海部俊樹の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(海部俊樹君) 最初に、井上議員に答弁の補足をさせていただきますが、議事録の問題につきましては、先ほどもお答えしたように、第八次選挙制度審議会の第一回の総会において、参加された委員各位が、この際自由に発言できるように会議は非公開にし、議事録は非公開の扱いにするということを第一回の冒頭の会合で御決定になったものと、こう思っておりますし、私どもも、その答申は尊重いたしますが、一々審議の中にまで政府が予断を持って介入することはいけないことと思ってその御決定に従ってきたわけでございます。
 次に、吉井議員にお答えをさしていただきます。
 政治倫理や政治資金をめぐる問題の底流には、個人本位の現行選挙制度の問題があるものと私は考えており、政党本位の活動や選挙を実現するため、中選挙区制にかえて小選挙区比例代表並立制をとることを提案したところでございます。政治資金も政党中心に調達するという流れをつくることにいたしました。したがって、法人やあるいは団体等の献金は原則として政党に限るということにいたしております。また政治活動には、これはある程度資金が必要であるということは、どなたもお認めのことと思います。
 問題は、政治活動や選挙の大部分を今政治家個人が対応しなければならない制度のもとにおいて、私も確かに時間と労力を多く使ってきたということを率直に対談で話したことはそのとおりでございます。むしろそれは政治活動の本来の活動の方に向けることがしたい、そのような仕組みに変えたいという願いなのであります。
 企業が社会的存在であるというなれば、ほかの社会的存在は何でももらっていいのかとおっしゃいますが、そんなことは言っておりません。それは法によって許されるものという大前提があることは当然のことでありますし、そのために政治資金規正法もあり、また、企業が行う政治献金が常に見返りを求めるものであると決めつけてしまうのは、これはどうかと思いますし、会社の政治献金も法によって許されているものでありますから、このことについては最高裁の判決においても、企業の政治献金についてはこれは許されるものがあるということは、きちっと認めておるわけでありますから、それまで否定することはいかがと思います。ただ、特定企業との癒着を疑わしめることのないように節度を持って行わなければならぬということは、これは当然のことと受けとめております。
 また、法人枠の拡大と税制上の優遇措置について言われましたが、今度の政治資金制度の改革においては、政党中心の政治資金の調達といたしております。政党に対するものに限り、政党枠というものを独立させて、その限度を、拠出する側から見れば現行のとおりにいたしました。それは、団体によっては、従来その他の政治団体に対して行っていた寄附を政党に対して寄附することができるようにするものであって、寄附枠の全体として見れば、これは拡大ではなくて従来のままである、こういうことでございます。これは御理解をいただきたいと思いますし、また、政党への献金については損金算入を認めようとするものであり、これは実質的には資本金の小さな中小法人だけに効果が及ぶものと思われております。また、政治資金の流れを政党に向けるための五年間の経過措置でありますが、寄附の限度を変更するものではなく、必ずしも全体として拡大していこうということではございません。
 そして政党助成の導入は、これは、政党に対する公的助成というのは、政党の活動そのものが国家意思の形成に寄与し、公的性格を持っておることにかんがみまして、あわせて、政治資金制度や選挙制度の改革によって選挙や政治活動が政党中心になっていきますから、政党の機能がより重要になりていきますので、諸外国の状況等を勘案して創設しようとしておるものであります。政治資金の公開性を高め、罰則の強化など、規制の実効性を確保するなど選挙の腐敗行為の防止措置もあわせて講じており、このような一体として改革を行うことによって、国民の皆さんの理解を得ることのできる環境も整備されるものと考えております。
 このことについては政党への干渉、介入に道を開くものではございませんし、また、一定の国会議員の数と得票率という国民の支持を反映する客観的な基準によってその要件を定めることにしておりますし、その使途を制限することもなく、政党の自覚と責任にゆだねることにしておりますし、ただ、収支の報告の公表を通じて国民の監視と批判にゆだねる仕組みにしたいと思っておりますから、政党に対する権力の不当な介入になるものではないと政府は考えております。
 残余は関係大臣から御答弁をいたします。(拍手)
    〔国務大臣吹田愰君登壇〕

発言情報

speech_id: 112105254X00719910911_027

発言者: 海部俊樹

speaker_id: 5376

日付: 1991-09-11

院: 衆議院

会議名: 本会議