草川昭三の発言 (本会議)
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○草川昭三君 私は、公明党・国民会議を代表し、自由民主党提案の政治改革四法案に対し、質問をいたします。
自民党の金丸前副総裁の巨額脱税事件は、政治には金がかかるという従来の自由民主党の主張が国民の目を欺くもので、結局は、政治家が私利私欲のため金集めに狂奔していたことを広く知らしめ、国民の間に未曾有の政治不信を引き起こした出来事だったと言えましょう。ここで改革ができなければ、日本の政治はもはや再生できないというところまで追い込まれています。金丸前副総裁の事件の反省を国民の前に示すためにも、政府・自民党が、今この場で政治改革断行の決意を明らかにされんことを強く望むものであります。
今、選挙制度改革をめぐって、自民党は単純小選挙区制を提案していますが、自民党がみずからの利益のためだけに主張をしているとの印象を国民は持たざるを得ないというのが率直な実感であります。自由民主党の選挙制度改革案は党利党略にすぎず、これを認めることは、絶対我々はできません。自民党はこれまで、小選挙区制になればサービス合戦がなくなり、選挙に金がかからなくなると先ほども主張しておられました。それなら、金がかからなくなるとする根拠を具体的に明示していただきたいのであります。先ほどの答弁のように、小選挙区制だから、単数になったからPRの費用が少ないという程度のことでは、私は納得をいたしません。
戦後行われました選挙制度をめぐる議論の中で、政府・自民党は、小選挙区制を導入しようとたびたび画策をしてきましたが、多くの国民の反対により、一度として成立は見ておりません。全国一律の単純小選挙区制は今回が初めてであります。臆面もなくこのような提案をするということは、今この時期に国民が単純小選挙区制の導入を望んでいるとでも思っているのでしょうか。見解を明らかにしていただきたいものであります。
自民党は、社会、公明両党が提案をした併用制では小党乱立になる、野党は単純小選挙区制におびえることはない、一九八九年の参議院選挙を例にとれば、社会党が多数派になると主張しました。しかし、その八九年の例をシミュレーションすれば、我が公明党はわずか二議席で、共産党、民社党は議席ゼロになり、自民党が主張する単純小選挙区制では、少数党を切り捨て、死に票が多く出ることになります。すなわち、わずかな得票差が大きな議席差につながるため民意が反映されないことは言うまでもありません。
昨日の自由民主党の答弁でも、死に票という言葉をはっきり、その発生をはっきり認めています。このことは、議会政治の基本である民意を切り捨てることになり、これでは到底納得ができないのであります。自由民主党の主張は、死に票を無視する態度だと理解せざるを得ませんけれども、先ほどの答弁では納得しないということをあわせて申し上げ、真意を伺うものであります。
自民党は、たとえ死に票が出ても、単純小選挙区制を導入することによって二大政党制が生まれ、政権交代が可能になると先ほども言いましたが、国民の意識が多様化した日本においては、中小政党の意見をくみ上げることは極めて重大であり、この意味から、中小政党の存在は民主主義の健全性を示すものと考えますが、お答え願いたいわけであります。
選挙制度の改革は、党勢の消長に直接かかわるだけに、各党の意見調整が必要であります。自民党内にも、与野党勢力が逆転している参議院の現状からすれば、自民党の提案している単純小選挙区制の導入にこだわるべきではなく、野党と話し合うべきとの声があります。この点について見解をお伺いしたいものであります。
社会、公明両党が提出をした政治改革関連六法案が成立をした場合、政治腐敗防止のためにも次の総選挙は新たな制度で行うべきだと思いますけれども、次の総選挙を新しい選挙制度で行うためにはどの程度の準備期間が必要なのか、自治大臣にこの際見解をお伺いいたします。
金丸前副総裁の巨額脱税事件は、政治家のモラルにかかわるだけでなく、政治資金を個人の蓄財に回した疑いがあります。自民党は、政治資金の公私混同についてどう反省をしておみえになるのか。先ほど、党内に公私峻別委員会を設置されたと言われていましたが、これは極めて泥縄式な答弁と私は受けとめました。基本的な反省の上に立っての見解をこの際明らかにされたいと思うわけであります。
これまでに金丸前副総裁に多額のやみ献金が行われていたことは先ほども申し上げましたけれども、政権政党の大物政治家の政策決定や行政に対する影響力を期待した政治献金は、職務権限がないため罪に問われないとしても、これを放置すれば、政策決定の透明性そして公正さは失われます。この問題についての自民党の考えをお聞かせ願いたいわけであります。
また、特定の利益を目的とする政策を実現させるため、政党に働きかける政治献金に対しても一定の規制策を講ずべきだと考えますけれども、見解をお伺いしたいわけであります。
自民党案では、政治家の資金調達団体を二つに限定をしておりますけれども、二つに限定した根拠は何でしょうか。その根拠を明らかにしていただきたいものであります。
政治資金の規制強化のため、社会、公明案は自民党案よりも厳しい内容になっています。自民党は、この際、社会、公明案に同調できないのか、お伺いをしたいと思います。
続いて、政治倫理法案について伺います。
社会、公明両党は、国会議員の職務の廉潔と公正を確保するため、政治倫理に関する基本理念を明確にした政治倫理法案を提出しています。その内容は、国会法を改正し、常任委員会として政治倫理委員会を設置することとなっています。しかし、自民党案にはこれがありません。昨日、自民党は、現行の政治倫理審査会で対応する旨と答えましたが、このような消極的な態度であっては、金丸前副総裁の脱税事件を真剣に受けとめていないと批判せざるを得ません。社会、公明両党の政治倫理法案に同調する考えがあるのか、お伺いをしたいと思うわけであります。
選挙犯罪での連座制の強化が自民案、社会、公明案とも盛り込まれていますが、社会、公明案では、執行猶予を含めて禁錮以上の刑に処せられたとき、連座制の適用があるとしています。しかし、自民党案では、執行猶予の場合を除外しています。これでは事実上、買収行為を容認する結果になるのではないでしょうか、明快にお答え願いたいと思うわけであります。
自民党が提出をしました公選法改正案の中に、予想報道に関する事項があります。これは報道の自由にかかわる問題で、報道統制、言論統制に当たるとの批判がなされています。このような批判に対して、納得のいく見解を示されたい。
この中に、「選挙が選挙人の自由に表明される意思によって公明かつ適正に行われることを確保するためことありますが、予測報道が「公明かつ適正」な選挙を妨げることになるのかどうか、お伺いをしたいと思うわけであります。
また、「慎重に配慮しなければならないものとすること。」とありますけれども、ここにある「配慮」とは、だれが行うべき配慮なのか。配慮する主体は一体だれなのか、政府・自治省なのか、それとも報道機関なのか、明らかにされたい。さらに、配慮すべき範囲は一体どこまでなのか、これも具体的に明示していただきたいと思うわけであります。
選挙制度の改革なしに政治改革はあり得ません。そのためには、関連法案をワンパッケージとして一括処理するのが本質的な政治改革であると考えますが、自民党の決意をお伺いいたします。
今や政治に対する国民の怒りと不信は頂点に達し、日本の政治はまさしく危機に瀕しています。我々は、議員の職を賭しても法案成立に努力をすべきだと考えております。最後に、その決意を自民党にお伺いをし、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣村田敬次郎君登壇〕