海部俊樹の発言 (本会議)
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○国務大臣(海部俊樹君) 後藤議員にお答えを申し上げます。
雲仙岳火山噴火と地震の研究体制をさらに充実し、火山活動による危機管理体制、情報の伝達体制を早急に整備せよとの御指摘でございます。
私は、地震・火山国である我が国においては、防災行政上の重要な施策の一つとして観測体制の強化や予知及び火山噴火に関する研究開発に今後とも努めていく所存でございますし、一また今回も情報の伝達については適時発表を行ってきておるところでありますが、今後さらに関係諸機関を督励してまいりたいと考えております。
また、政府は、非常災害対策本部を設置し、地元県市町の御要望等も踏まえ、被災者救済のためにあらゆる角度から検討を重ねてまいりまして、住宅、民生、文教、農林漁業、中小企業、雇用、地域振興など三十一の分野にわたり八十三項目の被災者等救済対策を決定し、ただいま着手しておるところでありますし、またこれらの措置には、政令、省令の改正、特別基準の設定など、今回の災害のために新たに決定した措置が三十項目含まれております。この措置により所要の措置を講じてまいりますが、災害終息後のこの地域の防災、振興、活性化などの地域づくりについても真剣に考慮をし、必要な措置を積極的に講じてまいる考えでございます。
また、政治改革三法案に当たって所感はどうかとのお尋ねでありますが、私は、選挙制度審議会からいただいた答申、また自由民主党の政治改革本部が策定してまいりました政治改革大綱の趣旨、それは、政党政治に返るためにはまず政治倫理を確立し、そして選挙の制度も政党本位、政策本位のものに改めることができるようにするということがるる述べられておりました。法案の取りまとめに時間を要する結果とはなりましたが、ただいま国会にこの三法案を提案させていただいておる次第であります。御理解の上、成立のために御協力をお願いしたいと思います。
また、資産の公開や政治倫理の制定については、これは政治改革の第一が政治倫理の確立にあることは御指摘のとおりであり、また、このことについては既に各党がそれぞれ、政治家個人の資産の公開や政治倫理確立のための行為規範の改正、政治倫理審査会の拡大強化の問題など、具体的な案に基づいて国会に提出をされ、御検討中と承っております。今国会の開会前にも政治倫理の確立と国会改革について自由民主党としても申し入れを行ったところであり、これらの問題については、事柄の性格上、国会の場で各党の皆さんのお話し合いにおいて適切な結論が得られることを期待いたしておる次第であります。
選挙制度審議会から、特に中選挙区制のもとで生じているさまざまな問題を解決するためには現行制度を抜本的に改正していくことが必要であるという答申を受けました。なぜ中選挙区制度の改正が必要なのかとお尋ねでありますが、私は、やはり政党政治というものは、同じ政党に所属する議員が同じ選挙区に複数存在して日常活動を行い選挙を争うという姿は、これはいかがなものだろうかと考えるのであります。ややもすると、大切な場面で政党の基本となる政策論議が姿を消して、個人中心の選挙、個人中心の後援会に対する訴え、有権者に対する活動、これはすべて政策から離れたところで行われるようになっておるということ、それがもとで必要以上にお金がかかるようになってきておるということ、いろいろ弊害は指摘されておるところでございます。
私は、そういった意味からいっても、もう少し政策本位、政党本位の選挙ができるようにするためには、衆議院における中選挙区制度というものは、これは他の先進民主主義国でも今このような形の選挙制度が行われておるところはないわけでありますし、また、このような個人本位の選挙制度においては政党間における緊張関係が薄れてくるという指摘等も率直に受けとめて、選挙制度審議会の答申の趣旨を尊重し党の基本要綱を決定し、それに基づいて法案を作成し提案させていただいた次第であります。
参議院の選挙制度につきましては、今回の法案の中に提出することはせず、引き続いて御議論をいただくことにいたしましたけれども、選挙制度審議会においても、参議院の存立の意義、二大院が国会の中にあるというこの二院制を採用しておることによって、国会に民意をより正確に幅広く反映させ、議事の公正と慎重を期するとともに、参議院においてほその独自性を発揮されて持ち味を生かし、一衆議院と両々相まって我が国の議会制民主主義が健全な発達を遂げるように御活躍いただくことを心から期待しておるところでございます。
また、政治資金は政党本位の資金調達となりますが、個人の活動の自由のためにも、個人についてももちろん政治資金の方策はこの法律でも講じでございます。ただ、政治資金については、調達は政党中心の流れを強くするとともに、その公開性の強化と規制の実効性の確保を図ることを基準といたしております。
政党に対する公的助成は、国民の理解が得られるためには何が必要か。やはり御理解を得るための環境を整えることが大切であり、政治活動が個人中心の現行制度のもとでほいろいろな誤解や懸念を生んでもいけません。政党への公的助成は、政策本位、政党本位の選挙とするための選挙制度の改革や、政治資金制度全体の改革や、また、今回の法律にも書いてありますが、腐敗行為の防止措置の強化など一体のものとして実施をし、そして政党というものが国家活動への参画というこの現実と、諸外国に見られるような公的扶助の制度等にも着目をいたしまして、政党についての助成制度を法案としてお願いいたしました。また、公的助成の使途は制限しないことにいたしますが、その使途を明らかにした収支の報告と公表を行うことによって、その御批判や御判断を国民の皆さんにお任せができるようにしたいと考えております。
私は、以上の考え方に立って、政治倫理を確立し、政治資金を明朗にし、必要以上にかかり過ぎる額を何とか適切な額におさまるように努力しながら、政策本位の日常活動、政策本位、政党本位の選挙に変わっていくようにすること、これが大切なことであり時代から与えられた使命だ、こう受けとめておりますから、不退転の決意で取り組ませていただきます。御協力をお願い申し上げます。
証券業界に対する一連の不正事件についてお尋ねがありました。
私は、これは行政府として厳しく受けとめております。そして、極めて遺憾なことであり、公正な社会という理念からいってこのような行為が繰り返されてはならないと厳しく思います。事件の再発の防止には、通達による不透明な行政から法律による行政へ基準を変えるべきであります。証券取引法の改正はもとより、いろいろ取り締まる方法を考えたらどうかという御指摘でございましたが、政府は、証券会社に関するこのような問題の再発を防ぎ一般投資家の信頼を回復するために、取引一任勘定や事後的な損失補てんの禁止を含む証券取引法の改正案を今国会に提出すべく全力を挙げております。また、証券会社に対する検査体制の充実強化を図るなど、証券会社の営業姿勢の適正化や市場の公正性の確保に努めてまいります。
今回の業界の不祥事に関連をしまして、行革審に対し、証券市場に対する監視機能のあり方、それにほどのような形が適当であるのか、適正化のためには何が必要であるのか、是正策について検討を要請しておるところであり、それに従って検討を続けてまいりたいと考えております。
また、前川。レポートにもあるように、世界に通用する市場システムをつくれとの御質問は、私はそのとおりと思っております。我が国の地位にふさわしい役割と責任を担い、自由貿易体制の維持強化に向け率先して行動していくためには国際協調型経済構造への変革を当然推進していかなければならないものと考え、そのように努力をいたしてまいります。
また、国際社会の恩恵を受けて現在の日本があるわけです。世界の平和と世界の自由貿易体制という安定した現在の秩序、枠組みの中で日本の今日がある。これを考えますと、世界の平和と繁栄のために積極的に貢献すべきであります。現在、国際社会は歴史的な変革のさなかにあります。国際的地位にふさわしい形で何ができるのか、いろいろ議論をしながら、資金面のみならず、物のみならず、人の面でも積極的に貢献をしていきたい。ODAの拡充という面でもさらに貢献をいたしますし、国連の選挙監視団への要員派遣や国際緊急援助隊の派遣、さらにはペルシャ湾への掃海艇派遣など、さまざまな形での人的貢献を積極的に行い、なし得る努力を重ねてまいりたいと考えております。
具体に御指摘のあった、PKO活動に適切かつ迅速に協力するためには自衛隊が長年にわたって蓄積してきた技能、経験、組織としての活動能力を活用することが適切であり、これは国際社会に貢献していく道ではないかとの御質問であります。私は議員の御指摘のとおりだと考えております。
また、平和維持軍の性格、協力に当たっては、さきに政府が中間報告を各党に差し上げましたけれども、紛争当事者が平和維持の活動に同意したこと、そして停戦の合意が成立しておること、さらに中立、非強制の立場で国連の権威と説得により兵力の引き離し、停戦確保等の任務を遂行するものでありますから、伝統的な意味での軍隊とほ性格を全く異にするものでありますし、参加に当たっての基本方針においては、武器の使用は要員の生命等の防護のために必要な最小隈のものに限るということを基本的に堅持してまいりますから、平和維持軍に参加することは憲法第九条との関係で問題を生ずるものではないと政府は考えております。
また、自衛隊を海外における災害救援活動においても活用すべきではないかとのお尋ねであります。私は、バングラデシュのサイクロン災害救助とか、あるいはクルド難民の救援活動等で実際に現地に視察に行っていただいた議員の皆さんからいろいろな御意見を伺いましたが、結局、経験や技能や組織のある自衛隊を、国内の災害救援活動と同様に、速やかに国際社会においても緊急援助隊の一員として協力を行うことにさせるべきだという考え方を伺っております。政府は、この参加を可能とするために法律改正の準備をいたしておるところでございます。
また、ロンドン・サミットの意義、成果をどのように受けとめるかということでございますが、新しい国際情勢のもとで、国際秩序の強化と世界の秩序のために今度のサミットではいろいろなことを話し合い、経済的には、インフレのない安定的な成長を図るにはさらに一層の結束が必要であるということ、また同時に、今度のサミットの焦点の一つはソ連問題でありましたが、ソ連が抜本的に経済改革の自助努力をすること、政治的な意思を表明すること、それに対してサミット参加国は、技術支援、知的協力で積極的にペレストロイカの成功に協力をしていくこと、さらにIMFや世銀などとの特別提携関係も付与して、そこでいろいろまた技術支援や知的協力もすること、これについて一致をし、また外交面では、新思考外交のグローバルな適用が必要であるという点で各国の意見が一致をし、政治宣言においてこれが認められ、アジア・太平洋地域を含めて全世界にわたって適用されることの必要性が強調されました。
また、御指摘の北方領土については、議長声明においてその解決が望まれる旨強調されたことは、我が国にとっても重要な意味があったと考えております。
対ソ支援について基本はどうかとおっしゃいましたが、これは、四月中旬ゴルバチョフ大統領と行いました日ソ首脳会談において共同声明を発表し、その中で、平和条約を結ぶ、そのために、領土問題を解決して日ソ関係をまず正常なものにするための努力を加速的に行っていく、これが大切なことだということの認識と同時に、今後共通の認識を持って、両国間の関係の拡大均衡という基本を踏まえて現在のソ連経済のもとで最も適切な技術的支援を積極的に実施していくということになり、十五にわたる協定文書を調印したところであります。あの精神に従って推し進めてまいりますし、さらに北方領土問題については、我が国とソ連との間の不正常な状態を解決するために、これは引き続きこの問題の解決のために全力を挙げて交渉してまいりたいと思っております。
米ソ戦略兵器削減条約が署名されたことを心から歓迎いたします。さらに、戦略核兵器を初めとする軍備管理・軍縮の分野でさらなる進展が見られることを強く願っております。これが兵器移転の規制に具体的なインパクトを与えると判断するかという角度のお尋ねでございましたが、私は、各地域において実効性のある軍備管理・軍縮を進めていくためには、まず各地域それぞれの国際状況を改善し、状況の安定を図っていくことが重要だと考えております。
このような観点から、我が国は、日ソ間での領土問題を解決し平和条約を結ぶこと、朝鮮半島の緊張の緩和、カンボジア問題の解決などなど、アジア・太平洋における諸問題解決のため日ソ間で対話を行うなど外交的努力を続け、この地域の安定を図るとともに、先般七月、パリで開催された主要五武器供与国会合にソ連も出席をし、中東地域への武器輸出の抑制の動きや、和平会議等による政治解決の実現の兆しが見えておることを大切に考え、我が国が提唱をしております国連総会に対して通常兵器移転に関する報告制度の創設を内容とする決議案に対しても、今後ともこういった状況を背景にして、御指摘のように積極的に取り組んでまいる決意でございます。
また、我が国の平和外交や防衛政策を考える上で米ソ関係がいかなる意味を持ってくるかというお話でありますが、私は、東西対立時代の冷戦状況の発想を乗り越えておるということ、これは極めて我が国にとっても好ましい肯定的な動きでありますが、国際社会は依然過渡期に特有の不安定性と不確実性を内包しております。また、国家間の利害対立やそれに伴う地域紛争は依然として存在しております。我が国は今後とも、日米安保体制を堅持し、適切な規模の防衛力をみずから整備することによって我が国の平和を守り、また東西関係が変化する中で国連の機能を強化し、多数国間の協調体制を強化していくことによって世界の平和と繁栄のために貢献していきたいと考えております。
ウルグアイ・ラウンドの農業交渉にもお触れになりましたが、我が国はガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉において、農業生産の持つ特殊性や農業が果たしている多様な役割が適切に配慮されるよう積極的に対応しているところでありまして、今後の交渉においては、食糧輸入国としての我が国の立場が適切に反映されるよう全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
なお、緊急事態への対処体制の確立についての御質問に対してお答え申し上げますが、この緊急事態への対処体制の確立ということについては昭和六十年に提言を受け、また昭和六十一年に国防会議を改組して安全保障会議を設置いたしました。今回の湾岸危機に際しましては、昨年八月のイラクのクウエート侵攻以降、安全保障会議、総合安全保障関係閣僚会議等において、イラク侵攻をめぐる各種情勢について数次にわたり意見を交換し、協議決定を行ってまいりました。今後は、このような重大な緊急事態が発生した場合、政府が一体となって遺漏なき対応をすることができるように、今回の経験を踏まえて、また、去る七月四日に出された臨時行政改革推進審議会の答申における緊急事態への対処体制のあり方についての意見も最大限に尊重しつつ、内閣官房が中心となって対処体制のさらなる充実を図り、万全を期してまいる考えでおります。
また、ブッシュ大統領訪日の問題につきましては、先般の首脳会談において、かねてからの訪日招請を受け、十一月末ごろに日本を訪問したいとの意向が表明されました。具体的な日程は今後外交当局で詰めてまいります。政府といたしましては、日米の友好のきずなをさらに一層強固なものとしたく、冷戦後の新たな国際秩序の構築に向けてどのような協力と協調の関係を築き上げていくべきかについて幅広い国民的理解を得る重要な機会となることを期待いたします。
また、日米安保条約の円滑な運用に資する観点から、私は、今後とも我が国は自主的にできる限りの努力を行い、我が国の安全を確保してまいりたいと考えております。
残余の質問につきましては関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
〔国務大臣吹田愰君登壇、拍手〕