東中光雄の発言 (本会議)

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○東中光雄君 私は、日本共産党を代表して、九三年度総予算三案に反対の討論を行います。(拍手)
 深刻な不況のもと、九三年度の国家予算は、何よりも国民の立場からの抜本的な不況対策を打ち立てることが求められております。
 この不況は、我が国全事業所の九九%を占める中小企業の経営と勤労国民の生活を直撃しているのであります。日本共産党は、不況に苦しむ中小企業への抜本的な援助、対策と大企業の横暴への規制を行い、所得減税等によって、GNPの六割を占める個人消費の拡大を行うことを繰り返し要求してまいりました。これこそ景気回復の本筋であります。
 ところが宮澤総理は、景気に十分配慮したと言って、大企業への手厚い配慮に終始しているのであります。政府の景気対策は、相変わらず大型プロジェクト中心の公共事業の増額であり、不良資産買い上げ会社を通じての大銀行くの減税など、大銀行、大企業に対する手厚い対策なのであります。私は、不況対策といえば大企業へのてこ入れという従来型の政府不況対策に強く反対するものであります。(拍手)
 次は、国民への減税についてであります。減税は、最も確実な内需拡大策であり、景気回復に重要な効果を持つことは明らかであります。日本共産党は、二兆円の所得減税とパート・住宅・教育減税などの政策減税、あわせて政府・自民党が国民に公約した消費税の食料品非課税の緊急実施を求めてまいりました。政府は、財源問題を理由に、みずからの公約さえ踏みにじって減税を拒否しています。まことに言語道断であります。財源は十分あります。四兆六千億円にも膨らんだ軍事費を半減させる、また大企業優遇の不公平税制にメスを入れることなどで財源は十分確保できます。赤字国債の発行は、財政危機を一層深刻にし、消費税率を引き上げる、それに口実を与えるものであります。断じて認めることはできません。(拍手)
 次は、中小企業対策であります。年々削減されてきた中小企業対策費を倍加し、激甚災害融資並みの低利、長期の緊急融資制度を創設し、中小企業向け官公需発注をふやすことが求められます。中小企業への官公需発注は、低下の一途であります。今、国と地方自治体の中小企業への発注率を一九八一年度の水準に戻すだけで、中小企業に二兆数千億円の仕事を回すことになります。我が党はその実現を強く求めるものであります。
 また、公共投資のやり方も問題です。大型プロジェクトで直接潤うのは大企業だけです。住宅、下水道、都市公園などの国民生活密着型の公共投資に転換して中小企業の仕事をふやし、国民生活の土台を豊かにすることが必要であります。これらは、政府が決断すれば、すぐにでも実行可能なことであります。なぜやらないんでしょうか。(拍手)
 最近の日産自動車の座間工場閉鎖計画など大企業の合理化計画は、不況に追い打ちをかけるものです。我が党の不破委員長が追及したように、自動車、電機の大企業は海外に進出してどんどん生産をふやし、国内では、不況だと言って生産を縮小し、労働者の賃金を抑え、人員削減、配置転換、出向、下請切り捨てなど合理化を強行しています。国内での生産を減らし、海外に進出して大もうけを確保する、こんな身勝手な大企業の横暴は絶対許されません。この大企業に税制や金融などの優遇措置で後押ししてきた自民党政治の責任はまことに重大であります。政府が従来の姿勢を根本的に転換をして、国内産業を空洞化させ、下請中小企業を切り捨てる大企業の海外進出を規制することを強く求めるものであります。(拍手)
 予算に反対する第二の理由は、生活大国とか地方分権を言いながら、臨調・行革審路線で、一層本格的な福祉、教育の切り捨て、地方自治体への負担押しつけを進めようとしていることであります。
 生活保護費は四年連続カット、国民年金保険料は年々値上げ、その上、政府は、国保や保健所、教育などの国庫負担金、補助金約一千五百億円を、一般財源化などと称して地方自治体に押しつけてきました。
 教育では、三十五人学級の実現を見送った責任は重大です。今国会に提出されている二千五百万人に上る請願、父母や教職員の切実な願いを踏みにじるものであり、国立大学や公立高校の入学金は引き上げ、私学助成は抑制、実質マイナスであります。世界一高い学費と貧困な教育研究条件は断じて放置するわけにはまいりません。学費値上げに歯どめをかけ、私学助成を大幅に増額して、教育の機会均等を保障することを強く要求するものであります。(拍手)
 米問題で政府はなぜ、自由化ノーの断固とした姿勢をとらないのですか。政府の新政策は、十ヘクタール以上の大規模農家だけを育成するものです。稲作の場合、この規模の農家は青森で十九戸、広島で四戸、東京、大阪、神奈川等十三都道府県は一軒もありません。米輸入自由化を前提にして九割の農家を切り捨てる新政策を撤回させ、史上最低の四六%まで落ち込んだ食糧の自給率の向上と日本農業の再建にこそ踏み出すべきであります。
 反対の第三の理由は、世界の流れに反して軍事費を拡大し、国際貢献の名のもとに自衛隊のPKO派兵を進め、ODAを突出させるなど、憲法違反のアメリカ貢献、安保強化をさらに進めようとしていることであります。
 宮澤総理は、「冷戦の終了」、国際情勢の変化を受けて、軍縮の重要性は高まっていると言いながら、軍事費をまた二・〇%も拡大しています。中期防衛力整備計画を修正、削減したと言いますが、依然として今後三年間、毎年二%以上の軍事費増を続けていく計画であります。軍縮どころか軍拡計画ではありませんか。
 内容を見てみても、一機五百七十億円もするAWACS、空中警戒管制機二機を初めイージス艦、大型輸送艦など最新鋭兵器を増強し、米軍思いやり予算は一五・三%も増額をしています。在日米軍への日本の経費負担は、米兵一人当たり何と年間千三百九十四万円にもなるのであります。まさにアメリカの世界戦略に組み込まれた対米従属の軍拡予算であります。
 世界の各国が軍縮、兵力削減に踏み出し、また、ソ連の脅威という、自民党政府にとっての唯一の軍拡の口実が名実ともに崩壊した今、中期防の撤廃、大胆な軍縮政策で、世界的な平和、軍縮の流れの強化に積極的に貢献すべきであります。安保条約を解消し、米軍基地の撤去を求めるべきだと思います。(拍手)
 カンボジアヘの自衛隊派兵は、憲法はもとより、今やPKO法にさえ違反していることは明白です。国連自身が、停戦違反が続出し、パリ協定に基づく停戦第二段階の実施はほぼ不可能、こうしているのであります。派遣部隊は直ちに撤収すべきであり、カンボジア派遣費用は削除すべきであります。
 現職の副総理・外務大臣が公然と、海外派兵の拡大やそのための解釈改憲あるいは明文改憲を主張し、与党自民党や野党の一部から一斉に改憲論が行われているのは、極めて重要であります。
 改憲論者は、憲法が国際情勢に合わなくなった、古くなったと言いますが、とんでもありません。二十世紀は二度の世界大戦の戦禍とその反省から、国連憲章に見られるように、国際紛争は、武力によらず平和的に解決することを国際的に義務づけることになったのであります。日本国憲法の平和原則は、この人類の進歩をさらに発展させるものであり、人類史上、最も先駆的なものであります。国際貢献の名であれ、武力行使が公然とできるように憲法を改正せよというのは、改革どころか逆戻りであり、歴史の進歩ではなく、反動であります。我が党は、憲法の平和的、民主的原則を崩そうとするいかなる改憲論にも強く反対するものであります。日本は、憲法に沿って、非軍事、平和の方法で世界平和に積極的に貢献する道を進むべきであります。
 さて、佐川・暴力団疑惑の真相解明は、中途半端に終わらせることのできない国政上の緊急重要課題です。予算委員会の審議、証人喚問は、時間の制限、証人の限定などのために極めて不十分ではありましたが、これらの尋問を通じて、佐川・暴力団疑惑は一層深まっております。金丸、生原両氏など必要な証人喚問を直ちに実施し、特別委員会を設置し、史上最大の、最悪の疑惑の徹底的調査を行うことが必要であります。
 そして、政治の現状を改革していく上で、金権政治の根源である企業・団体献金の禁止と、国会決議に基づく現行中選挙区制のもとでの定数の抜本是正は、回避の許されない課題であります。政治改革の名で選挙制度を変え、単純小選挙区制の導入を行うなどというのは、自民党の一党支配、憲法改悪への道を進めようとするものであり、断じて容認することはできません。(拍手)
 最後に、本予算審議において、佐川事件の証人喚問や予算の修正をめぐって、自民党と社会、公明、民社三党の協議が繰り返されました。重大なことは、自社公民四党の協議中は予算委員会を空転させ、決裂すると自民党が単独で審議を強行するという、国会の私物化ともいうべき議会制民主主義じゅうりんが行われたことであります。私的な政党間の協議の結論を予算委員会に問答無用とばかりに押しつけるというやり方は、まさに自社公民四党自身もその非を認め、国民的批判が集中しているいわゆる密室協議、国対政治そのものではありませんか。私は、ここに改めて厳しく糾弾するものであります。(拍手)
 我が党は、国民の立場からの不況対策の実現、国民生活の向上、金権疑惑の解明と企業献金の禁止、憲法改悪阻止のために、引き続き全力を尽くすものであることを表明をして、反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 東中光雄

speaker_id: 13883

日付: 1993-03-06

院: 衆議院

会議名: 本会議