石田祝稔の発言 (本会議)
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○石田祝稔君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました平成三年度補正予算案につきまして、今後の経済政策のあり方などもあわせ、総理並びに関係大臣に質問をするものであります。
宮澤内閣が発足し、一カ月が経過いたしました。しかし、他の課題と同様に、経済政策についても宮澤内閣の具体的な方針が示されていないのが実情であります。生活大国を実現するために、生活関連社会資本の充実をどのように進めていくのか、景気後退や対外不均衡の是正にいかに取り組むのか、深刻化している歳入問題をどのように打開していくのか等について、総理の方針を速やかに国民の前に明らかにすべきであります。今回の補正予算も、さらには来年度予算も、こうした点を踏まえて編成されなければならないと思うのであります。
そこで、以下数点に絞り、質問をいたします。
まず、私は、生活大国を実現するために不可欠である社会資本の充実をどのように進めていくのかという点について、総理の見解をお伺いしたい。
現在、四百三十兆円に上る公共投資十カ年計画が進められておりますが、従来の予算の配分方法では到底生活大国の実現は不可能であります。この予算配分を大胆に変えるためには、総理がリーダーシップを発揮すべきであり、これを国民が期待しているのであります。こうした決意をお持ちであるかどうか伺うものであります。私は、公共投資十カ年計画を進めるために最も配慮しなければならないのは地価対策だと思います。こうした認識があるのかどうか、もしあるとするならば、どのような対策を行おうとするのか、お答えいただきたい。
現在、地価の鎮静化が言われておりますが、地価の水準は、五十八年当時から見れば、特に大都市圏では二ないし三倍に上昇しております。今必要なことは、この鎮静化をさらに推し進めていくことではないでしょうか。不動産融資の総量規制の撤廃が年内にも行われるように言われておりますが、政府の土地対策の目標は、サラリーマンが年収の五倍程度で家を持てるように地価を下げようとしたものでありました。こうした観点から判断すると、果たして規制の撤廃が必要であるかどうか疑問であります。安易に不動産融資の総量規制を撤廃すべきではないと考えますが、大蔵大臣の御見解をお伺いいたします。
また、この機会に土地対策、特に、土地利用計画について抜本的な検討を要求するものでありますが、総理の方針をお伺いいたします。
次に、補正予算の内容についてでありますが、私が第一に指摘したいのは、本補正予算では景気対策が不十分であるという点であります。
総理は、十二月二日の政府・与党首脳会議で、景気が落ち込まないように注意が必要だと発言しております。しかし、補正予算では、公共事業費の追加など景気対策が盛り込まれておりません。景気の先行きに注意が必要だとしながら景気対策を盛り込まなかったのは、いかなる理由からか、財投による対策で十分とされるのかどうか、総理のお考えをお伺いします。
また、先日発表にたったGNP速報によると、七月から九月期の成長率は、四月から六月期の年率二・八%をさらに下回り、一・六%となっております。総理、本年度の政府経済見通し三・八%の成長は達成できないのではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。
第二は、歳入不足についてであります。
補正予算では、二兆八千億円の税収の減額修正を行っておりますが、この額は、予算の租税及び印紙収入の約五%弱に達する大きな額であります。こうした大幅な修正を余儀なくされた原因は、バブルの崩壊あるいは景気の後退によるものではありますが、それにしては余りにも大きな乖離であります。総理の御見解をお伺いいたします。
さらに私は、現在の景気の動向、不動産取引の停滞、株式市場の低迷を見ると、果たして今年度の税収不足は二兆八千億円でおさまるのか疑問を持っております。税収不足が二兆八千億円を超えることになると、第二次補正ということになりますが、総理の御認識を承りたいと思います。
近年の税収の特徴は、景気後退期には大幅な税収不足が発生し、また、ここ数年のように実質五%台を上回るような好景気のときには、四兆円から七兆円を超える大幅な税収増が発生するなど、増収にしろ税収不足にしろ、著しく大きな額になっていることであります。私は、こうした大幅な税収の狂いは、五月までの税収を前年度の税収とする歳入の年度区分が大きく影響していると思います。
景気動向に収益が左右される企業の年間決算は、多くが三月であることを考えると、予算編成時に一年半先の企業収益を正確に見通さざるを得なくなり、今後も、現在のような税収の年度区分を続けていく以上、大幅な狂いが出てくることは必至であります。この点に関しては、財政審議会においても指摘されているところであり、指摘に対する対応も含め、総理の税収年度区分に対する御見解をお尋ねいたします。
第三に、災害復旧についてであります。
本年の災害により、災害に遭われた方々、またお亡くなりになった方々に心よりお見舞いを申し上げます。
補正予算では、災害復旧等事業費として六千八十四億円を計上しておりますが、この額は公共事業関係費が大半であり、災害復旧対策として十分であるかどうか疑問であります。今回の台風等の被害は、東北、九州地方を初めとして全国に及んでおりますが、特に被害が甚大なのは、農家などのリンゴ、ミカン等の果樹、杉などの山林立木であります。被害総額は少なく見積もっても一兆円を上回ることが見込まれ、被害額は我が国の災害史上最高を記録し、被害額が百億円を超える県が十八県にわたるなど、近年に例を見ない大きさであります。
しかし、その救済となると、被害農家の果樹共済制度への加入率が低く、被害を受けた多くの農家は、補償の対象にならないのであります。膨大な被害額を抱えて年を越さざるを得ない農家に対し、政府はどのような対策を講じるのか、お伺いいたします。
また、現行の個人災害の救済制度を一段と充実する必要があると考えるのでありますが、この際、我が党がかねてから主張してきました都道府県単位で加入する個人災害共済制度を実現すべきであると考えます。御見解をお伺いいたします。
雲仙・普賢岳の噴火による住民被災は、既に六カ月を超えておりますが、今なお噴火を続け、危険な状態にあります。生活の手段を失ったり、田畑を消失した人も多く、地域経済への影響は極めて深刻です。この際、雲仙対策特別法を制定し、万全の対策を講じるべきであります。総理の御見解をお示しいただきたいと思います。
最後に、現在、予算編成も大詰めに来ておりますが、来年度予算の基本的な考え方について何点かお伺いします。
まず、来年の景気は相当の落ち込みが懸念されておりますが、税収動向をどう見ておられるのか。
第二に、税収不足が必至と見られておりますが、赤字国債の発行についてどう考えているのか、今年度限りとなっている石油税、法人税の湾岸臨時増税は、来年度はどうされるのか、また、新たな増税もあり得るのか、特に、消費税の税率アップを本当に行わないと確約できるのかどうか、地方交付税の税率引き下げは行うべきではないと考えておりますけれども、どうお考えになっていらっしゃるのか。第三に、冷戦の崩壊、世界の軍縮等に対応して防衛費の縮減が必要だと考えますがどうか、それぞれについて、総理の御見解をお伺いいたします。
また、総理は就任以来、行政改革について積極的に取り組む姿勢を見せておりませんが、こういうときにこそ行政改革を徹底すべきであります。縦割り行政の弊害が目立つ中央省庁の再編、中央から地方への権限移譲、政府規制の大幅な見直し、補助金の整理合理化等を強力に進めるべきだと思います。総理の明確な方針を伺いたいのであります。
以上、当面の重要課題について質問いたしましたが、総理並びに関係大臣の明確かつ具体的な答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕