田名部匡省の発言 (農林水産委員会)
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○国務大臣(田名部匡省君) ただいま議題となりました農業機械化促進法の一部を改正する法律案、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案及び特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
まず、農業機械化促進法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
農業の機械化につきましては、農業生産力の増進と農業経営の改善を図る観点から、生物系特定産業技術研究推進機構における試験研究を促進するとともに、各種の融資、助成等の措置を通じて高性能農業機械等の計画的な導入に努めてきたところであります。
しかしながら、我が国農業と農村をめぐる状況は、経済の高度化、人口や産業の都市への集中といった諸情勢の変化の中で、農業就業者の減少、高齢化の進行等、近年大きく変貌しております。
このような状況の中で、経営感覚にすぐれた農業の担い手が夢とやりがいを持って取り組める魅力ある農業づくりを進めていくため、農業の機械化を一層促進することが急務となっております。
このため、政府といたしましては、農作業の効率化と労働負担の軽減に資する高性能農業機械等の開発・実用化を促進し、これを農業者が効果的に導入して農業経営の改善を図っていくための所要の措置を講ずることができるようにするため、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
第一に、高性能農業機械等の開発及び実用化等を促進するため、農林水産大臣は、高性能農業機械及び農業機械化適応農業資材の試験研究、実用化の促進及び導入に関する基本方針を定めることとしております。
第二に、都道府県知事の定める高性能農業機械導入計画の内容を整備拡充し、農作業の安全性の確保に関する事項等を追加することとしております。
第三に、基本方針に基づいて高性能農業機械の実用化を促進するための事業を実施しようとする者は、当該事業に関する計画を作成し、農林水産大臣の認定を受けることができることとしております。
第四に、生物系特定産業技術研究推進機構の業務を追加し、認定を受けた計画に係る高性能農業機械の実用化を促進するための事業の実施に必要な資金の出資を行うとともに、農業機械化適応農業資材の開発に関する試験研究及び調査を行うことができることとしております。
続きまして、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
我が国の農業は、国民への食料の安定供給という重大な使命に加え、地域社会の活力の維持、国土・自然環境の保全などの多面的な機能を有しており、我が国の経済社会の均衡ある発展と豊かでゆとりのある国民生活の実現のために欠かすことのできない重要な役割を果たしております。
しかしながら、近年の農業を取り巻く情勢を見ますと、農業労働力の非農業部門への流出が続く一方で、農業従事者の兼業化、高齢化が著しく進行するなど深刻な問題に直面しており、農業経営に意欲と能力のある者を確保するため、農業を職業として選択し得る魅力とやりがいのあるものにしていくことが緊要な課題となっております。
このような状況に対処し、農業の健全な発展を図るためには、さきに農政審議会において取りまとめられた「農業構造・経営対策の課題と対応の方向」に示されておりますとおり、経営感覚にすぐれた効率的かつ安定的な農業経営を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担うような農業構造を確立するため、各般にわたる農業経営基盤の強化に関する施策を総合的かつ効果的に推進することが急務であると考えております。
このため、地域において育成すべき多様な農業経営の目標を、関係者の意向を十分踏まえた上で明確化するとともに、その目標に向けて農業経営を改善する者に対する農用地の利用の集積、経営管理の合理化など、農業経営基盤の強化を促進する観点から、農用地利用増進法を初め関係七法律につき所要の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、農用地利用増進法の改正であります。
同法の題名を農業経営基盤強化促進法に改め、効率的かつ安定的な農業経営を育成するための基本的な法律とし、新たに都道府県の基本方針及び市町村の基本構想において育成すべき農業経営の目標等を明確化するとともに、これらに則して農業者が作成する農業経営改善計画を市町村が認定する制度を設けることとしております。また、従来の農用地利用増進事業を拡充して農業経営基盤強化促進事業とするとともに、農地保有合理化法人に関する制度を整備し、その事業内容の充実等を図ることとし、これらの措置により総合的に農業経営基盤の強化対策を推進することとしております。
第二に、農地法及び農業協同組合法の改正であります。
農業経営の法人化を円滑に推進するため、農業生産法人、農事組合法人の事業及び構成員の範囲を拡大するとともに、これに対応して農業協同組合の正組合員の範囲を拡大することとしております。また、農業協同組合の行う農地保有合理化事業の実施等に必要な農業経営に関する制度の整備等を行うこととしております。
第三に、土地改良法等の改正であります。
農業経営基盤の強化のための生産基盤の整備を円滑に推進するため、土地改良事業の一人施行方式の導入、農林漁業金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫による無利子資金貸付制度の創設等の措置を講ずることとしております。
最後に、特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
いわゆる中山間地域につきましては、我が国農林業生産において大きな地位を占めるとともに、国土や環境の保全等の多様な役割を果たしております。
他方、これらの地域においては、地勢等の地理的条件が悪く、一般に農業の生産条件が不利であることに加え、近年、農林業の担い手の減少、高齢化の進行が著しいことから、農林業の生産活動が停滞し、これに伴い耕作放棄地等が増大しつつあります。さらに、魅力ある就業・所得確保の機会が乏しいこともあって、農林業のみならず地域社会全体の活力が低下しつつあり、このまま推移すれば、中山間地域の果たすべき役割に重大な支障を生ずることが懸念されております。
このような状況に対処し、中山間地域の活性化を図るためには、さきに農政審議会において取りまとめられた「今後の中山間地域対策の方向」に示されておりますように、各地域の諸条件に応じて、その創意工夫を生かしつつ、農林業の活性化を図るとともに、農林地の効率的かつ総合的な利用、他産業の導入等を行うことにより、地域における就業・所得機会の増大を図ることが急務であると考えております。
以上の観点から、関係省庁が連携して、中山間地域について、農林業を中心としてその他の事業を含めた活性化のための基盤の整備を促進するための措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域である等の要件を備えた特定農山村地域を含む市町村は、農林業等活性化基盤整備計画を作成することができることとしております。計画においては、農林業その他の事業の活性化の目標、農林業等活性化基盤整備促進事業の実施に関する事項、農林業の生産基盤の整備及び開発並びに産業振興に必要な公共施設の整備に関する事項等について定めることとしております。
第二に、計画を作成した市町村は、農業者の組織する団体が作成した新規の作物の導入その他生産方式の改善によるその構成員の農業経営の改善及び安定を図るための措置等に関する計画及び農林業活性化基盤施設の設置に係る事業を行う者が作成した事業計画について、それぞれ認定を行うことができることとしております。また、国及び都道府県は、農業経営の改善及び安定のための計画の認定を受けた者に対して、必要な資金の確保に努めることとしております。
第三に、計画を作成した市町村は、第二の認定を受けた者等の必要な農林地の確保や農林業等の活性化の基盤となる施設の円滑な整備等の促進を図るため所有権移転等促進計画を定め、所有権の移転等を促進する事業を行うことができることとしております。
このほか、土地改良法及び森林組合法の特例、税制上の特例、地方財政上の特例等に関し所要の措置を講ずることとしております。
なお、衆議院において、政府提案に係るこれら法律案のうち、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案につきましては、農業経営改善計画の認定に当たり地域の関係者の理解と協力を得るよう努める旨の規定を追加する等の、また、特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案につきましては、本法律施行後における豊かで住みよい農山村の育成を図るために必要な方途についての検討に関する規定を追加する修正が、それぞれなされております。
以上、農業機械化促進法の一部を改正する法律案、農業経営基盤の強化のための関係法律の整備に関する法律案及び特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。
何とぞ、これら三法案につきまして、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。