船田元の発言 (物価問題等に関する特別委員会)

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○船田国務大臣 我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的考え方につきましては、先の経済演説において明らかにしたところでございますが、本委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと思います。
 世界経済の動向を見ますと、アメリカ経済にこのところ明るさが見られ始めておりますものの、西欧諸国の景気は総じて停滞しており、また、旧ソ連地域、中・東欧諸国では、一部に明るさも見られるものの、総じて困難な状況が続いております。
 我が国経済の動向を見ますと、住宅投資に回復の動きが見られ、公共投資も堅調に推移しておりますが、個人消費、設備投資を中心に低迷をしており、資産価格の下落もあって、厳しい状況に直面しております。一方、経常収支黒字は、引き続き前年水準より大幅に拡大しております。
 こうした状況に対処するため、政府は、昨年三月の緊急経済対策に引き続き、昨年八月に史上最大規模の内需拡大策と金融面での諸施策を含む総合経済対策を決定し、政府一丸となってその円滑な実施を図っているところでありますが、現下の経済動向を勘案しますと、平成四年度の実質経済成長率は一・六%程度にとどまるものと考えております。
 以上のような状況を踏まえ、私は、平成五年度の経済運営に当たりましては、特に次の諸点を基本としてまいりたいと考えております。
 第一は、我が国経済を、内需を中心とするインフレなき持続可能な成長経路へできるだけ早く円滑に移行させることでございます。
 このため、平成五年度予算においで、公共投資の積極的な拡大、住宅投資促進策の拡充など、国、地方を通じて景気に十分な配慮を行うことといたしました。特に、公共投資につきましては、国の公共事業のほか、財政投融資計画、地方単独事業について、いずれも近年最大の伸び率を確保いたしました。
 補正予算も昨年十二月に成立したところであり、本年は、年初から総合経済対策の効果が本格的に発現してくるものと考えられます。これに平成五年度予算の効果が重なることにより、来年度における政府投資額は、平成四年度補正後の実績見込み額に対して九・五%増と高い伸びが見込まれます。
 また、金融面では、先般第六次の公定歩合の引き下げが行われたところでありまして、市中金利に加え、貸出金利の低下が一層促進されることを期待しております。
 こうした財政、金融両面からの措置の効果を踏まえれば、公共投資や住宅投資が成長を牽引する中で、個人消費や設備投資も徐々に回復に向かうものと期待され、我が国経済は、民間部門の自助努力とも相まって、内需を中心とするインフレなき持続可能な成長経路へと円滑に移行していくものと考えます。この結果、平成五年度の実質経済成長率は三・三%程度になるものと見込まれます。
 政府といたしましては、今後とも、景気動向を注視しつつ、主要国との経済政策の協調にも配慮しながら、適切かつ機動的な経済運営に最大限の努力を傾注してまいります。
 物価の安定は、国民生活安定の基礎であることはもちろん、消費者の先行きへの信頼感を強めるものであります。平成五年度においても、物価は引き続き安定的に推移し、消費者物価は二。一%程度の上昇になるものと見込まれます。今後とも、原油価格、為替レート、国内需給等の動向を十分注視しつつ、物価の安定の維持に最善の努力を尽くしてまいります。
 第二は、「生活大国五か年計画」に沿って、生活大国の実現を目指すことであります。
 本年は、生活大国の実現に向け、本格的な第一歩を踏み出す年であると考えており、平成五年度の予算において、生活に関連した分野に公共事業関係費の重点配分を行うなど、生活大国づくりに十分配慮いたしました。
 今後とも、生活に関連したものに重点を置いた社会資本の整備、勤労者世帯の平均年収の五倍程度を目安に良質な住宅の取得が可能となることを目指しました総合的な土地対策と住宅対策、年間総労働時間千八百時間の達成に向けた労働時間の短縮のための施策、内外価格差の是正、縮小などの各般の施策を政府一体となって強力に推進してまいります。
 また、ゆとり、安心、多様性のある国民生活を実現するため、個人生活重視の視点に立って、現在の制度、慣行の見直しを進めるとともに、消費者保護会議で決定した施策を積極的、総合的に推進してまいります。特に、製造物責任制度を中心とした総合的な消費者被害の防止や救済のあり方につきましては、昨年の国民生活審議会答申の趣旨を踏まえて、政府として、製品特性等も考慮しつつ、精力的に検討を進めてまいります。同審議会においては、さらなる検討結果を本年中には取りまとめていただきたいと考えております。
 第三は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済の活性化への積極的貢献を行っていくことでございます。
 このため、OTO、すなわち市場開放問題苦情処理推進本部の活動の強化等を通じて市場アクセスの一層の改善を図るとともに、ウルグアイ・ラウンドの成功に向けて一層の努力を行ってまいります。また、人口、難民等の地球的規模の課題も念頭に置き、政府開発援助大綱に基づいて、環境と開発の両立、軍事用途への使用回避などに留意しつつ、途上国援助の拡充と、より適切な推進を図ってまいります。
 さらに、経済情勢等に関して各国との対話を推進するなど、各国、各地域との関係を一層拡大、強化するよう努めてまいります。加えて、旧計画経済諸国についても、最近の政治経済情勢の動きも踏まえつつ、適切な知的支援等に努めてまいります。
 今日の内外情勢には予断を許さないものがありますが、私は経済運営に誤りなきを期し、現下の厳しい経済状況の克服と、二十一世紀を見据えた生活大国の実現を目指して最大限の努力を行ってまいります。
 本委員会の御支援と御協力を切にお願い申し上げる次第であります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 船田元

speaker_id: 31837

日付: 1993-02-23

院: 衆議院

会議名: 物価問題等に関する特別委員会