木島日出夫の発言 (本会議)

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○木島日出夫君 私は、日本共産党を代表し、自民党及び社会、公明両党がそれぞれに提出している政治改革関連各法案について、法案提出者に質問いたします。
 今国民が政治改革としてこの国会に求めている最優先の課題は、金権腐敗政治を根絶することであります。自民党の最高実力者であった金丸前副総裁は、大手ゼネコンや地元山梨県の建設業者などから莫大な額の金を集め、行政をねじ曲げ、私腹を肥やし、巨額の脱税をするという不正、不法の限りを尽くしていました。
 この根源に企業・団体献金があったことは明らかです。日本国憲法は、「主権が国民に存すること」を高らかに宣言しており、この国民こそ主人公の立場からすれば、企業が金の力で政治をねじ曲げる金権腐敗政治を断じて許してはならないのであります。
 政治改革を口にする以上、金権腐敗の大もとにある企業・団体献金禁止を本気になって、最優先の課題として取り組むかどうかこそが最大の試金石ではありませんか。主権在民を貫くのか、それとも金の力で政治をねじ曲げる主権財界を許すのか、民主主義の根本にかかわる重大な問題であると考えますが、それぞれの法案提案者は、この基本問題についてどう考えているか、改めて明確な見解を求めるものであります。(拍手)
 自民党は、相次ぐ金権腐敗の原因と責任を、中選挙区制度が疲労したなどと称して、単純小選挙区制を導入しようとしています。これは全くのすりかえであります。選挙制度と政治の腐敗が何の関係もないことは、今日の世界の政治を見ても明らかであります。
 小選挙区制のフランスでは、前首相まで巻き込んだ金権腐敗事件が起こり、小選挙区比例代表併用制のドイツでは、副首相が企業との関係で辞任、比例代表のイタリアでは、政財界人が千三百人も逮捕されています。企業献金が野放しのところでは、どこでも金権腐敗が後を絶たないではありませんか。(拍手)
 自民党は、かつて党の選挙調査会が監修した「選挙制度の基礎知識」の中で、「中選挙区制で最も大きな弊害とされている点は、この同士討ちである。しかし、この同士討ちは党内の事情である。その党内事情の同士討ちをなくすために小選挙区制にしようというのでは、党利党略のそしりをまぬがれない」と、みずからはっきりと述べておりました。これは、一九八〇年に内部資料として再版されたパンフレットであります。金権腐敗政治の責任と原因についてどう考えているのか、改めて明確な答弁を求めます。
 自民党の答弁者は、昨日、政治家が有権者に政策を知らせるためには膨大な金がかかり、企業からの政治献金は当然だと居直りました。しかし、自民党は、戸別訪問の自由化を総務会で取りやめ、立会演説会も二回に制限し、事前ポスターの禁止、選挙報道に対する制約、いわゆる法定ビラの廃止や配布の制限など、有権者国民が政党の政策を知る機会を奪うという、ますます暗やみ選挙にしようとさえしているのです。自民党の企業献金擁護論は全くの詭弁というほかありません。
 自民党案は、単純小選挙区制の導入と、政党などに対する企業献金の枠を今の二倍に拡大すること、さらに、政党に対する公費助成を一括のものとしています。これは、国民の批判の前に、政治改革と言いながら、その本音は、何がなんでも小選挙区制を導入しようというものであり、金権腐敗の体質はそのままにして、一層の金権腐敗政治を進めるものにほかなりません。企業の金の力で国民主権をさらに侵害しようというものではありませんか。企業献金を個人でなく政党が受けるようにするのだからよいではないかと自民党の答弁者は主張しましたが、これは、自民党がみずから進んで企業に丸抱えされようという意思の表明にほかなりません。(拍手)
 社会、公明両党は、企業・団体献金の禁止をうたっています。しかし、この改正法案は、他の関連三法案とかたく結びつけられています。小選挙区比例代表併用制が導入されなければ、そして政党への公費助成が成立しなければ、企業・団体献金は存続させるということになります。これでは国民の期待を裏切ることになるのではありませんか。なぜ、小選挙区制導入を柱とする選挙制度の改悪や公費助成と切り離して、企業・団体献金禁止を最優先して実施しようとしないのか、明確な答弁を求めます。(拍手)
 自民党に、単純小選挙区制について質問します。
 過去三回の総選挙の結果による試算をしてみても、単純小選挙区制が導入されると、自民党が四〇%台の得票率で九七%、四百八十三議席をひとり占めすることになるのです。選挙制度が変わるのだから過去の数字は参考にならないと、昨日の自民党代表は答弁しましたが、今日の我が国の政党の力関係で単純小選挙区制で選挙が行われれば、自民党が少なくとも三分の二を超える圧倒的多数の議席を独占することは明らかでありましょう。
 そうなれば、多数派の気に食わない議員を除名して排除すること、議会公開の原則を踏みにじって本会議を秘密会にすること、参議院で否決されても衆議院の議決だけで法律を成立させることなど、野党の存在を全く無視したオールマイティーの権力を自民党は持つことになるのです。参議院選挙制度も自分の都合のよいようにつくり変えて、参議院でも三分の二を独占することさえ不可能ではなくなります。そうなれば、憲法改正の発議権さえ手にすることができるのです。
 憲法の平和的、民主的条項を改悪して、何らの制約なしに自衛隊を海外に派兵すること、消費税率の大幅な引き上げ、米の輸入自由化、福祉・教育の切り捨てなど、国民に痛みを伴う政策を次々と強行すること、どんなに金権腐敗の大事件を起こして居直り続けることなどこそ、提案理由で言う、安定した政策遂行能力を備えた政権の確立の本当のねらいなのではありませんか。議会制民主主義と平和、国民主権の破壊につながる小選挙区制導入は、断じて認めることができません。明確な答弁を求めます。
 社会、公明両党の小選挙区比例代表併用制について質問します。
 民意を正確に反映した国会を実現することが、小選挙区比例代表併用制導入の理由とされています。しかし、各政党への議席の配分について、小選挙区当選者を最優先させるため、超過議席が避けられないだけではなく、加えて、この法案にはいやしがたい重大な欠陥があります。
 それは、小選挙区において、無所属の候補者が当選したときは、その無所属候補に投票した有権者の比例代表選挙での政党への投票がすべて排除されてしまうことです。無所属候補者が無投票当選したときには、その地域では比例代表選挙の投票そのものがなくなってしまうのです。これは、比例代表選挙の根幹を破壊するものであるだけでなく、有権者の投票権をも侵害するものではありませんか。なぜこのような制度にしなければならないのですか。明確な答弁を求めます。
 日本共産党は、金権腐敗政治を根絶するために、企業・団体献金を直ちに全面的に禁止することを提案し、現行中選挙区制における定数格差を最大一対一・五以下に抑えるための抜本是正などの具体案を提起しました。
 我が党は、将来の衆議院選挙制度として、都道府県単位の比例代表制を今から二十年も前の一九七二年から提唱しています。八六年の国会決議に基づく定数の抜本是正を行った上で総選挙を実施することです。国民に対する公約、まずこの義務を果たした上で、公正に民意が反映された新しい議会で、それぞれの党の持っている選挙制度改革案について議論をすべきなのです。
 ところが、昨日、自民党の提案者の一人は、この国会決議を実行せよという我が党の主張を誹誇するだけでなく、我が党の当然の提案を党利党略だなどと言うに至っては、まさに暴言であり、議会制民主主義の立場から、絶対に許せないことを厳しく指摘しておきます。
 金権腐敗勢力が国会の絶対多数を独占する小選挙区制の導入策動を阻止し、金権政治を根絶するための企業・団体献金の禁止を最優先とする政治金規正法等の抜本改正と衆議院定数の抜本是正のために、日本共産党は全力を尽くすことを表明して、質問を終わります。(拍手)
    〔塩川正十郎君登壇〕

発言情報

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発言者: 木島日出夫

speaker_id: 3656

日付: 1993-04-14

院: 衆議院

会議名: 本会議