塩川正十郎の発言 (本会議)
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○塩川正十郎君 冒頭、昨日、徳仁親王殿下と小和田雅子さんの納采の儀が滞りなく行われ、まことにおめでたく、心から慶賀の意を表します。(拍手)
このたびの正式の御婚約により、御結婚の儀が六月の九日に行われることに相なりますが、お二人におかれましては、何とぞよき皇室の伝統を継承され、国の内外から親しまれ、幸せな御家庭を築いていただきますことを心から祈念申し上げます。(拍手)
公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案、以上四件につきまして、趣旨とその内容の概略を御説明申し上げます。
まず、我が党が抜本的な政治改革を目指すこれら四法案を提出するに至った基本的な考え方について申し上げたいと存じます。
政治は、国民の信頼がなければ成り立ち得ません。「政治と金」の問題に端を発した国民の政治不信は、今やその頂点に達しており、議会制民主主義の土台を揺るがしかねない深刻な事態に立ち至っております。
一方、今我が国は、二十一世紀を目前に控え、これまで通用してきたもろもろの制度の改変が迫られております。とりわけ、特定のイデオロギーを挟んで政党の対立が続いた時代は過ぎ去り、自由主義と民主主義を基盤とする政党間で、政策の競い合いを通じ政権交代を可能とする新たな政治システムの構築が求められております。
一日も早く国民の政治に対する信頼を回復し、活力ある健全な議会制民主政治を揺るぎないものとするためには、今こそ、政治構造の根源にさかのぼった抜本的な政治改革を断行しなければならないと考えるのであります。
「政治と金」をめぐる問題や政治家のあり方の問題に関して国民の不信を招かないようにするためには、何よりも政治家個々人の政治倫理の確立が重要であることは申すまでもありませんが、それとともに、制度面の見直しも不可欠であります。
現在のような中選挙区制のもとでは、政権政党を目指す限り、同一選挙区で同一政党の候補者問の同士打ちが避けられず、選挙は政策本位というよりも候補者のサービス競争になりがちであります。このため、選挙や政治活動も、またそれに要する政治資金の調達も、候補者個人が中心となって行わざるを得ない状態になっております。このような個人中心の選挙制度を残したままでは、「政治と金」の問題の根本解決にはなりません。
また、この制度における与野党の勢力も長年固定化し、政権交代の可能性を見出しにくくなっており、これが政治の活力をそいでいるのが現状であります。
このため、我が党は、衆議院の選挙制度について、民意を総括的に集約した形で反映し、安定した政策遂行能力と不断の緊張感を政権に与える単純小選挙区制に改めることを決断するとともに、その改革とあわせて政治資金も政党中心に調達する仕組みとし、透明性を高める等の政治資金制度の改革、さらに政党に対する公的助成制度の創設を一体として実現することとし、関連四法案を提出するに至った次第であります。(拍手)
以下、四法案について御説明いたしますが、初めに、公職選挙法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この改正法案は、政策本位、政党中心の選挙を実現するため、衆議院議員の選挙について、小選挙区制を導入することとし、総定数、候補者届け出政党の要件、政党の選挙運動等に関する規定を整備し、あわせて、連座制の強化、政治活動用ポスターの規制の強化等を行うことといたしております。
以上が、この法律案の趣旨であります。
次に、この法律案の内容の概要につきまして御説明申し上げます。
まず第一は、衆議院議員の選挙制度に関する事項であります。
その一は、選挙制度の基本的仕組みとして小選挙区制を採用することといたしております。
その二は、衆議院議員の定数について、五百人とすることといたしております。
その三は、衆議院議員の選挙区について、別に法律で定めるものとし、各選挙区において選挙すべき議員の数は一人とすることといたしております。
その四は、投票についてであります。衆議院議員の選挙の投票については、候補者の氏名が印刷された投票用紙に○の記号を記載して投票する記号式投票の方法によることにいたしております。
その五は、立候補についてであります。衆議院議員の選挙における候補者の届け出については、所属国会議員五人以上を有すること、直近における衆議院議員の総選挙もしくは参議院議員の通常選挙の得票率が百分の三以上であること、または当該選挙において所属候補者を五十人以上有することのいずれかに該当する政党その他の政治団体が行うことができるほか、本人届け出または推薦届け出もできることといたしております。
また、一定の要件に該当する政党その他の政治団体の候補者の選定の手続の届け出、供託等に関し、所要の規定を整備することといたしております。
その六は、当選人について有効投票の最多数を得た者をもって当選人とすることといたしております。ただし、有効投票の総数の四分の一以上の得票がなけれはならないとするものであります。
その七は、再選挙等特別選挙についての規定を整備することといたしております。
その八は、選挙運動についてであります。衆議院議員の選挙においては、候補者個人のほかに、候補者届け出政党についても選挙運動を認めることといたしております。具体的には、候補者届け出政党は、原則として候補者を届け出た都道府県ごとに当該都道府県における届け出候補者の数に応じて、自動車の使用、文書図画の頒布及び掲示、新聞広告、政見放送等を行うことができることといたしております。また、今回、候補者個人について立会演説会を復活することといたしております。
その九は、政党その他の政治団体等の衆議院議員の選挙における政治活動に関する規定等を整備することといたしております。
その十は、選挙訴訟及び当選訴訟に関する規定を整備することといたしております。
その十一は、候補者の選定権限の行使に関し、請託を受けて、財産上の利益を収受した者等について罰則を設けることその他罰則に関し所要の規定を整備することといたしております。
第二に、衆議院議員の選挙区と都道府県議会の議員等の選挙区の調整に関する事項であります。
都道府県の議会の議員または指定都市の議会の議員の選挙区とされている一の郡・市または一の区の区域が二以上の衆議院議員の選挙区に属する区域に分かれている場合には、当該各区域を郡市または区の区域とみなすことができることといたしております。
第三に、連呼行為に関する事項でありますが、運行中の選挙運動用自動車等の上において、選挙運動のための連呼行為をすることができないことといたしております。
第四に、公職の候補者等及び後援団体の政治活動のために使用されるポスターの掲示の禁止に関する事項であります。
公職の候補者等の氏名等または後援団体の名称を表示するポスターについては、選挙ごとに一定期間これを掲示することができないことといたしております。
第五に、予想報道等に関する事項であります。
選挙が選挙人の自由に表明される意思によって公明かつ適正に行われることを確保するため、選挙に関する公職につくべき者の予想報道等については、慎重に配慮しなければならないことといたしております。
第六に、連座制に関する事項であります。
立候補予定者の親族並びに候補者及び立候補予定者の秘書を連座制の対象とするとともに、当選無効に加えて、連座裁判の確定等のときから五年間、立候補制限を課することといたしております。なお、この立候補制限については、連座制の対象となる者の行為がおとりまたは寝返りによるものであるときは、連座制は適用しないことといたしております。
第七に、罰金額の引き上げを行うことといたしております。
なお、この法律は、衆議院議員の選挙区に関する法律の規定が適用される最初の総選挙から施行することといたしておりますが、政治活動用ポスターの掲示、予想報道等及び罰金額の引き上げに関する事項は、この法律の公布の日から起算して三月を経過した日から、衆議院議員の選挙区と都道府県議会議員等の選挙区の調整、連呼行為及び連座制に関する事項は、衆議院議員の選挙区に関する法律の公布の日から施行することといたしております。
次に、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案について御説明申し上げます。
衆議院議員の選挙区の改定に関し調査審議し、その改定案を作成して意見を提出させるため、衆議院に衆議院議員選挙区画定委員会を設置しようとするものであります。
以上が、この法律案の趣旨であります。
次に、この法律案の内容の概略について御説明申し上げます。
第一に、設置及び所掌事務に関する事項であります。
この委員会を衆議院に置くものとし、委員会は、衆議院議員の選挙区の改定に関し調査審議し、必要があると認めるときは、その改定案を作成して衆議院に意見を提出することといたしております。
その改定案の作成に当たっては、総定数を、まず都道府県に一人ずつ基礎配分し、残りを人口に比例して都道府県に配分することとし、また、各選挙区間の人口の格差が一対二以上にならないようにすることを基本とし、行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行うことといたしております。
なお、十年ごとの国勢調査が行われた場合における意見の提出は、その結果による人口が最初に官報で公示された日から一年以内に行うことといたしております。
第二に、組織及び委員に関する事項であります。
委員会は、委員七人以内をもって組織することとし、委員は、国会議員以外の者のうちから、衆議院の承認を得て、衆議院議長が任命することといたしております。
任期は、五年とし、委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないことといたしております。
第三に、資料の提出その他の協力等について所要の規定を設けております。
なお、この法律は、公布の日から施行することとし、最初の衆議院議員の選挙区の画定に係る意見の提出は、委員が任命された日から六月以内に行うことといたしております。
次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
この改正法案は、政治資金と密接な関連を有する選挙制度が政策本位、政党中心に改められることと軌を一にして、政治資金制度についても、政治資金の調達を政党中心にするとともに、政治家の資金面における公私の峻別の徹底を図り、あわせて、政治資金の透明性を高め、さらに政治資金についての規制の実効性を確保するための改正を行うものであります。
以上が、この法律案の提出の趣旨であります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
まず第一は、政治資金の調達を政党中心とするための改正であります。
その一は、選挙制度の改革と相まって、選挙や政治の活動が政策本位、政党中心となることに伴い、政治資金の調達も政党中心とするため、企業等の団体の寄附については、政治家が指定した二以内の資金調達団体に限り年間二十四万円を限度とした少額の寄附ができることとするほかは、政党に対するものに限ることといたしております。この場合における政党は、所属国会議員五人以上を有すること、直近における衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙の得票率が百分の三以上であることのいずれかに該当する政治団体といたしております。
なお、経過的に、五年間に限り、政党及び資金調達団体以外の者に対して寄附することができることとするとともに、資金調達団体に対しても年間二十四万円を超えて寄附ができるものとし、それぞれの限度を逓減する措置を講ずることといたしております。
その二は、政治資金の調達を政党中心とするため、寄附枠の区分を改め、政党に対する寄附枠を独立させるとともに、企業等の団体の政党に対する寄附枠の限度を現行の二倍といたしております。また、政党以外の者に対する寄附枠については、その限度を、個人の寄附にあっては政党に対する寄附枠の二分の一、企業等の団体の寄附にあっては政党に対する寄附枠の四分の一といたしております。
第二は、政治家の資金面における公私の峻別の徹底のための改正であります。
政治家の資金面における公私の峻別を徹底するため、政治家は原則として金銭等による政治活動に関する寄附を受けてはならないものとし、政治家の政治資金はその資金調達団体で取り扱うことといたしております。これに伴い、指定団体及び保有金の制度は廃止することといたしております。
また、政党中心の政治資金制度の確立に資するため、政治家間の資金提供を禁止することとし、その実効性を確保するため、政治家間のみならず、政治家の資金調達団体とそれ以外の政治団体との間の資金提供を禁止することといたしております。
第三は、政治資金の透明性の強化等のための改正であります。
その一は、政治家がその者のために政治資金の拠出を受けることができる政治団体として資金調達団体を二つ以内に限り指定することができることとし、政治資金の拠出を受けることができる政治団体の数を制限いたしております。
その二は、政党以外の政治団体に対する寄附の公開基準を現行の年間百万円超から、資金調達団体については、企業等の団体の寄附にあっては年間十二万円超、その他の寄附にあっては年間六十万円超に、また、資金調達団体以外の一般の政治団体については年間一万円超にそれぞれ引き下げることといたしております。
なお、政党に対する寄附の公開基準については、事務処理の簡素化を図るため、現行の年間一万円超から年間十万円超に改めることといたしております。また、政治資金パーティーの対価の支払いの公開基準については、一の政治資金パーティー当たり現行の百万円超から六十万円超に引き下げることといたしております。
第四は、政治資金の規制の実効性を確保するための罰則の強化に係る改正であります。
政治資金の規制の実効性を確保するため、罰金額の引き上げを行うとともに、企業等の団体の役職員または構成員が、政治資金規正法違反をしたときは、その行為者のほか、その団体に対して刑罰を科することといたしております。
また、政治資金規正法違反の罪により禁錮の刑に処せられその刑の執行猶予中の者は、公職選挙法に規定する選挙権及び被選挙権を有しないことといたしております。
以上のほか、政党の名称を保護するため、これと同一の名称またはこれに類似する名称を他の政治団体が使用することができないことといたしております。
また、法人が政党に対して寄附をした場合においては、当該寄附については、法人税の課税について特別の措置を講ずることといたしております。
なお、この法律は、選挙制度の改革と一体のものでありますので、原則として、衆議院議員の選挙区に関する法律の公布の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。
次に、政党助成法案について御説明申し上げます。
議会制民主政治における政党の機能の重要性にかんがみ、国が政党に対する助成を行う制度を創設することとし、これにより政党の政治活動の健全な発達を促進するとともに、その公明と公正を確保し、もって、民主政治の健全な発展に寄与しようとするものであります。
以上が、この法律案の提出の趣旨であります。
次に、この法律案の内容の概略について御説明申し上げます。
第一は、助成の対象となる政党についてであります。
政党助成の対象となる政党は、国会議員を五人以上有する政治団体または国会議員を有し、かつ、直近における衆議院議員の総選挙もしくは参議院議員の通常選挙のいずれかの選挙の得票率が百分の三以上の政治団体といたしております。
また、政党交付金の交付を受けようとする政党は、その年の一月一日現在で、所定の事項を自治大臣に届け出ることとし、その年中において衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙が行われた場合も同様の届け出を行うことといたしております。
第二は、政党交付金に関する事項であります。
政党交付金の総額は、直近の国勢調査の確定人口に二百五十円を乗じた額を基準として予算で定めることといたしております。
各政党に対して交付すべき政党交付金の額は、各政党の所属国会議員数及び国政選挙の得票数に応じて一月一日現在において算定した額とし、総選挙または通常選挙が行われた場合には再算定することといたしております。
第三は、政党交付金の使途の報告及び公表等の措置であります。
政党交付金については使途を制限しないこととし、各政党は政党交付金の使途を記載した報告書を提出し、これを公表することといたしております。
なお、収支報告書には、公認会計士または監査法人が行った監査報告書を添付しなければならないことといたしております。
第四は、政党の解散等に関する措置であります。
政党が合併または分割により解散を行った場合には、所要の措置を講ずることといたしております。
第五は、政党交付金の返還等の措置であります。
政党がこの法律に違反して政党交付金の交付の決定を受けた場合、政党が提出すべき報告書を提出しない場合などには、交付すべき政党交付金の交付を停止し、またはその返還を命ずることができることといたしております。
その他この法律の規定に違反する行為については、所要の罰則を設けるとともに、偽りその他不正な行為により政党交付金の交付を受けた場合には、その行為者のほか、政党に対して刑罰を科することといたしております。
なお、この法律は、選挙制度の改革と一体のものでありますので、衆議院議員の選挙区に関する法律の公布の日の属する年の翌年の一月一日から施行することといたしております。
以上が、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案の趣旨とその内容の概要であります。
何とぞ慎重に御審議賜り、速やかに御可決あらんことを心から期待いたします。ありがとうございました。(拍手)
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