町村信孝の発言 (平成四年度一般会計予算外二件両院協議会)

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○町村信孝君 それでは、参議院の御意見に対しまして、衆議院の見解をごく簡潔に申し上げたいと思います。
 第一は、平成四年度の公共事業関係費についてでありますが、公共投資基本計画の考え方に沿って着実に社会資本整備を進めているところであり、また、あわせて景気にも配慮して、生活関連重点化枠などを通じ国民生活の質の向上に結びつく分野にできる限り配慮しているところであります。
 この結果、環境衛生の六・六%を初めとして、住宅、下水道、公園等の生活関連事業費の伸び率は、一般公共事業費の伸び率五・四%を上回る伸び率となっているところであります。
 また、公共事業関係費につきましては、これら生活関連事業以外にも、道路、治山、治水、農業農村整備などの重要な政策的使命を有する事業も多く、それらの社会資本整備に対しても引き続き大変強い要望が各地域からあることを勘案いたしますときに、急激にその配分を変更することは困難であります。しかし、例えば、住宅、下水道、環境衛生の分野の一般公共事業に占める割合を中長期的に見てみますと、昭和四十年度の九%から平成四年度には実に二八・五%と大きく変化をしてきておりまして、今後とも中長期的観点から重点的、効率的な配分に努める必要があると考えております。
 第二の社会保障関係費につきましては、二十一世紀に向かって活力ある福祉社会を形成していくため、給付と負担の適正化等を図ることによりまして、将来にわたって安定的かつ有効に機能する制度を構築していく必要があります。
 このような観点から、今回、政府管掌健康保険制度等の制度改革を行ったところでありますが、今回の見直しは、社会保障負担の軽減と給付面における所要の改善等を伴うものであり、これにより予算の社会保障関係費の伸び率を若干は低下させている側面もありますが、他方、社会保障の給付面等ではむしろ改善が図られているのであります。
 また、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の第三年目として、在宅福祉等の事業量の確保、ホームヘルパーの処遇改善、福祉の人材確保等、真に必要な施策についてきめ細かい配慮を行っているところであります。
 この結果、社会保障関係費は十二兆七千三百七十四億円で、一般歳出の主要経費の中で最大の額であり、また、前年度当初予算に対する増額も五千二百四十六億円となっておりまして、この額も従来に引き続き、一般歳出の中で最大のものとなっているのであります。
 第三の防衛関係費につきましては、平成四年度は中期防の第二年度目として必要最小限の経費を計上しているところであり、前年度当初予算に比べ三・八%の伸びで、これは昭和三十五年度以来の低い伸びに抑制されております。また、この増加額の内訳は、先ほど申し上げましたように、ほとんどが過去に契約したものの歳出化経費と隊員の人件費、糧食費といったいわゆる後方経費でありまして、艦艇、航空機などの正面経費は、前年度に比べ三・七%減と二年連続で削減されており、厳しい財政事情と冷戦時代後の国際情勢とを十分反映した妥当な規模となっております。
 また、防衛力のあり方については、長期的視点に立ち、防衛力全般につき幅広く検討する必要があり、短期間に結論を得ることは困難であると思われますが、検討の結果によっては、防衛計画の大綱の別表等の修正につながり得ることは、政府より今国会でもお答えをしたとおりであります。
 中期防衛力整備計画の修正については、同計画策定後の国際情勢の大きな変化等を見きわめつつ、前広に所要の検討に着手したところであり、その経費規模については、平成四年度予算案に対する修正共同要求への回答のとおり、さらに下方修正の方向で検討を進めたいと考えているところであります。
 第四の所得税減税につきましては、先般の税制抜本改革において大規模な減税を実施したところであり、また、我が国の所得税は、主要諸外国と比較しても課税最低限が高く、また最低税率が比較的低いことから、納税者の大半を占める中・低所得者層の所得税負担が相当低い水準にあること、さらに、給与に係る源泉所得税のウエートは、抜本改革前の昭和六十一年度の二一・八%より二%以上低いこと、家計調査における勤労者世帯の可処分所得は堅調に増加してきていることなどを勘案し、加えて現下の厳しい財政状況を考えるとき、現状では所得税減税を行う環境にはないものと考えております。
 次に、地価税創設に伴う純増収分についてでありますけれども、現下の財政事情等を考慮すれば、土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが現実的には適当であるとの考え方に基づいて、各般の土地対策等の充実強化を図っているところでございます。
 第五の財政再建についてでありますが、平成四年度予算においては、まず既存の制度、施策について見直しを行うなど歳出の徹底した節減合理化に努め、一般歳出についてはその増加額を前年度同額以下とするなど、可能な限りの努力を払った上で、なおかつ、現下の景気動向等に対応するため、当面のやむを得ざる措置として、建設公債発行額の増加を行うこととしたところであります。
 今後の中期的な財政運営については、社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していくために、高齢化社会に多大な負担を残さず、二度と特例公債を発行しないことを基本として、公債依存度の引き下げ等により、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていく必要があり、今後とも、このような中期的財政運営の努力目標に沿って制度、施策の見直しを行うなど、引き続き財政改革を推進していかなければならないと考えております。
 以上申し上げましたとおり、衆議院といたしましては、可決した本予算を最良、最善のものと考えております。参議院におかれましても、本予算につきまして速やかに御賛同いただきますようにお願いを申し上げます。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 町村信孝

speaker_id: 34906

日付: 1992-04-09

院: 両院

会議名: 平成四年度一般会計予算外二件両院協議会