神谷信之助の発言 (本会議)
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○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、平成四年度の予算三案に対して反対の討論を行います。
反対の第一の理由は、本予算案が、宮澤総理の言う生活大国は言葉だけで、国民の暮らし、福祉、教育を切り捨て、民活の名による大企業優遇の臨調行革路線を継続、強化する内容だからであります。
過労死問題が象徴するように、世界に例を見ない長時間・過密労働について、我が党は党首会談や国会質問で労働基準法の抜本改正を要求してまいりました。今こそ、人間らしい生活を取り戻すために、労働時間については一日拘束八時間、完全週休二日・週四十時間労働制、残業時間の上限を一日二時間とし、サービス残業を根絶するなどのため、労働基準法の抜本改正をすべきであります。
臨調行革路線のもとで大きな削減の対象となったのは、医療、福祉、教育関係の予算であります。日本共産党は、このようなやり方を直ちに改めるとともに、老人差別医療を廃止し、国庫負担を三千億円ふやし、老人医療費の無料化を復活させ、国民年金、福祉年金に月額五万円の最低保障制度を導入し、基礎年金は月額七万円、夫婦で十四万円に引き上げることを強く主張するものであります。
現在、看護婦不足が深刻な社会問題になっているにもかかわらず、政府の看護婦確保法案は処遇改善の実効性が薄いものとなっています。看護婦の夜勤は二人以上、万八日以内を直ちに実現し、専門職にふさわしい給与と身分を保障することが必要であります。
また、国民健康保険の国庫負担率を医療費の四五%に戻し、重い負担になっている国保税、国保料を引き下げるべきであります。
教育関係予算では、施設設備の老朽化、教育研究費不足など深刻な大学の現状を解決することが重要であります。また、三十五人学級の早期実現を図るとともに、私学助成は経常経費の二分の一とした国会決議を尊重しなければなりません。
次に、政府の緊急経済対策でありますが、これは多く指摘されているように、バブル経済再来の危険をはらむ内容であり、とりわけ不動産融資の総量規制撤廃は絶対に許されません。地価の監視区域を細かく広げ、土地取引を許可制にする規制区域指定、公共住宅の大量建設を行うべきであります。リゾート法及び地価つり上げの元凶となった全国の民活巨大ブロックなどは、中止を含め根本的に再検討することを要求いたします。
米問題では、ドンケル提案の例外なき関税化をきっぱり拒否し、米の自由化反対を貫き、我が国の農業を守るべきであります。
また、地方財政では、八千五百億円もの地方交付税の減額や一般財源化などによって一兆四千五百億円以上削減していますが、住民生活改善にこたえられる財源を保障することこそ国の責務であり、財政面から地方自治を破壊することは断じて許せません。
反対の第二の理由は、本予算案が国際的な軍縮の流れに逆行し、引き続き軍拡を進める内容になっていることであります。
アメリカは、新国防計画指針で露骨に世界の憲兵としての役割を果たそうとしています。我が党は、このアメリカの世界戦略を補完するための防衛計画大綱、中期防衛力整備計画の廃止と自衛隊の新たな正面装備の発注の中止、部隊、定員の抜本的見直し、さらに日米共同演習の中止、米軍への思いやり予算の廃止などで軍事費を大幅に削減することを主張いたします。
PKO法案は、憲法違反の自衛隊の海外派兵反対という国民の意思を反映して、国会では既に廃案、不成立と、二度も判断が下されているものであります。PKO法案と自衛隊法の改正を断念するのが当然であります。
また、侵略戦争の責任を明らかにし、旧日本軍が行った国家的犯罪行為である朝鮮人従軍慰安婦問題の補償の検討を直ちに行うべきです。同時に、被爆者援護法の制定、シベリア抑留補償問題、軍人恩給未受給者補償問題、治安維持法犠牲者補償問題など、戦後処理問題の根本的解決を図らなければなりません。
反対する第三の理由は、本予算案が大企業優遇税制にメスを入れず、専ら国民に重い税負担を押しつけるとともに、多額の建設国債に依存するものになっているからであります。
低所得者ほど負担が重くなる消費税は最悪の不公平税制であり、廃止すべきは当然でありますが、食料品など生活必需品の完全非課税化や、議会制民主主義と政党政治の根幹をなす政党機関紙への課税などは直ちに中止すべきであります。我が党は、さきに納税者の権利を明らかにした納税者憲章の制定を提唱したところでありますが、この理念を踏まえ、政府は納税者の民主的権利を保障すべきであることを強く主張いたします。
最後に、金権腐敗政治を一掃する問題であります。
相次ぐ金権腐敗疑惑は、企業の政治献金を野放しにしてきた自民党政治の構造的腐敗に根源があります。したがって、金権腐敗政治をなくすための最も重要なかぎは、我が党がかねてから主張しているように、企業、団体からの献金を全面的に禁止することであります。さらに、疑惑の徹底的解明が重要であることは言うまでもありません。本院予算委員会におけるリクルート、共和、佐川急便疑惑に対する自民党の証人喚問拒否の姿勢は断じて容認できません。しかも、今提起されている一連の疑惑は、まさに予算の編成及びその執行権者である宮澤首相みずからにかかわる重大な問題なのであります。この真相を国民の前に徹底解明するのは、国会、とりわけ予算委員会の重大な責務であります。この予算審議の終結までに証人喚問が実現しなかったことは、国民の声に全く背を向けるもので、まことに遺憾であります。
以上、宮澤首相並びに自民党の責任を厳しく指摘をして、私の反対討論を終わります。(拍手)