藤田スミの発言 (本会議)

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○藤田スミ君 私は、日本共産党を代表して、財政演説に対し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 まず最初に、補正予算編成に当たっての総理の基本的姿勢についてお伺いいたします。
 世界は、ワルシャワ条約機構の解体、核軍縮について米ソが合意するなど、軍備縮小が基本的な流れ、方向であります。ところが、本補正予算案では、本予算における軍備拡大の姿勢を改めず、それどころか、会期末まであと数日しか残っていない今も、憲法に違反する自衛隊の海外派兵、安保条約を地球的規模に拡大するおそれのあるPKO法案をあくまで固執し、成立させようとしています。これは、世界の流れに全く逆行するものと言わなければなりません。(拍手)
 総理、今なすべきことは、補正予算において軍事費を大幅に削減し、憲法違反のPKO法案を廃案にすることではありませんか。総理の所見を求めます。(拍手)
 次に、総理の政治姿勢についでお伺いいたします。
 総理、あなたは、リクルート社の未公開株一万株を自己の名義で取得し、三年前、これに関する国会での説明は文字どおり猫の目のように変わり、野党の要求した売買約定書、購入代金払込証明書、入金証明書のいわゆる三点セットを国会に提出することができず、ついにみずから責任をとって蔵相を辞任されました。以来三年、いまだに真実は何一つ明らかにされていません。
 あなたの総理就任以後明らかになったところでは、当時の秘書服部恒雄氏は、現在、事実上の秘書に復帰し、宮澤事務所のあるビルに出勤しています。そして服部氏は、リクルート社の株売買について、総理の、ファーストファイナンス社が仮払いして処理していたという三年前の弁明と明白に相違する発言を繰り返しているのです。
 さらに重大なのは、服部氏がリクルート社に五千万円のパーティー券購入を依頼したとき、社長の影響力は大きいのでよろしくと頭を下げたのは、資金援助を仰ぐだけでなく、その年の総裁選で、江副社長の知り合いの自民党議員が宮澤氏に投票するよう頼む意味も込めたと公言した旨報道されていることであります。すなわち総理、あなたは、株売買だけでなく、またパーティーその他で資金援助を受けただけでなく、検察官がわいろ性を認定しているリクルート社の未公開株譲渡などでの江副氏の自民党議員への影響力まで利用しようとしたことを、服部氏は現在公言してはばからないのであります。
 総理、補正予算の審議を急ぐなら、まず三点セットを閲覧ではなく提出して、納得のいく説明をし、国民のあらゆる疑惑に答えるべきであります。そうでなければ、一生戒心してまいるなどと発言しても、絵にかいたもちにすぎません。正確かつ速やかな説明を求めるものであります。(拍手)
 さきの臨時国会において、国民の圧倒的反対のもとで小選挙区制導入法案は廃案になりましたが、十一月二十九日に九〇年国勢調査確定値が公表され、衆議院選挙区ごとの一票の重みの格差は最大三・三八倍にも広がり、違憲状態になっていることが改めて明らかになりました。これに対して、総理は、解散権は拘束されていないと言明し、違憲状態の総選挙もあり得るとの姿勢をあらわにしましたが、速やかにその抜本改正を行うことは、八六年の国会決議に照らしても、政府と議会が国民に負う責務であります。総理の御見解をお伺いいたします。
 次に、米の輸入自由化問題についてお伺いいたします。
 総理は、十一月十四日の予算委員会において、米の自給は国会決議があり、基本方針を崩すことは考えていないと国会決議に基づく対応を明らかにしましたが、ウルグアイ・ラウンドでは、十一月二十八日の公式会合までに例外なき関税化に反対した国は、日本を初めカナダ、メキシコ、スイス、イスラエル、韓国、エジプト、ノルウェーな
ど全部で十四カ国にも達し、この問題で日本が決して孤立していないことが世界的に明らかになったわけであります。しかしながら、日本国内では、自民党森政調会長が、口には出さないが政府・自民党はいろんな案を考えているなど、自由化に向けた検討を進めていることを明らかにするなど、三度の国会決議に反して関税化協議に応じようとする動きがあることは、決して許すことはできません。(拍手)
 総理、例外なき関税化に反対する十四カ国の中心的な国として、三度の国会決議に基づき、米の輸入自由化を何としても認めない立場を貫く決意を明らかにしていただきたいのであります。(拍手)
 次に、災害対策についてです。
 普賢岳噴火では、島原市と深江町の住民約八千人が今なお仮設住宅などで避難生活を送り、つらく厳しい冬を迎えようとしています。台風災害では既に何人かの自殺者を出し、青森県下では小さな子供を残して夫婦で出稼ぎに出ざるを得ないたど、国の対策が被災者に届く対策になっていないということを痛感せざるを得ません。
 振り返って八〇年代の臨調行革の十年の間、軍事費は一・八倍の大突出となる一方、防災関係予算は、当初予算で見ますとわずか一・〇五倍、実質削減という状態にありました。治山治水対策、火山対策はもとより、農業共済予算等も削られたわけであります。これは軍事費拡大、民生軽視の典型であり、災害のたびに国の責任が問われるのは当然のことではないでしょうか。(拍手)
 そこで、お伺いいたします。
 補正予算案は六千八十四億円の災害関係費を計上していますが、このうち、個人被害対策はごくわずかだという問題であります。災害対策基本法は、国民の生命、身体、財産を災害から守ることを国の責任と明記していますが、個人被害対策など、その具体的法整備はおくれていると言わざるを得ません。本年の大災害を契機に、思い切った個人被害対策に正面から取り組むべきではありませんか。
 また、普賢岳の対策ですが、災害の長期化で、三百億円の長崎県雲仙対策基金は全く不足が明らかであります。避難住民などに対する生活費の援助等、この基金の役割は重要であり、国庫補助を含め、金額が大幅に拡大されるよう求めたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。(拍手)
 次に、本補正予算案で二兆八千億円の税収不足を、また来年度予算編成では約六兆円と言われる歳入不足を生じようとしている政府の責任についてです。
 今回の未曾有のバブル経済と株、地価高騰の火つけ役は、総理、あなたが蔵相時代にとられた超金融緩和対策にあったのではありませんか。バブル経済を引き起こし、それを前提に過大な税収見積もりを行い、それを当てに、本来削減すべき軍事費、ODA、米国の戦費負担や日米構造協議絡みの公共投資など大幅にふやし、この間の予算編成を行ってきた政府自身に責任があるのです。その責任を明確にせず、補正予算案でも五百七十二億円にも上る生活保護費の削減をするなど、専ら国民犠牲の歳出削減、地方交付税率引き下げや国民増税を進めることは絶対に許されません。総理の明確な答弁を求めます。
 これに関連し、指摘しておかなければならない重大な問題は、羽田大蔵大臣の在任中での消費税の税率アップ示唆発言についてです。羽田大蔵大臣は、三日の参議院大蔵委員会で、在任中に上げないと言えない立場を察してほしいと答弁し、これまで竹下、海部内閣ができなかった課題を宮澤内閣が実行しようとしていることを示しました。消費税の導入自体が公約違反の上、税率の引き上げをねらうなどは、国民に対する二重、三重の背信行為と言わたければなりません。即刻、羽田大蔵大臣の発言は取り消していただきたい。総理並びに大蔵大臣の見解を求めます。
 次に、今後の財政再建の問題について伺います。
 政府は、補正予算で歳入不足を埋めるため、一兆四千億円もの建設国債を増発しようとしています。これにより、一般会計に占める国債発行額の比率である国債依存度は、当初予算で七・六%が九・五%を上回ります。現在、我が国の長期政府債務残高の対GNP比は四四・七%で、フランスの一三・六%はもちろん、ドイツ、イギリスよりもはるかに大きく、また一般会計に占める国債費は二二・五%、うち元本償還を除いた利払い費率は一七%にも達し、すべての先進国中、最悪であります。そしてさらに、国債依存度を平成七年度に五%未満にするという新財政再建の目標をみずから崩すことになるのではありませんか。明確な御答弁を求めます。
 今政府のなすべきことは、世界の流れを視野に入れ、大幅な軍事費の削減、アメリカの戦費負担など絶対に行わないこと、ODAの根本的見直し、日米構造協議に基づく大企業優先の公共投資の思い切った削減と、真に国民に役立つ生活基盤中心の公共投資への流れの転換であります。そうでなければ、昭和五十年代の赤字国債発行と財政危機の二の舞になることは必至であります。政府の明確な見解を求めたいと思います。(拍手)
 最後に、アメリカのブッシュ大統領は、広島、長崎への原爆投下を正しかったと、許しがたい言明を行いました。核兵器は、大量殺りくに加え、残虐非道な兵器であります。被爆者は、今なお放射能におびえ、地獄の苦しみの中に置かれ続けています。しかもアメリカは、ソ連を抑え込み、戦後の世界戦略を優位にするために核兵器を使用したのであって、いかなる意味でも正当化することなどできないものであります。(拍手)核兵器使用を正当化するなど、原爆犠牲者に対する冒涜であり、核兵器廃絶を願う諸国民に対する許しがたい暴言であります。
 外務大臣、あなたが、ブッシュ発言に抗議をしないと言われた理由は、アメリカの核兵器の使用は正当であったと思っておられるからでありますか。だとすれば、世界唯一の被爆国日本の外相としては最も不適格であると言わざるを得ません。(拍手)
 私は、被爆国民を代表してブッシュ大統領に抗議し、謝罪を求めることを総理に強く要求して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕

発言情報

speech_id: 112205254X00819911206_021

発言者: 藤田スミ

speaker_id: 27365

日付: 1991-12-06

院: 衆議院

会議名: 本会議