東祥三の発言 (本会議)
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○東祥三君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、今政府より報告がありました「ガンボディア国際平和協力業務実施計画の変更」並びに「モザンビーク国際平和協力業務実施計画」に対して、若干質問を行うものでございます。
質問に入る前に、過日、国連ボランティアとして選挙監視業務のさなか、凶弾に倒れた中田厚仁様の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
私は、政治家になる前、国連の職員として、世界の各地で、中田さんのような国連ボランティアや民間のボランティアの多くの方々とともに仕事をさせていただいた経験がありますが、今日の人道支援、平和維持活動を含む国際鶴力の現場は、中田さんのような人々によって支えられていると実感いたしております。政治家として、これらの人々の平和活動に、襟を正すと同時に、心から敬意を表したいと思います。(拍手)
また、昨年九月の派遣から六カ月間の平和維持のためのとうとい任務を終え、帰国された第一次の国際平和協力隊員の活躍に対しても、心からの敬意を表します。特に、第一次施設大隊は、主要業務である道路補修が七十八・六キロメートル、橋の補修が二十三カ所、後方支援の医療についても他国のUNTAC要員から大いに頼りにされたと伺っております。
湾岸危機以来の国民的論議の末に成立したPKO協力法に基づき、我が国の本格的なPKOへの人的貢献としてその歴史的な第一歩をしるされたことは、極めて大きな意義があると確信いたします。(拍手)
第一次の国際平和協力隊の活動に対する内外の反響、評価はどうか、冒頭、まず、国際平和協力本部長たる総理にお伺いいたします。
UNTACが昨年三月より活動を開始して以来、和平プロセスの最重要局面を迎えているカンボジアについてお伺いいたします。
第一に、カンボジア情勢と総選挙の見通しについてであります。
カンボジアでは、既に約四百七十万人の有権者登録を終え、五月二十三日から二十八日まで実施される予定の制憲議会選挙に向けて、二十の政党による選挙戦が展開されています。カンボジアの和平達成と民主的国家の樹立は、長きにわたって内戦の苦汁をなめてきたカンボジア国民はもとより、国際社会全体の強い願いであり、ぜひとも総選挙を成功させなければなりません。
しかしながら、実際のカンボジア情勢は、ポル・ポト派の総選挙への不参加の表明、同派によるものと見られる襲撃事件の頻発など、総選挙を間近に控え、にわかに緊迫化してきており、総選挙の実施を危ぶむ声も聞かれています。また、来月六日に予定されているSNC、カンボジア最高国民評議会本会合にも、ポル・ポト派のボイコットが濃厚であると伝えられております。
政府は、カンボジアの現状をどう見ているのか、特に自由かつ公正な総選挙は可能なのかどうか、また、ポル・ポト派がSNC本会合及び総選挙に参加する可能性、そして、そのためのUNTACその他の国際社会の取り組みはどうなっているのか、お伺いいたします。さらに、ポル・ポト派が不参加のまま総選挙が実施された場合の、その後のカンボジア情勢について、どう展望されているのかもあわせてお答え願いたい。
第二には、PKO参加五原則とパリ和平協定に関してであります。
パリ和平協定に基づく四派の武装解除にポル・ポト派が拒否し、同派の武装解除がなされなかったこと、また、ポル・ポト派抜きの総選挙も必至の情勢になったこと等をとらえて、パリ和平協定が崩れたのではないか、あるいは、UNTACとポル・ポト派を除く三派との総選挙の安全確保のための合意がなされたことが、いわゆる中立原則に反するのではないかとの意見もあります。
しかし、ポル・ポト派はこうした姿勢とは別に、カンボジアを代表する唯一の合法機関であるSNCのメンバーであり、パリ和平協定そのものは遵守すると一貫して表明してきています。したがって、私は、PKO参加五原則は大枠として守られていると考えますが、政府の明確な見解を伺いたい。
私は、PKO協力法の作成に当たり、慎重の上にも慎重を期してきた経緯を重く受けとめております。その意味で、日本のPKO参加五原則は、明確に守られるべきであると考えるのであります。政府は、PKO協力法に基づく参加五原則に照らして、我が国が独自の判断でPKO部隊の中断及び撤収をできるのかどうか、そしてできる場合の基準、原則を具体的かつ明確にすべきであります。
一部報道では、撤収の条件として、UNTACがパリ和平協定が崩れていると認定した場合、また、カンボジアにPKO要員を派遣している参加国のいずれかが撤収などを表明して参加国問で撤収を決める場合、さらに、和平協定内と言いつつも、大規模な戦闘が展開された場合などと伝えられておりますが、極めて不明確と言わざるを得ません。
仮仁、停戦の合意に関するUNTACの判断と、PKO協力法に基づく我が国独自の判断との間に食い違いが生じた場合、我が国は、独自に中断または撤収すると考えてよろしいのかどうか、総理の具体的かつ明確な答弁を求めます。
第三には、PKO要員の安全確保についてであります。
これまで中田さんの殉職を初め、文民警察への強盗事件なども発生し、我が国を含めたUNTAC要員の早急な安全対策が必要になってきております。カンボジアに対しては、新たな五十人の選挙要員を含めて七百名以上の国際平和協力隊を派遣することになり、治安の悪化、気候、風土の違いを乗り越え、まさに体を張ってとうとい平和維持の活動に携わっておられる我が国要員の安全確保を図ることは、政府として当然の責務であります。
我が国としてできる限りの対策を行うことは当然として、UNTACに対し早急かつ万全な安全確保を強く求め、二度と中田さんのような事件が起きることのないようにすべきであります。UNTACで活動している人々に対する我が国及びUNTACの安全対策はどうなっているのか、また、今後我が国の文民警察についても状況の変化によっては武器の携帯を認めることがあり得るのかどうか、お伺いいたします。
第四には、カンボジア和平のための日本の一層の外交努力の必要性についてであります。
ポル・ポト派抜きの総選挙の実施は、パリ和平協定が予定したものとはほど遠く、真のカンボジア和平達成のためにはポル・ポト派の総選挙参加がペストであることは言うまでもありません。
総選挙への門戸は開いていると言うだけでなく、ポル・ポト派を含めた総選挙の実現のため、国際社会があらゆる外交ルートを通じて努力すべきであり、そのための国際会議の開催に日本もイニシアチブを発揮すべきであると同時に、この国際会議の開催のみならず、各国、特に中国、インドネシア、タイなどにポル・ポト派の総選挙参加への外交努力を促すべきであると考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
第五には、カンボジア情勢及び我が国PKO要員に関する情報の提供であります。
多くの国民は、現地での我が同胞の安全と活躍を祈るように見守っており、現地の情勢の変化について大変に敏感になっております。しかし、政府は、カンボジア及び我が国PKO要員の情報を積極的に国民に提供しているとは言えません。関係者は無論のこと、PKOへの派遣に関する国民の意識は極めて高く、こうした国民の要請にこたえていくためにも、政府からの正確なカンボジア状況報告、説明を定期的にかつ迅速に行われるべきであります。総理の見解をお伺いいたします。
次に、モザンビークPKOについてお伺いいたします。
モザンビークヘの我が国要員の派遣については、PKO参加五原則が堅持されており、調査団の十分な調査結果を踏まえて派遣を決定したことなどから賛成であります。
ただ、私は、我が国の国際貢献が世界から注目されている中で、派遣の是非は別として、政府が消極的態度から一転して積極姿勢へと変わった、行かないと言っていたものを行くと言い直すなどといった印象を与える政府の対応の仕方は、国際社会から見て、日本の国際貢献への姿勢、外交感覚を疑われはしないかと強く危倶するものであります。政府の見解を賜りたい。
次に、PKOに関連して、ブトロス・ガリ国連事務総長が提唱したいわゆる平和執行部隊についてお伺いいたします。
去る二十一日の国連のPKO特別委員会で、我が国の国連公使が、例外的なケースで平和執行部隊を認めると発言されました。この発言は、今後の我が国の国際貢献を考える上で極めて重要な意味を持つものと考えます。我が国の憲法上、我が国の平和執行部隊への参加は可能なのかどうか、将来的には我が国の平和執行部隊への参加を検討しているのかどうか、総理の明確な答弁を求めます。
本年に入ってから、PKOにつきましては、政府部内からPKF凍結解除やPKO参加五原則の緩和を求めるような発言が出されました。
PKF凍結解除については、カンボジア及びこのモザンビークのPKO活動をまず成功裏に終了させることが重要であり、PKOに対する国民の理解が十分得られるまで凍結解除すべきでありません。
また、PKO参加五原則の緩和は、目的としての武力行使を禁ずることを明確に掲げた我が国憲法を守るための命綱であり、到底容認できません。ゆえに、派遣に際し、常に厳格に五原則に照らし行動していくことが、法律を執行する行政府としての責任と考えるのであります。これらの点について総理の見解をお伺いしたい。
最後に、本年一月の我が党の市川書記長の、アジアにPKO訓練センターを創設せよとの主張に対し、当時、渡辺外務大臣は、まじめに検討する必要がある旨御答弁されておりますが、その後どういう検討がなされているのか、外務大臣にお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕