宮澤喜一の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 独占禁止法に関する刑事罰研究会は、昨年十二月、刑事罰の強化について検討結果を報告したのでありますが、本件については、当時、まだ各方面において必ずしも意義についての理解や議論が熟していない段階に
ありましたため、研究会の結論が各方面に予断を与えることのないよう、適当な時期まで報告書の公表を見合わせることが適当であると公正取引委員会において判断したものと承知をいたしております。
 刑事罰研究会は、独占禁止法違反特有の事情などを考慮し、企業と行為者個人の資力の格差、諸外国の法制との比較、課徴金制度の存在などの諸点を総合的に勘案し、現行の罰金刑を抜本的に引き上げることが必要との結論を出したものと承知をいたしております。
 政府において改正法案を作成するに当たりましては、刑事罰研究会の報告書の基本的方向を踏まえ、現時点で社会の大方の理解が得られるものであることが必要であることを考慮いたしますと、事業者に対する罰金刑の上限を一億円とするのが適当と判断したものであります。
 なお、事業者に対する罰金刑を定める場合においては、平成三年十二月の法制審議会了承事項にあるとおり、当該法律、罪ごとに、事業主に対する抑止力として期待できる金額は幾らかという点を基本として個別に決定されるべきもので、すべて同一の基準によらなくてはならないということはないと存じます。
 次に、埼玉県の公共工事入札談合事件につきましてでございますが、独占禁止法の運用については、公正取引委員会が独立してその職権を行使しているものでございます。適正な法運用が行われていると考えます。
 御指摘の件については、公正取引委員会では、本件につき告発を行うか否かに関し、検察当局とも意見交換を行った上、法律上及び事実認定上の問題を検討した結果、告発を相当とする具体的事実が認められるに至らなかったため、告発を行わないとしたものと承知しております。
 具体的案件についてのものでありますので、詳細について申し上げる立場にはございませんが、本件については、公正取引委員会において検察当局との間で適宜意見交換を重ねてきたものと聞いております。
 談合、価格カルテル等の独占禁止法違反行為を排除し、公正かつ自由な競争を促進することは、一般消費者の利益を図るとともに、国際的な調和を図る観点から極めて重要であります。このような観点から、従来から公正取引委員会において、独占禁止法を厳格に運用していると考えておりますが、今後とも、独占禁止法違反事件に対しましては、刑事告発を含め、厳しく対処するものと考えております。
 委員長、委員についての人事でございますが、公正取引委員会の「委員長及び委員は、年齢が三十五年以上で、法律又は経済に関する学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が、両議院の同意を得て任命する。」こととされております。
 公正取引委員会の行政は、経済の広範な分野における事業者の活動を対象とし、かつ、処分に当たり準司法的手続がとられるなど、法律、経済に関する豊富な知識と高度な専門性が必要とされることから、法律関係の学識経験者と経済関係の学識経験者をもって構成されております。
 現在の公正取引委員会の委員長及び委員は、いずれもこのような観点から、法律に定める資格要件を有する者のうちから適切な者を人選し、両議院の御同意を得て任命したもので、人格、識見ともに秀でた人物であって、法律を厳正かつ公正に運用しているものと考えております。公正取引委員会の委員長及び委員の任命に当たりましては、今後とも、両議院の御同意を得て、適切な人材を任命していくことといたしたいと存じます。
 自余の問題につきましては、関係大臣からお答えを申します。(拍手)
    〔国務大臣渡部恒三君登壇〕

発言情報

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発言者: 宮澤喜一

speaker_id: 13804

日付: 1992-05-28

院: 衆議院

会議名: 本会議