宮澤喜一の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(宮澤喜一君) カンボジアにおける施設大隊の活動の実績につきましては、本来の業務であります道路、橋等の修理など、国道二号線及び三号線の道路約七十キロ、橋約二十数カ所等の補修を行いましたほか、UNTAC構成部門への給油、給水等の活動も実施いたしました。停戦監視要員、文民警察要員につきましても、それぞれの分野においておのおの任務を適切に遂行され、精力的に活動を行われたと考えます。
 こうした我が国の要員、部隊の活動実績につきましては、御指摘のように現地でも高く評価をされておりまして、また我が国におきましても、その活動状況を報道等によって見ておられます、読んでおられます国民の大多数の理解と支援を得ておるものと思います。国際平和協力本部長として、私もこのことに感謝をいたしておりますし、また喜んでおります。
 ポル・ポト派にも平等に選挙の参加の機会が与えられて、我が国を含む関係国及びUNTACがそのために外交努力をきょうまでいたしてまいりましたけれども、ポル・ポト派は選挙への不参加を表明しております。いろいろなテロ、暴力事件もありますけれども、そういう状況のもとで、可能な限り自由、公正な選挙を実施することがただいまUNTACにとって最大の問題であると思います。
 国際社会におきましても、このことは全会一致で過般、安保理事会の決議でもあらわれました。また、共同声明においても確認されておりまして、四百七十万という、御指摘のような選挙登録でございますので、カンボジアの大多数の人はこれを希望しているということは明らかと思います。ですから、今の段階で一番大事なことは、この公正かつ自由な選挙がともかく安全裏に、できるだけ広い範囲で行われるということであると存じます。
 そして、この選挙を経て新しい憲法がつくられる、新政府ができて、そしてカシボジアがカンボジア人のカンボジアになるという、その一番大事な局面がただいまと思っておりますので、いろいろ困難はございますけれども、シアヌーク殿下あるいはUNTAC等の努力を我が国としても全面的に支持をして、パリ協定が終局的に目指すところに到達をいたしたい、それがただいまの一番大事な問題と思います。
 それから、停戦の合意につきまして、我が国に中断、撤収というようなことがあり得るかということにつきまして、そういう問題について、UNTACと、あるいは国連と我が国との判断が食い違うということは恐らく想像しがたいところでございます。
 もちろん、全く仮定の問題として、判断が異なった場合には、我が国としては、国連側に連絡の上、平和協力法の規定に従って行動をいたしますが、しかし、重ねて申し上げますが、現時点において停戦の合意は保たれておりますし、我が国の部隊、要員について、業務の中断、終了を行う状況はないというふうに私は判断をいたしております。
 それから、先ほど申しましたようなことでございますので、何とかポル・ポト派も選挙に入ってこないか、これが今としては一番外交努力の中心になるべきところでありまして、シアヌーク殿下、ポル・ポト以外の各派、UNTAC等々も、何とかそういう機会を持ちたいということでいろいろ協議をしておりますけれども、またその点について関係各国もほとんど同様の意見ですが、殊念ながら、ただいまのところそれがまだ実現をしていない、残念なことでございますが、そのような状況であります。
 それから、カンボジアのPKOに関して国民にもっとよく御説明をすべきであるということにつきまして、国会に対しましては、実施計画の決定、変更あるいはその他の委員会等における御質疑等でできるだけ御説明を申し上げておりますけれども、国民に対する広報活動につきましては、さらに御指摘のように心がけてまいらなければならないと思います。
 ブトロス・ガリ事務総長の「平和のための課題」という著書の中で平和執行部隊について述べられておることにつきまして、今日の世界情勢の中で、国連が平和維持についてあちこちから協力を求められて、それが必ずしも思うように進んでいないということについて、ブトロス・ガリ事務総長のそういう状況の中でのいろいろの発想、イニシアチブは、これは理解をいたしますけれども、国連の中でこれは初めての問題で、今まで議論されたこともございませんから、引き続き検討すべき問題だと思います。したがいまして、この考え方がどのように展開をするのかが今の時点ではわかりませんので、憲法との関係につきまして今判断を申し上げることは適当ではないというふうに思っております。
 それから、平和協力法の見直しについてでございますが、法律の施行後三年を経過した場合において、実施状況に照らし、あり方について見直しを行うとされておりますが、今カンボジアにおきましてこの活動が始まりまして、まだ長い時間がたっておるわけではございません。大多数の国民には理解をしていただいておると思いますけれども、長い年月がたっておるわけでもございませんので、一年にもまだ満たない状況でございますから、この法のもとでの協力の実績を積み重ねていくことが一番重要なのではないか、どちらかといえば、私はそういうふうな考えをいたしております。
 残りの問題につきましては、関係大臣からお答えを申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣武藤嘉文君登壇〕

発言情報

speech_id: 112605254X02419930428_025

発言者: 宮澤喜一

speaker_id: 13804

日付: 1993-04-28

院: 衆議院

会議名: 本会議