竹村幸雄の発言 (本会議)

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○竹村幸雄君 私は、ただいま議題となりました日本社会党・護憲共同提案の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、提案者を代表し、提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。(拍手)
 近年、世界的に市場経済の有効性が再評価され、各国における政府規制分野の見直しや独占禁止法の運用、執行力の強化が図られてきているところであります。特に我が国におきましては、世界有数の経済力に見合う豊かな国民生活を実現するとともに、我が国の市場を国際的に開かれたものとしていくという面からも、独占禁止政策の果たすべき役割が従来にも増して大きくなってきておるのであります。
 このような情勢のもと、独占禁止法違反行為に対する厳正な対処及び抑止力の強化を通じて国際的ルールヘの平準化を図るとともに、法運用の透明性を高めるため、私どもは、法人罰金の大幅な引き上げ、適用除外制度の見直し、公正取引委員会の委員長及び委員の任命基準の見直し等が重要な課題であるととらえておるのであります。特に法人罰金につきましては、独占禁止法違反行為は企業の利益追求のために事業活動そのものとして行われる典型的な企業犯罪であり、刑事罰がこれに対する十分な抑止力となるためには、現行の五百万円という罰金刑の上限は、巨大な資力を有する事業者に対する効果という点で低きに失すると言わざるを得ないものであります。
 この点につきまして、私どもは、刑事罰研究会報告書に示されております法人と個人の資力格差に関する試算結果を重視するとともに、主要先進国の罰金等の水準、例えば米国が企業の罰金刑の上限を一千万ドル、約十三億円としている等の事情を考慮に入れながら、法人に対する罰金刑を現行の百倍、最高五億円に引き上げるのが適当であると考えております。(拍手)
 これが、ここにこの法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、法人等に対する罰金の引き上げであります。両罰規定に定めるすべての罪について、法人及び法人でない団体に対する罰金刑の上限の額を現行の百倍に引き上げるものとしております。
 第二に、独占禁止法違反事件についての調査のための強制処分権限の実効性を高めるという観点から、第九十四条の二第四号の物件提出命令違反の罪を両罰規定の対象に加えるものとしております。
 第三に、不公正な取引方法のうち特定の行為類型について罰則を新設することといたしました。具体的には、共同の取引拒絶または再販売価格の拘束をした者等を三百万円以下の罰金に、また、共同の取引拒絶または再販売価格の拘束に該当する事項を内容とする国際的協定または国際的契約をした者は、二百五十万円以下の罰金に、それぞれ処するとともに、これらの罪を両罰規定の対象に加えるものとしております。不公正な取引方法についての公正取引委員会による現行の一般指定のうち、共同ボイコットと再販売価格の拘束以外の指定はそのまま残すことを想定をいたしております。
 第四に、再販売価格維持制度は、特定の著作物に係るものを除き、廃止するものとしております。特定の著作物とは、新聞、書籍その他の出版物に限る趣旨であります。
 第五に、公正取引委員会の委員長等の任命につきまして、これまでのあしき慣行を排し、行政官庁と無関係の裁判官、学者などの専門家から積極的に登用するという観点から、任命要件を加重することといたしました。このため、公正取引委員会を除く国の行政機関の職員であった期間が通算して二十年以上になる者は、委員長となることができないものとし、また委員の任命についても同様に、そのうち三名以上が国の行政機関の職員であった期間が通算して二十年以上になる者となってはならないものとしております。あわせて、任命の日以前五年間において、資本金三十億円以上の株式会社の代表権を有する役員または事業者団体の役員であった者は、委員長または委員となることができないものとしております。
 第六に、第二十五条の規定による無過失損害賠償責任に係る訴訟については、第一審の裁判権は、現行法では東京高等裁判所に属するものとされておりますが、価格カルテルや共同ボイコットの被害者となった消費者や中小事業者が容易に訴訟を提起できるようにするため、各高等裁判所に属するものとしております。
 その他、必要な規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
     ————◇—————
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する
  法律の一部を改正する法律案(内閣提出)及
  び私的独占の禁止及び公正取引の確保に関
  する法律の一部を改正する法律案(竹村幸
  雄君外十名提出)の趣旨説明に対する質疑

発言情報

speech_id: 112305254X02819920528_018

発言者: 竹村幸雄

speaker_id: 16288

日付: 1992-05-28

院: 衆議院

会議名: 本会議