柳田稔の発言 (本会議)
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○柳田稔君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となっております平成四年度予算三案について、反対討論を行います。
反対の第一の理由は、省庁の縄張り、与党の権益優先の予算となっており、我々が求めてきた生活先進国型の予算編成にほど遠いものであるだけでなく、宮澤内閣の生活大国の公約にも違反する内容となっていることであります。
とりわけ、公共投資の固定的、硬直的配分を根本的に改めることなく、生活関連枠の継承、新たな別枠の設置という小手先の施策にとどまり、サラリーマンなどの生活向上に不可欠の住宅関連等の社会資本整備をないがしろにしていることは残念であります。
ここ十年間、一般会計公共事業費の各省庁ごとの配分は、ほとんど動いておりません。昭和五十八年度と平成四年度を比較すると、建設省分は六八・三%から六八・六%、農林省分は二二・〇%から二一・六%、運輸省分が六・二%から六・三%、厚生省分は三・一%から三・二%となっています。この数字は国民生活向上という視点をないがしろにし、官僚や族議員の顔色をうかがって予算編成に取り組んできた歴代自民党内閣の姿勢を示すものだと考えます。
また、国立大学授業料の引き上げが盛り込まれ、文化・スポーツ施設などの拡充が軽視されていることは、文化先進国建設を進める上でも問題があります。さらに、看護婦確保対策、救急医療など福祉政策においても我々の提言に十分こたえたものになってはおりません。
とりわけ、パート・内職者減税、家賃控除などの政策減税が見送られたことは残念であります。かかる減税措置は、まじめに働く勤労者が切に望むものであり、これを拒否したことは、日本国民に対する裏切り行為と言わざるを得ません。
反対の第二の理由は、安易な増税措置が盛り込まれていることであります。
我が党は、両院の代表質問や各委員会での質問、予算編成前の党首会談などで、政府に歳入欠陥を理由に増税を行わないよう強く求めてまいりました。安易な増税反対は民社党の一貫した主張であります。
この立場から、法人特別税、普通・小型乗用車の消費税の割り増し税率などの増税に反対いたします。かかる措置は、平成三年度限りで撤廃する措置を事実上延長したものであり、公約違反を犯し、国民を欺くものであること、景気をさらに悪化させることを強調しておきたい。また、地方交付税交付金の圧縮など、地方へのツケ回しか盛り込まれていることは、本末転倒と言わざるを得ません。この分は速やかに地方に返済するよう求めるものであります。
反対の第三の理由は、景気対策が不十分なものとなっていることであります。
政府が、非現実的かつ甘い経済分析を続け、景気対策を後手後手に回し、経済を著しく悪化させた責任は極めて重いと言わざるを得ません。我々は、金融と財政によるバランスのとれた景気政策を行うよう求めてきましたが、財政政策をおろそかにし、金融偏重の対策をとる宮澤内閣のやり方は、バブルをもたらした過去の過ちを繰り返すおそれがあります。
また、景気減速によって最も大きな被害を受けている中小企業に対する施策も十分とは言えません。人手不足や後継者難に苦しむ中小企業を救済することは国家的課題であるにもかかわらず、承継税制の確立や労働時間短縮のコストアップ吸収のための抜本策が棚上げされていることは不満です。また、大店法改正など厳しい経営環境に直面する商店街に対する配慮も足らないと思います。
反対の第四の理由は、行財政改革が不十分なものとなっていることであります。
行革をないがしろにし、増税などで国民にツケを回すことは言語道断と批判せざるを得ません。今日の最重要課題は、中央集権体制の打破、総合調整や国民生活に視点を置いた省庁の再編、地方の権限強化、自主財源確立、国際情勢に即応できるシステムづくりなど、日本の行政機構を根底から見直す行政改革五カ年計画の策定、実施であり、この断行を強く政府に求めます。
反対の第五の理由は、地球環境や経済支援など、国際協力の面でも不満足な内容となっていることであります。
世界の経済大国となった日本は、もはや自国の利益のみを考えていればよいわけではありません。その意味で我が国の予算案は、日本人のためだけのものではなく、全世界の人々のためにあるとの認識を持つべきです。
ODAについても、単に予算を増額すればいいというのではなく、諸外国の人々の生活向上に直結するものとなるよう、その内容を厳しく吟味すべきだと考えます。また、オゾン層の破壊、地球温暖化、酸性雨など、地球規模での環境破壊を阻止するため、日本はさらなる努力をすべきです。
今、我が国には、これまでにも増して外国人の姿が目立つようになっています。しかし、日本人が心を開いてくれない、日本は住みにくい国だと嘆く声がよく聞かれます。本当の国際化とは、日本人一人一人が他国の人々の文化、宗教、生活様式を尊重し、人間として彼らに優しく接することではないでしょうか。草の根の国際交流を進める上でも、政府の予算案は不満足なものと考えます。
防衛費については、防衛大綱、中期防を見直し、これを聖域化せず、効率化を図り、これを極力抑制すべきと考えます。五カ年の防衛費削減計画を策定し、平成五年度予算に反映させることを政府に強く求めます。
最後に、民社党の予算修正案や、我が党を初めとする野党共同の予算修正案の要求を無視し、政府・与党が修正に応じなかったことに苦言を呈し、討論を終わります。(拍手)