられたようなことにならないように、きちっとした対応をしていこう、改正法の中にそれなりの制度、仕組みの改善も盛り込んであるわけでございます。
また、連座制の強化ということにつきまして、再び選挙が終わった後の本人の問題についてもお触れになりましたが、連座制というのはやはり候補者本人の有責性の限界の問題とか、あるいは五年間立候補すら差しとめられるわけでありますから、有権者の意思との関連の問題とか、いろいろ今後慎重に検討しなければならないテーマであると受けとめておきます。
また、選挙にお金がかかるということ、これはやり得ではないかということでありますが、やり得でないようにしなければならないのであって、腐敗行為に対する厳正な措置は、お金をかけてやったことはいけないことであるということを、今回の改正法案においては明確にしておるところであります。
また、並立制は得票率が大きい自民党に圧倒的に有利であるという立場の御議論でありましたが、私は、この制度、仕組みをマスコミの皆さんがいろいろな場合を想定して分けられたときに、前回の参議院選挙の全国区における得票などをもとに試算をされると、幾らか違いはありましたけれども、自由民主党にとって極めて厳しいものもございます。政策努力については、真剣に行っていかなければならないという、与党にとっても厳しい決断であったということを、どうぞ申し上げさせていただきたいと思います。
この制度は、多様な民意をそのまま反映するという特性を持つ反面、併用制をそのまま行いますと、小党分立となり、連立政権となる可能性が極めて高いわけです。連立政権となる場合には、政権を担当する政党が国民によって直接選択されるということではなくなってまいります。政党間の交渉によって政権というものが選択されるようになっていく、こういった問題の指摘もあり、政府の審議会ではいろいろと議論があり、このような答申になったものと私どもは受けとめております。
また、国会議員全員の資産公開の問題につきましては、自由民主党としても、政治倫理の確立のための国会議員などの資産公開法案を提案しているほか、各党の具体的な案に基づいて既に国会において御議論をいただいておると聞いております。適切な結論が得られますこと、これを心から期待をいたします。
最後に、野党に特に公費によるスタッフの充実をとお尋ねがありましたが、今日までも立法調査費は与野党を通じて議員に出ておると思いますけれども、今後、議員活動に対する公的助成については、国会での御議論を踏まえながら、内閣としても、国会と十分調整の上、対応してきているところでありまして、今後の国会の御議論を見守らせていただきたいと思います。
最後に、一たん廃案にして出直すべきではないかとのことでございましたが、今回の政治倫理や政治資金をめぐる問題の底流には、候補者中心の現行選挙制度の問題がどうしても根底にあります。政党本位、政策本位の選挙制度に変えることによって政治資金の問題も解決をし、同時に公的助成制度の問題にも入っていきたいという、全体を一つとしての整合性を持って実現することが肝要と思っておりますし、今回の法律によって議論になっておる一票の投票価値の格差是正の問題についても、この改革法案には織り込んであるところでございますから、御理解の上、御協力をいただきたいと思います。(拍手)
〔国務大臣吹田愰君登壇〕