林義郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(林義郎君) さきに国会に提出いたしました平成五年度予算につきましては、去る三月三十一日に成立を見、既に着実に実行に移されているところでありますが、今般、さきに決定されました総合的な経済対策を受けて平成五年度補正予算を提出することとなりました。その御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要を御説明申し上げます。
 まず、今般、新たな経済対策を策定するに至った背景として、最近の経済情勢について申し述べます。
 我が国経済は、昨年八月の総合経済対策に盛り込まれた公共投資の本格的な実施や二月に行われた第六次の公定歩合の引き下げ、景気に配慮した平成五年度予算の成立等により、現在、景気回復の兆しを示す動きが徐々にあらわれてきております。しかしながら、景気はいまだ予断を許さない状況にあり、政府としては、今後の景気の足取りを一層確実なものとするため、去る四月十三日、予算の成立直後という極めて異例の時期ではありましたが、史上最大の事業規模の総合的な経済対策を決定いたしました。
 今回の対策においては、厳しい財政事情のもとではありますが、公共投資等の拡大、政府関係金融機関の活用、住宅取得促進税制の拡充や設備投資減税など、実効性の高い内需拡大策を盛り込んでおります。また特に、厳しい経営環境に置かれている中小企業に対しては、その金融の円滑化を図るための諸措置を実施するなどさまざまな面での配慮が払われております。さらに、今回の対策における社会資本の整備に当たっては、社会経済情勢の変化や将来への展望を踏まえ、景気の現状に的確に対応していくという観点から、さまざまな分野に幅広く投資を行うことにより、その効果が景気に対し、より広範にかつ速やかに及ぶよう、その新たな展開を図ることとしております。
 なお、対策に盛り込まれた住宅取得促進税制の拡充、設備投資減税などの税制上の措置につきましても、租税特別措置法の一部を改正する法律案を提出し、御審議をお願いすることとしております。
 政府としては、今回の対策が昨年夏の総合経済対策、景気に配慮した平成五年度予算と相まって、我が国経済の内需中心の持続的成長の実現に資するものと確信しております。
 先日、ワシントンで開催されました先進七カ国蔵相・中央銀行総裁会議においても、このたびの経済対策は、内需中心の持続的成長を達成するための貢献として歓迎されたところであります。
 また、為替相場につきましては、為替相場は経済の基礎的諸条件を反映すべきものであり、過度の変動は望ましくないということに合意し、従来からの政策協調と為替市場における協力の実施が改めて確認されました。我が国としては、今後とも主要国との政策協調及び為替市場における協力を通じて為替相場の安定を図ってまいりたいと考えております。
 極めて厳しい財政事情のもとで、今回の総合的な経済対策を実施するためのやむを得ざる措置として、公共事業関係費等の投資的な経費の追加に対応するものにつきまして、建設公債二兆二千四百六十億円を追加発行することといたしました。この結果、我が国の公債残高は平成五年度末には約百八十四兆円にも達する見込みであり、巨額の国債費が政策的経費を圧迫するなど構造的な厳しさはますます深刻さを増しております。今後検討が開始される平成六年度予算におきましては、このような状況を踏まえ、後世代に多大の負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本とし、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくことを目指して、従来以上に、制度の基本にさかのぼった見直しや施策の優先順位の厳しい選択を行い、財政改革を強力に推進していく覚悟であります。
 次に、平成五年度補正予算の大要について御説明申し上げます。
 さきに御説明いたしました総合的な経済対策の一還として、一般会計につきましては、歳出面において、公共事業関係費の追加として、一般公共事業関係費一兆二千億円、災害復旧等事業費四千十七億円を計上するとともに、一般公共事業等に係る所要の国庫債務負担行為の追加を行うこととしております。また、教育、研究、医療、社会福祉等の各種施設整備費等の追加として六千二百億円を計上しております。さらに、中小企業等特別対策費八百七億円を計上するほか、民間における社会資本整備のうちでも特に緊要なものの促進を図るための産業投資特別会計への繰り入れ百六十五億円等を計上しております。
 また、ロシア連邦等における市場経済や民主主義に向けての改革を支援するとの観点から、人道支援、技術支援、核兵器の廃棄への協力等を行うための経費として四百十一億円を計上しております。
 他方、歳入面におきましては、税収について今回の対策に盛り込まれた税制上の措置を実施することに伴う減収見込み額一千四百六十億円を減額するとともに、皇太子殿下御成婚記念貨幣の発行に伴う増収として貨幣回収準備資金受け入れ六百二十五億円を計上するほか、建設公債二兆二千四百六十億円を追加発行することとしております。
 また、年度開始直後ではありますが、今回の補正予算における財源を捻出するためのやむを得ざる措置として予備費二千億円を減額することとしております。したがいまして、今後、年度途中に予想される追加財政需要につきましては、厳に慎重な態度で臨む必要があると考えております。
 なお、地方財政につきましては、さきに申し上げました税制上の措置の実施に伴い、地方交付税の算定の基礎となる所得税及び法人税の収入見込み額が減少することになりますが、平成五年度の地方財政の円滑な運営に支障を生ずることのないよう当初予算額どおりの地方交付税総額を確保することとし、このため、当初予算において講じた地方交付税の年度間調整としての特例措置を縮減することとしております。
 これらの結果、平成五年度補正後予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に対して二兆一千八百八十七億円増加して七十四兆五千四百三十五億円となっております。
 以上の一般会計予算補正に関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算につきましても所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資計画につきましては、今回の総合的な経済対策を実施するため、この補正予算におきまして、住宅金融公庫、中小企業金融公庫等三十一機関に対し、総額三兆一千五百六十七億円の追加を行うこととしております。
 以上、平成五年度の補正予算の大要について御説明いたしました。我が国経済の足取りを一層確かなものとするためにも、何とぞ、関係の法律案とともに御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
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発言情報

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発言者: 林義郎

speaker_id: 33770

日付: 1993-05-18

院: 参議院

会議名: 本会議