中野寛成の発言 (予算委員会)

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○中野委員 現場の自衛隊員の皆さんから考えますと、法律ではこうなっております、それ以外にも刑法の規定の違法性が結局阻却されるということで、言うならば除外規定のように解釈されるということは、大変彼らの任務の意識からすると、どう見ても納得できないという気持ちが出てくると思うのですね。
 例えば、先般も私も自衛官の皆さんといろいろ議論をする機会を得ましたけれども、そのときにも、何か言いわけめいた形でやらされるよりもきちっと任務規定をしてください、我々は文民警察官や選挙監視要員をそういう形で、たまたま自分たちが一緒にいたらという形で守るというのではなくて、守るのなら守ると書いてください、はっきりしてくださいという意見がかなり多くの方から出されました。これは憲法解釈論とかいろいろあると思いますが、しかし、現場の皆さんからすると率直な意見だと思います、気持ちだと思います。
 そういう意味で、もし可能な限りで、私は憲法解釈はまた私なりの憲法解釈論を持っておりますし、政府の法制局の解釈でさえ間違っているとさえ私は思いますけれども、しかし、そのことを今時間をかけて論じようとは思いません。しかし、少なくとも政府の現在の見解の中ででも、刑法ではこうでしょうというのではなくて、こういう場合はと、せっかく協力法があるのですから、その中にそれは、たとえ一見ダブるように見えても明記するということぐらいのことはせめてやらなければいけないのではないだろうか、こう思うのであります。
 時間の都合もありますから、まとめて私は、今後協力法を見直すという上で必要なことと考えることをまず申し上げたいと思います。
 まず第一に、PKF凍結の解除であります。これについては、今回のPKO部隊の派遣、日本の自衛隊の派遣によって、少なくとも、事前にとかく言われた近隣諸国に脅威を与えるとか、近隣諸国の危惧の念を助長するとかという心配がなかった、または、あったとしてもそれが完全に払拭されたというふうに思います。そういう意味から考えますと、PKF凍結についての解除というものは、私は可能な時期を迎えているというふうに思います。環境は整っていると思います。少なくとも、PKOというものがいかなる形であれ近隣諸国に脅威を与える行為でないということは、私は証明されたと思います。
 二番目に、国会承認であります。第六条七項に規定する国会承認について、私どもは、今申し上げたいろいろな問題がありますが、その条規以外の業務のすべての業務にその対象を拡大をするというのが私は時宜に照らして合ったものだ、こう思います。
 というのは、こういう問題はいろいろな心配があります。事件、事故のおそれがあります。となりますと、私は、国民みんなが協力する、せめて国会が承認をしてやっていく。五原則に照らしてそれが崩れていないかどうかという議論もありますけれども、これこそ国会が論議をすべき内容なのではないか、このように思うわけであります。
 現状は、私は、和平協定に違反する行為がポル・ポト派によって行われている、または四派以外の無謀な人たちによってそういう事件が起こっているという状況だと思いますし、五原則が崩れたとは思いません。むしろ、五原則の前提となるパリ和平協定に違反する派があるというのが正確な表現なのではないかというふうに思いますが、いずれにせよ、そういう微妙な解釈が必要になってくるときに、国会の承認というものが加わっていた方が国民の皆さんも納得するし、また、それぞれの国の皆さんも了承できるものだと思います。
 次に、指揮権の明確化であります。第八条二項の「事務総長の権限を行使する者が行う指図」を「指揮」に改めるべきだと思います。
 今回、もう既に村田自治大臣も行かれて実感されたと思いますが、結局、UNTACに派遣をいたしますと、現在で言えば明石さんの、または司令官の指揮に従わなければならないのです。勝手な行動をとれるのではないのであります。それを日本では指揮というのだと思うのですね。指図などというごまかしの言葉ではなくて、やはり少なくともPKOにおいては、国連の活動なのでありますから、国連の指揮に従う、それを明記することがかえって混乱を生み出さない。これは明確にする必要があると思います。今回のカンボジアの経験を通じて、指揮は国連にしかないのだ、国連にあるのだということが、むしろ政府の皆さんだけでなくて国民の皆さんもよく理解された、こう思うのでありまして、これもはっきりされるべきだと思います。
 四番目に、待機部隊制度の創設でありまして、「国際平和協力業務」の次に第四章として国際平和協力待機部隊の規定を置いて、迅速適切に対応できる体制を整備してはいかがかと思います。これは自衛隊の別組織という意味ではありません。自衛隊の中にこの待機部隊をつくって、そしてPKO部隊に、語学を含めて、PKOはPKO法独自の活動があるのですから、それに対応する訓練を日ごろからしておくということが大事だ。それは何カ月か何年かごとにそのメンバーが入れかわってもいいと思うのですね。私は、待機部隊の規定を置くことが必要ではないかと思います。
 そして五つ目は、自衛隊の本来任務の位置づけとして、国際貢献を本来の任務だとする。自衛隊法第三条にそのことを規定することによって、派遣された隊員の皆さんもまさに心から納得をし、誇りを持って、そしてまた使命感を持ってその任に当たることができると思います。
 せめて、こういうものがこれからPKOに関する見直しを前提とした検討の対象となるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

発言情報

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発言者: 中野寛成

speaker_id: 16312

日付: 1993-05-24

院: 衆議院

会議名: 予算委員会