宮澤喜一の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 農業は、食糧の安定供給はもちろんでございますが、地域社会の維持、国土・自然環境の保全など多くの面で、もとより重要な役割を果たしております。また、その中にあって、農村は、いわゆる緑豊かな自然と伝統文化に裏づけられたゆとりのある生活・余暇空間を提供するなどの大切な機能を持っておるものと考えております。こうした使命、機能を持ちます我が国の農業、農村がその担い手不足、高齢化の進行、農耕放棄地の増加などによって今大きな節目を迎えており、このような事態に対処して、農家におられる方々が将来を見通しながら、誇りと希望を持って農業を営める環境をつくり上げることが、ただいまの重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
農業基本法は、農業の生産性の向上及び農業従事者の生活の他産業従事者との均衡を国の農業に関する政策の目標として制定したものであることは、御承知のとおりでございますが、政府としては、この法律に基づき、過去、各般の施策を展開してまいりました。これによって、畜産や施設園芸の分野を中心に生産性向上が進むなど、一定の成果を上げてまいったものと考えております。
農業の生産性の向上及び農業従事者の生活の他産業従事者との均衡という農業基本法の政策目標は、もとより今日においても妥当であると考えております。今後においては、経営管理能力にすぐれた担い手を育成確保すること、また道路、下水道の整備の促進、美しい村づくりの推進、多様な就業機会の確保等により、活力に満ち、快適な生活を享受できる農村をつくり上げていくことが極めて大切であると考えます。
次に、新たな基本法の制定をどう考えるかということでございますが、農林水産省におけるただいま諸般の事情の検討の結果と、今後の政策の方向を踏まえまして、関係方面の御意見を伺いながら検討してまいりたいと思っております。
ウルグアイ・ラウンドにつきましてですが、我が国としましては、現在出されておりますいわゆるダンケル合意案の農業部分につきましては、輸出補助金に比べまして、国境措置の取り扱いにバランスを欠いている点などいろいろの問題があるものと考えております。したがって、ダンケル合意案の農業部分についての修正の考え方を示しながら、これまでの基本的方針のもとに、食糧輸入国としての我が国の立場を踏まえた国別の約束表を先般提出したところであります。我が国としては、これまでの基本的方針のもとに、食糧輸入国としての我が国の立場が確保されるよう、最大限の努力を傾注してまいりたいと思っております。
今後の見通しでございますが、四月十三日に非公式貿易交渉委員会が開催され、各交渉分野の進捗状況の報告がなされました。と同時に、交渉については、今後とも引き続き行っていこうということになったところでございます。
なお、今月二十二日にアメリカ・ECの首脳会談が行われる予定でありますが、今後の農業交渉の成り行きにつきましては、各国ともいろいろ困難な問題を抱えておる現状から判断をいたしますと、今後の見通しは必ずしも明らかでない、不透明な状況と考えております。
最後に、政治に対する信頼を確固としたものにいたしますために、政治倫理の確立とあわせて、現行の政治資金制度や選挙制度をめぐるさまざまな問題を解決し得る具体的な方策を見出したいと考えておりまして、各党からもいろいろな御提案がなされております。既に政治改革協議会において、各党間の御協議が進められているところでございますが、御協議をいただきました末に合意に達しましたものから、必要に応じて法制化をしていただきまして、今国会中に成立することを念願をいたしますし、政府といたしましても、その実現に向けて最善の努力を図ってまいる決心でございます。
残りの問題は、農林水産大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
〔国務大臣田名部匡省君登壇〕