塩川正十郎の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○塩川正十郎君 堀込さんにお答え申し上げます。
まず、一連の政治改革の位置づけについてお尋ねがございました。
その中で、私はちょっとがっかりしたのでありますが、社会党さんが何でもかんでも反対されるのに、今回の政治改革については一緒にやろうという意気込みを示していただいた、私は非常にいいことだと思っておりました。ところが、この政治改革の位置づけを、地方分権だとかあるいは行政改革の、このレベルにおいて見ておられるということに対し、私は、非常な悲観を感じるものであります。そうではなくして、この政治改革、我々が今進めていこうとする政治改革は、長年にわたりました日本の政治のシステム、構造を変えようということなのであります。
すなわち、戦後の政治は安定が必要でございました。だからこそ、自由民主党に安定政権をつくらせ、そして日本の国が繁栄をしてまいりまして、その役割が立派に果たされてきたのであります。(拍手)ところが、冷戦後の時代になってまいりまして、イデオロギーの対立がなくなりました。今や自民党だけが政党ではない、それにかわるべき政党をつくって国民に新しい選択の機会を絶えず与えろ、政治に刺激を与えるというのが現在の国民の要望なのであります。そのための改革をするんだ、ここをしっかりとひとつつかんでいただきたい、こう思うのであります。(拍手)
したがいまして、先ほどの答弁の中にございましたように、社会党と共産党とは違うということを盛んに言っておられました。けれども私は、親元は一緒じゃないか、親から分かれた兄弟がお互いにそんなことを言っておったって始まらぬじゃないか。それよりも、きっちりと、あれとは違うのだ、親元も違うのだということをはっきりとしていただかなければならぬのではないか。そして一刻も早く、社会主義、革命を目指すんだということを新宣言で言っておられますが、そういうことではなくて、もっと国民政党になっていただくというのがこの政治改革の一番のねらいでございますので、どうぞそういう改革に向かっていただきたい。地方分権だとか行政改革は私たちも一生懸命やりますけれども、根本をちゃんとしていただきたい、これをお願い申し上げます。
そして、その中で話がございました、日本とイタリーとが同じように汚職ばかりやっているじゃないか、こういうことでございますが、これはしかし、大分事情が違います。というのは、イタリーは比例制でございまして、そこから出てきますのは小党分立なんです。小党分立は、その結果といたしましていつでも連立政権。連立政権は、責任が無責任なことになってまいりますので、意思決定ができません。そこで内閣は短命でございまして、短命であるから、それが続いてくると絶えず選挙をやっておる、選挙に金がかかる、そこで汚職がはびこる、こういう構造がイタリーであります。我々がやっておりますのは中選挙区からくるものでございまして、中選挙区で同士打ちをやっていかなきゃならぬ。そこに金がかかる。だから、金がかかるということの発生の原因が、システムが違うということ、これを変えなければいかぬ、こういうことでございますので、この点も十分御了解していただきたいと思うのであります。
それから、政権交代が、小選挙区にあって政権交代が行われないではないか、こうおっしゃいます。社会党さんはいつでも、これはできないじゃないかということをよくおっしゃる。大体政権の交代というものは、その政党が政権をとる意欲がなければ政権はとれません。意欲を示すということはやはり立候補者をたくさん出すということで、そういうことでございますので、そういう準備と意欲を持たない限り、制度をどのように変えても政権はとれないんだということを銘記していただきたい。
それから、小選挙区制であればいつでも死に票が出るとおっしゃいます。死に票なんて言ったら、投票した有権者は怒りますよ。問題は死に票ではなくして、怖いのは、我々が一番恐れますのは、棄権がふえるということなんです。棄権がふえるということが一番怖いのです。見てごらんなさい、この前の参議院選挙でも四十数%が棄権しておる。この棄権が怖い。なぜ起こっておるか。政治に緊張がないからなのであります。その緊張をつくることが今回の改革の制度です。
しかも、死に票というのは、決して死んでしまった無意味の票ではございません。有効に投票していただいた意味は、その死に票は絶えず当選者に対する反対を表明しておられるか、あるいはその批判がインパクトとしてこもっておるのでございますから、でございますから、ちゃんと死に票ではなくしてそれだけの意味がある、投票の意味があるということを、これを正確に判断をしていただきたいと思うのであります。
それから最後に、海部内閣のときに比例並立制を出しておいて、今回はなぜ小選挙区制にするのかというお話でございますが、これは昨日も私からお答え申しましたように、海部内閣時代に政府が第八次選挙制度審議会というものを設けまして、いろいろと御意見を有識者にお聞きいたしました。そして、貴重な答申をいただいたと私は思っておりまして、それを受けまして海部内閣は法案を提出いたしました。しかしながら、野党の方の反対も強かったものでございますからこれは廃案となってしまったのでありますが、しかし、それを受けて、我々自由民主党が、自由民主党としてはその基礎の上に立って、つまり海部内閣のときつくられたあの貴重な御意見を基礎として、より政治に、政権に責任を明確にする制度は何か、そして国民がわかりやすい制度は何かということからこの単純小選挙区制というものを採用したということでございますので、あくまでもあの議論を尊重して、あの貴重な資料の上に立っての自由民主党の独自の判断を示して法案を出した、こういうことでございますので、よろしくお願いいたします。
以上であります。(拍手)
〔大野明君登壇〕