海部俊樹の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(海部俊樹君) 井上議員にお答えをいたします。
 政治不信解消、そのためには政治倫理の確立が重要であるという御指摘については、これは私も同感でありますし、政治倫理の問題については、この三法案を提出すゑ則、既に昨年、自由民主党において政治倫理確立のためのいろいろな問題についても考えをまとめ、特に国会議員等の資産公開法の問題や国会の政治倫理審査会の問題等については院に提出をして、事柄の性質上、これは政府が介入して決めるよりも、各党各会派の御意見において適切な結論をお出しいただくことが、議会政治のためにも適切に扱われるであろう、こういう判断でお話し合いを見詰めさせていただいてきておるところでございますから、適切な結論が出ますことを強く期待をいたしておるところであります。
 なお、政治倫理確立とともに政府が今提案をし、お願いをしておるのは、必要以上に金のかからない政治活動や、あるいは政党を中心とした選挙が実現できるように、これまでの個人を中心とした政治や選挙の仕組みを政党本位に改めていくことが大切だと考え、三法案を出しているところであります。
 民意の正確な縮図を国会につくるという意味からも比例代表制は大切ではないかという意味の御指摘がございました。
 私は、小選挙区制というものは、これは民意を敏感に議席数の変化に反映させるものだと受けとめますが、同時に、この制度に対しては少数意見が反映されにくいという批判等もあるわけでありますから、比例代表制を加味するということは、少数意見の国政への反映にも配慮したものでありまして、審議会の答申を踏まえてその内容を織り込んだ適切な制度であると考えております。
 また、連立政権となる場合には、政権を担当する政党が国民によって直接選択されるのではなく、政党間の交渉によって決定されてしまうという問題があることなどから、この方針をとらなかったわけであります。
 また、イギリスにおける小選挙区制の問題についていろいろな御議論をいただきました。率直に言って、御指摘のように、イギリスでは現在の制度についていろいろな意見のあることは私もよく承知をいたしております。
 しかし、例としてお引きになったバトラー教授の御発言の中にも、私がバトラー教授の発言を読んでみますと、過半数の議席を獲得し得る政党が存在する間は改革されないでしょう、改革があるとするなれば連立政権が二、三回続いた後でしょうから、そういった状況はなかなかないだろうと思いますと書いておられます。これはやはりその一部であることは私も率直に認めます、いろいろなことを言っていらっしゃるから。だから、国によって選挙制度というのはいろいろの文化や歴史や伝統を経て違っておるわけでありますし、それに対する意見の見方もたくさんあるわけですから、私は、そういう意見のあることは否定いたしませんけれども、我が国の選挙制度は我が国の国会において御議論をいただき、お決めをいただくべきものであろう、このように考えております。
 また、比例代表制というのは、多様な民意をそのまま反映するという特性を持つということは、これは御指摘のように私もそのように認めますけれども、これは小党分立となって連立政権となる可能性が非常に高いこと、連立政権となる場合には、政権を担当する政党は国民の直接な選択ではないんです。これは、政党間の交渉によって決定されてしまうというような問題があることから、これをとらなかったのであります。
 また、選挙制度審議会の議事録を全部公開しろとおっしゃいますが、第一回の総会のときに、選挙制度審議会の委員が自由に発言できるようにするため、会議は非公開にする、議事録も非公開の扱いにするということを委員の皆さんがお決めになっておるというふうに私は承知をいたしております。
 また、区割り作業は選挙制度審議会にお願いをいたしました。それは、政府がやるよりも、第三者機関である審議会でおやりいただくことがより公正であると思ったからであります。また、選挙区間の格差は一対二未満とすることを基本原則としてお願いをいたしましたが、一対三を超すような現状から比べると、この基本原則に従って改革が行われれば、ほぼ縮小という大きな目標が貫かれて、一対二の基本原則が貫かれるものになろうと考えております。
 また、総定数を都道府県ごとに配分したのは、今までもいろんな御意見の中に、過疎地域への配慮をしろ、多極分散型国土の形成等の政策課題への配慮をしろなどの面から、人口以外の要素を取り入れるべきではないかとの御意見や御要望も各方面にたくさんあったところであります。都道府県にまず一人ずつ配分しているのは、これらの意見を踏まえて、人口の少ない県に対して定数配分上配慮しようとしたものであります。
 不合理な定数配分あるいは区割りとおっしゃいましたが、今申し上げたような考え方によっていろいろな配慮がなされておるわけでありますが、これは公正、公平な定数配分の原則に従って、公正な第三者機関がお決めいただいた区割りであると、私は今もそう信じております。
 また、多額な政治献金の発表を受けて、その修正報告をすればいいとおまえは思っておるのかというお尋ねでありましたが、私は、特定の政治団体のいろいろな収支状況について具体的な事実を承知してはおりませんが、ただ、政治資金規正法にのっとって厳正に取り扱われるべきものであることは当然であると考えます。
 また、御指摘になった両閣僚の件につきましては、今後ともきちっとした対応をすると同時に、政治家として気をつけていかなければならない大いなる反省材料だと考えております。
 また、企業、団体等の献金を全面的に廃止する考えはないかとのことでございますけれども、これは各界の有識者から成る審議会においても幅広く御議論があったところであります。企業や組合やその他の寄附というものをどう扱ったらいいのか。これについては、そういったものの寄附は原則として政党に対するものに限り、かつ適切な経過措置を講ずることが必要という結論が出て、答申にそのように記されております。私どもはその答申の趣旨を尊重して、法案作成に努力をしたところでございます。
 政党中心の資金集めというならパーティーをやめたらどうかということでありますが、パーティーの収支の明確化を図るために、行き過ぎが起こらないように、大口のパーティー券の購入規制及び多額購入者の公表を行うこととして、今後とも行き過ぎを是正し、節度あるものにしていこうとする努力がこの中に組み込まれているということもどうぞ御理解をいただきたいと思います。
 残余の問題につきましては、関係大臣から答弁をいたします。(拍手)
    〔国務大臣吹田愰君登壇〕

発言情報

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発言者: 海部俊樹

speaker_id: 5376

日付: 1991-09-11

院: 衆議院

会議名: 本会議