石田祝稔の発言 (本会議)
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○石田祝稔君 私は、公明党・国民会議を代表し、ただいま議題となりました平成五年度補正予算三案に対しまして、反対の態度を表明し、以下、主な反対の理由を申し述べるものであります。
初めに、さまざまな妨害の中、UNTACによって進められてきたカンボジアの制憲議会選挙が、現在までのところ、大きな混乱もなく順調に行われていることを心から歓迎するものであります。このままスムーズに選挙が終わるかどうか予断は許しませんが、油断することなく、安全確保に全力を挙げる土とを強く要望するものであります。
さて、国会は、会期末まであと三週間余を残すだけになってまいりました。焦点の政治改革は実現するかどうかのぎりぎりの段階に来ております。総理、宮澤政権発足時に、一年以内に政治改革を実現するとの公約は、既に一年がたち、一年半が過ぎようとしておりますが、実現を見ておりません。このままでは、政治改革の実現に向けての努力は水泡に帰すおそれが極めて大であります。そうなれば、政治腐敗の根絶や、政権交代が可能な政治の確立は不可能となり、禍根を百年に残すことは明らかであります。
総理、今こそ、身を捨てて公約を実現すべきときであります。それには選挙制度について大胆な妥協を図るしか道はありません。総理は強力な指導力を発揮し、国民の期待にこたえるべきであります。
次に、補正予算に反対する主な理由を申し述べるもめであります。
反対する第一の理由は、補正予算には所得税減税が盛り込まれておらず、景気対策として不十分であることであります。現在の景気の低迷は、深刻な個人消費の落ち込みが大きな要因となっており、GNPの六割弱を占める個人消費の喚起なくしては景気を浮揚することは困難であります。しかし、企業収益の悪化、企業のリストラによる雇用調整の動き、さらには、今春闘の低賃上げ等を考えると、消費が拡大する要素は見当たらないのであります。
鳴り物入りの政府の総合経済対策についても、民間経済研究機関の多くは厳しい見方をしており、平成五年度の実質経済成長率は二・五%前後となっており、政府見通しを大幅に下回る予測を蔵しているのであります。
最近の急激な円高も、短期的には相当景気に打撃を与えることは避けられないと思います。こうした状況を勘案すると、政府経済見通しの三・三%を実現することは難しいと言わざるを得ません。したがって、冷え切っている消費を喚起する所得税減税の実施が強く求められるのでありますが、補正予算には盛り込まれていないのであります。
また、所得税減税の見送りは、書記長。幹事長会談における梶山幹事長の誠意を持って前向きに検討するとの公党間の約束をないがしろにし、信義を踏みにじるものと言わざるを得ないのであります。(拍手)
第二は、景気対策に十分配慮したベストの予算との説明にもかかわらず、当初予算成立後わずか一カ月余で景気対策のための補正予算を提出する
ことは、自語相違し、国会軽視に当たることであります。
政府は、当初予算の審議において、「政府経済見通しの三・三%成長の達成は十分可能である旨の答弁を繰り返してきました。これに対し我が党は、資産デフレを伴う深刻な不況であり、当初予算では景気回復につながらないことを指摘したのであります。社公民三党の予算共同修正要求もこうした観点から提出したのであります。
しかし、政府は、耳を傾けようとせず、予算修正を拒否しながら、当初予算成立後わずか一カ月余で、それも、三十数年ぶりに同一会期内に補正予算を提出したことは極めて異例であり、当初予算が景気対策として欠陥があったという証左と言わなければなりません。野党の修正要求を聞こうとしないこうした独善的なやり方は、同会軽視であり、到底納得できないのであります。
また、財政法上も補正予算提出の理由が不明確であります。財政法第二十九条は、補正予算について、予算成立後生じた事由に基づき、「特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行なっため必要な予算の追加を行なう場合」と定めております。
しかしながら、当初予算が成立した後のこの一カ月間に景気が特に悪くなったという事実はないのであります。むしろ、最近の政府は、景気はよくなりつつあると言っており、財政法に言う、予算成立後生じた事由は見当たらないのであります。しかし、景気対策は必要であります。そのために、我が党は、当初予算の修正を要求したのであります。
第三は、補正予算では、税収見込みが当初予算のまま何ら変更されていないことであります。
税収見込みは、予算の重要な柱であり、予算編成段階で正確さについて最善を尽くすべきものであります一しかしながら、平成四年度の税収は補正後の見込み額より約一兆円ほど減収になると言われております。四年度の税収が減額になれば、当然、五年度の税収も見積もりの基盤が約一兆円ほど減少するため、その分、五年度税収も影響を受けることは避けられないのであります。しかし、本補正予算には、税収の減額に触れられておりません。歳入予算は不備であり、こうした不備な歳入に基づく補正予算は認められないのであります。
第四は、中小企業対策が不十分であることであります。
補正予算では、総額七百六十億円が中小企業対策として計上されましたが、深刻な不況に直撃されている中小企業対策としては不十分であります。特に、貸し渋りなどで資金繰りに苦しんでいる中小企業に対する金融対策については、小企業等経営改善資金貸付金、いわゆるマル経資金は、わずかに六十三億円の追加にすぎません。
また、売り上げや生産の減少に見舞われた中小企業に対する、低利の中小企業緊急経営支援貸付制度拡充のための出資金が計上されておりますが、不十分であります。
以上、平成五年度補正予算三案に反対する主な理由を申し述べ、討論を終わります。(拍手)