粕谷茂の発言 (本会議)
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○粕谷茂君 ただいま議題となりました平成五年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
この予算三案は、去る一月二十二日本委員会に付託され、同月二十七日林大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、翌二十八日から質疑に入り、公聴会、分科会を行い、本三月六日討論、採決をいたしたものであります。
まず、予算の概要について申し上げます。
平成五年度一般会計予算の規模は七十二兆三千五百四十八億円であり、前年度当初予算に対し〇・二%の増加となっております。
歳出のうち、国債費及び地方交付税交付金等を除いた、一般歳出の規模は三十九兆九千百六十八億円であり、前年度当初予算に対し三・一%の増加となっております。
歳入のうち、租税及び印紙収入は六十一兆三千三十億円が見込まれております。また、公債の発行額は、前年度当初予算より八千五百億円増の八兆一千三百億円の発行を予定いたしております。この結果、公債依存度は一一・二%となっております。
特別会計及び政府関係機関予算につきましても、財源の重点的、効率的配分を行い、事業の適切な運営を図ることとしており、その数は、三十八及び十一で、ともに前年度と変わりありません。
なお、財政投融資計画の規模は四十五兆七千七百六億円であり、前年度当初計画に対し一二・二%の増加となっております。
次に、質疑について申し上げます。
質疑は、国政の全般にわたって行われたのでありますが、その主なものについて申し上げます。
第一に、景気対策について、「今回の複合不況は、時がたつにつれて実体経済にも影響が及び、今や極めて深刻な事態に立ち至っている。昨年は、御承知のとおり、三・五%の経済成長と見ていたが、一・六%成長という下方修正がなされた。総理や経済企画庁長官の発言を伺っていると、在庫調整の底打ち、景気が底を打つ、回復の兆しが出てくるという、この時期の判断を何回か誤っている。これは少なくとも結果的には経済運営の失敗であり、政府の景況観の甘さ、実体経済の分析の甘さ、後手後手になった経済政策等々に起因するものである。昨年の轍を踏まないという観点から、政府は現時点において景気の実態をどう見ているのか、今後の経済の見通しをどのように展望しているのか」との趣旨の質疑があり、これに対し宮澤首相及び船田経済企画庁長官から、「在庫調整の具体的時期の判断について、見通しが十分でなかったということは認めなければならないと思うが、政府としては、昨年三月に緊急経済対策、八月には総額十兆七千億円規模の総合経済対策、そして平成五年度予算においても、公共投資の着実な実施を初めとして、景気に十分配慮した予算編成を組んでおり、これで経済の地合いはかなり変わっていく。在庫整理の終了あるいは金融機関、証券市場等も多少ずつは整理がついているので、個人消費、設備投資についても徐々に回復に向かっていくことが見込まれ、三・三%程度の成長は、我々の目標として手の届くところにあるものと考えている」旨の答弁がありました。
第二に、PKO及びカンボジア情勢についてであります。
「PKFを凍結して、昨年PKO法案が成立した。まずカンボジアにおけるPKO活動を成功させる、これが第一義的であって、現在の時点ではアジアや日本の国民世論を慎重に見守る、そういうときではないか。したがって、PKFの凍結解除は、今の段階では考えることは時期尚早である。総理の見解を改めて承りたい」との趣旨の質疑があり、これに対し宮澤首相から、「三年後には法律の見直しということもあるが、まずどういう種類の平和協力活動であるかということをよく国民に納得していただいて、そういう世論の支持というものをやはり熟したものにしておく必要がある。したがって、三年後の見直しについて予断を持たずに、もう少しこの経験を積み重ねていきたい」旨の答弁がありました。
次に、「プノンペン政府がポル・ポト派に対して先月末以来攻撃を開始している。この事態はPKO協力法の中に盛られている五原則に照らしても、これは重要な対応が迫られていると思うかどうか」との趣旨の質疑があり、これに対し宮澤首相及び渡辺外相から、「予想外の事態が発生したことを非常に心配をしている。しかしながら、パリ協定は遵守する、破られていないということは、ポル・ポト派も言っている。一万プノンペン政府も、自分たちの地域に侵略されたのを奪還するために行ったもので、和平の枠組みは壊れていないと考えている。また、大使からは、全体として大きな衝突に発展する意思をフン・センもクメール・ルージュも持っているわけではないとの判断を伝えてきている。まず今としてはその判断を尊重してよかろう。しかし、現地の状況の変化には絶えず注意を払っていく」旨の答弁がありました。
第三に、政治改革について、「総理は、施政方針演説の中で、東京佐川急便事件を契機として国民の政治に対する不信感が広まっていることはまことに遺憾なことで、真相解明が重要であることはもちろんだが、政治改革を推進し、国民の前に目に見える具体的な成果を上げることが肝要などの趣旨の表明をされましたが、この際、国民の前に佐川疑惑解明に向けての決意を、あるいは政治改革にどう取り組もうとしているのか、伺いたい」との趣旨の質疑があり、これに対し宮澤首相から、「非常に国民の不信は深い。したがって、政治家一人一人の倫理の問題でもあるが、やはり制度の問題でもある。さきの国会で緊急改革について成立をさせていただいたが、何とか抜本改革もいたさなければならない。自由民主党としては既に基本方針を決めた。法案の作成が今急がれているが、やはり倫理観を担保するような制度上の改革、これは場合によっては、選挙区のあり方にも関係をするが、それをぜひ抜本改革の形でやらせていただきたい。基本が一人一人の倫理観であるということは、まことに異議のないところである」旨の答弁がありました。
なお、東京佐川問題について、二月十七日、証人から証言を求めました。
以上申し述べましたほか、クリントン新政権と日米関係、北方領土と日ロ関係、ガリ国連事務総長提案等我が国の国際貢献のあり方、我が国の戦後処理とアジア外交のあり方、政府開発援助のあり方、アジア情勢から見た我が国防衛政策のあり方、防衛計画の大綱の見直し、次期支援戦闘機の日米共同開発、皇太子殿下の御成婚、国立大学等における研究・教育環境の改善と文教予算の拡充、消費税の見直し、地方財政政策、地方分権のあり方、所得税減税問題、円高問題への対応、中小企業対策、雇用不安の解消、労働時間短縮の推進、高齢化社会への対応と出生率の低下、エイズ対策の拡充、輸入食品の安全性と残留農薬、水道水の安全性、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉、林業及び中山間地域の活性化、プルトニウム輸送と我が国の原子力政策、平成五年釧路沖地震災害対策等について質疑が行われましたが、その詳細については会議録によって御承知願いたいと存じます。
かくて、本日質疑終局後、日本共産党から平成五年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、趣旨の説明が行われました。
次いで、予算三案及び動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党から政府原案に賛成、動議に反対、日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議及び民社党から、それぞれ政府原案及び動議に反対、日本共産党から動議に賛成、政府原案に反対の意見が述べられました。
討論終局後、採決の結果、日本共産党提出の動議は否決され、平成五年度予算三案は、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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