宮澤喜一の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 平成四年度の予算編成に際しまして、財政事情が非常に厳しゅうございましたので、歳出を徹底して削りました。また、歳入面におきまして建設国債を精いっぱい活用をいたしましたが、どうしてもなかなかつじつまがいませんで、税制面におきましても対策を講ずることが必要ということになりました。
このような観点から、法人特別税の創設、普通乗用自動車に係る消費税の税率の特例措置を講ずることといたしました。ただいまおしかりのあった点でございます。
従来の法人特別税の今回の基礎控除は、いわゆる法人臨時特別税よりも百万円大きくいたしてございますし、自動車の特例税率は現在のものよりも低い。その上に、従来やっておりました石油臨時特別税は廃止をいたしました。そういう意味では、今までの経済の水準から申せばマイナスの影響はない、こういうふうに申し上げることはできるわけでございますが、それにいたしましても、本当は一度限りで後をやめてしまえばすっきりしたのでございますが、そういう財政の事情から、やむを得ずにこういう措置をとらせていただきました。御理解を賜りたいと存じます。
次に、行財政改革の推進と消費税率の維持でございますけれども、こういう財政の体質でございますので、二度と特例公債は発行しないことを基本にして財政をやってまいりました。行財政改革の推進につきまして、昭和六十三年に自民、民社両党の合意がございます。今後とも、この合意の趣旨に従いまして、引き続き努力をいたしてまいるつもりでございます。消費税率を引き上げることは考えておりません。
次に、行革の問題でございますけれども、昨年の十二月二十八日に、第三次行革審の提言を中長期にわたる課題として尊重することにいたしました。それは権限委譲等、国と地方を通ずる行革でございますが、環境問題、あるいは行政手続の内外への透明性の確保等々を行革の対象として、これから推進をいたしてまいります。
また、予算編成に当たりまして、いわゆる歳出削減の上に、政府の保有しております財産、国有財産売り払い収入等を含めまして、税外収入の最大限の確保に努めたところでございます。
それから、中小企業承継税制の問題につきましては、しばしば御提言のあるところでございますけれども、取引相場のない株式の評価を緩和すること、あるいは生前贈与に係る納税猶予の特例等々、いずれも、土地を持っておれば税制上有利だという、そういうことをなるべくなくしたいというふうに考える資産課税の適正化の流れになかなか合わないところがあるということが実は悩みの種でございまして、しばしば御指摘がございますわけですが、なかなか私どもとしてはとれない措置だということでございます。
青色申告特別控除額三十五万円は、今の状況のもとでは最大の措置であると考えておりますので、御理解をお願いいたしたいと思います。
地価税の税収の使い方でございますけれども、これはやはり土地対策に資するという観点から、国民生活に還元せよといプ創設のときの趣旨を尊重いたしまして、歳出面において適切な配慮を行ったところでございます。
家賃控除制度の創設ができないかということは、先ほどもちょっと申し上げましたが、食費、被服費等と家賃とがどこが違うか、それはやはり生計費ではないかということから、税制上の問題としてやはり基本的な問題があるのではないか。
なお、パート所得につきましては、非課税限度の百万円への引き上げなどをいたしました。これは税負担の公平の面から見て、精いっぱいのところであると考えております。
それから、納税者番号制度の導入につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、プライバシーの問題、あるいは、そういうことをいたしましたときに国民はかなり煩わしいことになってまいるわけですが、そういう煩わしさ、あるいは費用等々の問題がございますので、税制調査会の納税者番号等検討小委員会でもう少し検討をしていただきたいと思っております。
それから、いわゆる不公平税制と言われるもの、貸倒引当金でございますけれども、これは法人の税法上の所得の不規則変動を避けるためのいわば合理的な措置でございますから、やはり時々必要に応じて見直しをする必要があるということであると存じます。
残りの問題につきましては、大蔵大臣からお答えをいたします。(拍手)
〔国務大臣羽田孜君登壇〕