井上義久の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○井上義久君 ただいまの総理の答弁は極めて不十分でありますので、私は、再度お伺いをいたします。
まず、比例代表についてお話がございました。
私は、国会議員の選挙はあくまでも国会議員を選ぶ選挙であって、政権を選ぶ選挙ではないということを初めに申し上げておきたいと思います。
比例代表は、多党化をもたらし、政権を直接選べない、政治を不安定にする、このようなお話でございました。しかし、比例代表に基礎を置くドイツやオーストリアでも、例えば二大政党の国もあれば、フランスのように小選挙区に基礎を置いても、多党制の国もあるという例示だけで十分な反論となると思います。多党化するから連合政権にならざるを得ない、そうすると政権が不安定になり、国民の目から見えなくなるということも一概には言えないのではないかと思います。
さらに重要なことは、二大政党と多党制のいずれを良とするかは国民が決めることではありませんか。あくまでも民意にゆだねるべきであると私は思います。(拍手)
また、政権の安定と言いますけれども、日本の国民は、各種の世論調査が示しておりますように、一党による政権安定より与野党伯仲を望んでいるのが現状であります。総理は、この点についてどう認識をされているのか、再度お伺いをいたします。
それから、定数配分についての答弁は到底納得できるものではございません。審議会の案は人口比例だったではありませんか。ところが政府案は、人口の多いところに配分されるべき多くの議席が、人口の少ない県に回されております。答申が示した数字と比べても、十五議席も人口の多い都道府県から削られ、人口の少ない県に上乗せされる結果となっております。過疎地域への配慮、このような答弁がございました。人口の多い都道府県が、それでは必ずしも過密地域でしょうか。少ない県が、それでは過疎地域でしょうか。必ずしもそうではございません。したがって、このことは理由にはなりません。例えば人口が多いとはいえ、過疎地域の多い北海道から、過密ながら面積が少ない香川県に定数が回されていることを考えれば、不合理は明確であります。
そもそも過疎対策は、何も議員の数をふやすことではありません。それは別の対策として政治が考えるべきことであると思います。選挙制度に最も重要なのは公正さの確保であります。特定地域の議席が多く、別の地域は議席が少ないということは、議会の構成の公平を害し、国民の代表としての根拠を損なうものにほかなりません。定数を人口比例で配分しない政府案のやり方は、結局どう言っても説明できるものではありません。これは、議会制の根本についての政府の甚だしい無見識を示すものと言わざるを得ないと思いますが、いかがでしょうか。納得のできる答弁を再度要求するものであります。
また、区割りについて公正に行った旨の答弁がありました。新聞報道によりますと、自民党の渡辺元政調会長は、私のところは、これは政府案の栃木三区でございますけれども、那須郡など金城湯池だけが選挙区になり、私の弱いところは全部離れてほかにくりついたので反対のしょうがない、だれが一体つくったのか、配慮してつくったと思う、だれか政治家がかかわらなくてできるのかという疑問さえ実は持っていると述べておられます。
派閥の領袖のお一人が、区割りについてゲリマンダーリングが行われていることを、暗に認めていらっしゃるわけですけれども、総理はこのことをいかが説明をなさいますか。
それから、企業・団体献金を全面的に廃止する考えはないということでありますけれども、ロッキード事件、リクルート事件などに象徴される政治に巣くった金権腐敗体質を一掃することが、国民の強い要求であります。政治への国民の信頼を回復するためには、繰り返しますが、政治献金を媒介とした企業と政治家の癒着を断つことであります。今回の改正案は、それにこたえられるものではありません。まず、企業・団体献金を廃止することであります。これを実施して初めて金権腐敗体質の政治、利益誘導型の政治に終止符が打たれるものと確信をいたします。
また、政党助成法案が提出をされておりますが、企業・団体献金を認めたまま、国民の納めた税金の中から政治資金を政党が受け取るということは、到底容認されることではありません。政治家がまずみずからの身を削って初めて議論をすべきものと思いますが、総理、いかがでしょうか。
最後に、第八次選挙制度審議会の会議録の開示について、非公開を原則として出発をした。このような答弁でございました。
民主主義の基本であり、政治の基本を決める選挙制度を諮問し、それに基づいて政府案がつくられた。このような重要な問題を審議した審議会の議事録が国民の前に明らかにされない、こんなことは断じてならないと私は思うのであります。出すのか出さないのか。出さないとすれば、これまでの審議会が出していたものを今回はなぜ出さないのか、明らかにすべきであります。私は、重ねて第八次選挙制度審議会の会議録の開示を強く要求するものであります。
以上をもちまして、私の再質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕