宮澤喜一の発言 (本会議)
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○国務大臣(宮澤喜一君) 景気の現状につきましてお尋ねがございました。
御承知のように、昨年夏に総合経済対策を策定いたしまして、その後補正予算の成立のお認めを願ったわけでございますが、続きまして平成五年度におきましてもその延長線上におきまして、例えば財政投融資計画で申しますと公共事業関連は一二%、地方単独も一二%でございまして、非常に大きな公共事業関係を組み込んでおります。平成五年度の政府投資は、平成四年度補正を含めました後の平成四年度に比べましても九・五%という大きな増額を見込んでおります。
現在、多少住宅投資等に回復の基調が見られますけれども、しかし依然として景気の動きは低迷をしておる。資産価格の下落もその一因でございますが、殊に今回は、経済循環のほかに、銀行あるいは証券等んいわゆる金融関係に資産価格の下落に伴う不突合がございまして、それが経済の回復を一層おくらせておるということは否定のできないところでございます。
政府といたしましては、昨年度の補正予算のさらに迅速な執行並びに平成五年度の予算のできるだけ早期の成立をお認め願いましてこの執行をしてまいりたいと考えておりますが、今後とも経済情勢の変化には細心の注意を日々払ってまいらなければならないと考えております。できるだけ早く景気の回復が実感を伴ったものになりますように、機動的な対応を怠らないつもりでございます。
なお、これに関連いたしまして、野党三党間の予算案に対する共同修正要求の中で大幅減税に言及せられておりますことは承知をいたしております。私どもといたしましては、現在のような厳しい財政事情のもとで徹底した歳出の見直しをいたしました。平成五年度の予算編成に当たりましては、景気回復あるいは生活大国づくり等々、重点的・効率的予算配分を行ったつもりでございますので、これは予算としては最善のものと考えておりまして、できるだけ早く成立をお認めいただきたいと考えておるところでございます。
お話しの所得減税等の要求でございますが、税制としてのあり方あるいは景気対策としての有効性、また財源の問題をどうするか等々種々の問題がございまして、それらを十分検討する必要があ
る。いろいろ問題が多いと考えておりますので、にわかに賛成いたしかねるところでございます。
次に、五年度予算におきまして一般会計承継債務の資金運用部に対する償還の繰り延べをしたということにつきましては、本来これらのことはもとより好ましいことではございません。平成五年度の非常に厳しい財政事情のもとで、やむを得ない措置としていたしました。そういうものとして御理解をいただきたいと思いますが、来年度以降の問題につきまして、なるべくこういうことをしなくて済みますような経済、財政の運営に持っていきたいと考えておりますが、五年度はそのようなことでございますので御理解をいただきたいと思います。
隠れ国債のことでございますが、政府は隠れという言葉を申したことは実はございませんで、常に予算委員会には、今後処理を要する措置として御報告をいたして資料を提出しておるところでございます。むしろ特例公債を発行した方が正直ではないか、よくわかるではないかということは一つのお考えと思いますけれども、一度特例公債を出しますと歯どめというものがなくなりまして、予算を編成いたしますときに金は幾らでもあるという状況になりかねないという現実の問題がございまして、したがいまして、それを回避いたしましてこのような緊急臨時の措置としていたしておりますことを御理解いただきたいと思います。
それから、高齢化社会に向かって財政をどうするかということでございますが、特例公債につきましては御指摘のような問題を私どもは申しておるわけでございます。特例公債は建設公債と違って後代に資産を残さないというふうに考えますが、ただ、この資産ということにつきましては余り狭く考える必要はないかもしれない。これはいろいろに考えてみる必要のあることではございますけれども、しかし全くの赤字だけの借金ということになりますと、やはりそれは高齢化社会に向かいまして負担を残すのではないかと思います。
現実の問題といたしまして、特例公債をいたしますと歳出の歯どめというものが難しくなりまして、過去におきまして一度やりまして、やめますのに十五年かかっておりますので、こういうことは、高齢化社会になりますと国民の負担能力というのは一度はどうしても落ちてくることを考えなければなりませんので、避けていかなければならない。そういう中でむしろ経済の運営をしっかりいたしまして、高齢化社会にたえ得るような日本経済、日本財政をつくってまいるべきものというふうに考えております。
残りの問題は関係閣僚からお答えをいたします。(拍手)
〔国務大臣林義郎君登壇、拍手〕