常松克安の発言 (本会議)
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○常松克安君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました平成五年度補正予算案につきまして、総理並びに関係大臣に質問するものであります。
最初に、今国会の最大の課題は言うまでもなく政治改革の実現であります。連続して起こる不祥事件に対し国民の不信は頂点に達し、経済にも悪影響を与えております。どうしても今国会で決着をつけ、国民にこたえるべきであります。しかし、会期末は刻々と迫っており、一体このままでよいのか、大変な危惧を抱くものであります。焦点の選挙制度改革は、何としても与野党の相打ちを避け、国民が望む政権交代可能な政治システムをつくり上げるためにも今国会で決着すべきであります。
最近、衆議院は単純小選挙区制、参議院は比例代表制に改革しようなどと与党サイドの発言が報道されております。また、腐敗防止対策のみを選挙制度改革より優先すべきとの発言も相次いでおりますが、その意図は問題を先送りにし改革の流れをとめようとするものであります。あくまで選挙制度と一体で合意を図ることこそ大事であると考えますが、総理の御見解を伺いたい。
衆議院での審議も大詰めを迎え、政治改革はまさに正念場であります。その中で、これまでの制度に安住しようという動きもあり、状況は不透明と言わざるを得ないのであります。政治改革には不退転で取り組むと常に繰り返されてきた総理は、この状況を打ち破り、政治改革を断行するために具体的にどう、う手だてを講じられるのか明らかにしていただきたい。
補正予算及び経済、景気対策について伺います。
政府は、みずから最善かつベストだと豪語していた平成五年度予算の成立後、わずか一カ月余りで補正予算を国会に提出されました。同一国会における補正予算の提出は三十数年ぶりという極めて異例な出来事であり、このような安易な当初予算を提出した政府の責任は重大だと思います。補正予算提出に至った原因もあわせ、政府の責任について総理並びに大蔵大臣の御認識を伺いたいのであります。
本補正予算は総額十三兆二千億円に上る総合経済対策を受けて編成されたものでありますが、その一般会計規模はわずか二兆円余りで、史上最大規模と鳴り物入りで打ち出した今回の景気対策も、昨年八月の総合経済対策同様、その大半は財政投融資や地方単独事業頼みであります。さらには、実際の支払いが翌年度以降となる国庫債務負担行為も含んでおり、水増しとの批判は免れないと存じますが、総理の見解を求めます。
我が国経済は、住宅建設の増加、株価の上昇など一部に明るい指標が見られるものの、一方で設備投資計画が大幅減少となっているほか、消費もなお低迷しており、景気が順調な回復過程に乗ったとは到底感じられない状況であります。加えて、企業のリストラはこれからが本番であり、雇用情勢は一段と厳しさを増すことが必至と思われます。総理は、景気の現状と先行きについてどのように分析しておられるのか、お示し願いたいと思います。
今回の不況は、単なる景気循環だけではなく、地価や株の下落による資産デフレが加わった深刻なる複合不況であり、我々は政府に対して適時適切な景気対策の実施を繰り返し求めてまいりました。しかし、これまでの政府の対策は、公共事業の追加や公定歩合の引き下げなど、ゼネコン業界と銀行中心の景気対策であり、所得税減税といった消費者重視の景気対策は講じられておりません。
今回の総合経済対策では、ようやく教育減税、住宅ローン減税など、不十分ながら盛り込まれたものの、我々が再三要求する所得税減税が見送られており、なお景気浮揚には不十分であります。一部に明るい指標が見られる今こそ、総理は景気回復を確実なものにしていくために所得税減税の実施を決断すべきと考えますが、総理並びに大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。
さて、カンボジアは二十三日の選挙を目前に控え、停戦違反やテロが相次ぐなど緊迫の度が高まっております。カンボジアの長い内乱の歴史、民衆の塗炭の苦しみを考えたとき、真の和平を実現するためには選挙はUNTACのもとで何としても成功させたいと考えます。しかし、PKO活動は本来犠牲が出てもやむを得ないという活動ではありません。したがって、犠牲が予測される場合でも活動を持続するのは政府の拡大運用、解釈と言わざるを得ません、よって、政府は危険地帯では我が国要員の任務を中断するなど的確な法の運用が最も肝要なときだと考えますが、総理の答弁を求めます。
私は、特に我が国要員の安全対策という観点から、緊急医療体制について伺います。
まず、とうとい命を国際貢献のためにささげられた中田さん、高田警視に衷心より哀悼の意をあらわし、御遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。また、けがを負って現在バンコクで入院されている皆様の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
安全対策の第一義は人命尊重であります。どんな安全対策を重ねたといたしましても、突発的な事故に遭遇したといたしましても、人命を助けることこそ安全対策を真に裏づけることになるのであります。私はこの人命尊重の視点が現地にいまだ希薄であることを強く危惧するものであります。
ところで、今回の事件から受けた課題の一つに、私は文民警察要員、停戦監視要員に対する医療体制の問題があると考えます。二度とあってはならないことでありますが、万が一の事故が発生した場合、UNTACにおいて文民警察、停戦監視要員に対する医療は果たして万全なのか。負傷者の発生から病院までの救護体制等医療体制はどのようになっているのか。政府は安全対策に万全を期すとしているが、緊急時の体制は我が国としてどのように取り組んでいるのか伺いたい。
さらに、この襲撃事件で負傷を負った八木、谷口両文民警察官は現在タイのプミポン空軍病院で治療を受けていると聞きますが、御家族の心配もあるでしょうし、御家族の便宜のためにも、また人道上の見地からも一刻も早く日本に移し、十分な看護を受けさせてあげるべきだと考えますが、政府の見解を伺いたい。
また、日本の施設部隊はカンボジアで六百人が活躍しております。このうち医師三名、歯科医一名、合計四名と聞いております。これだけで隊員及び要員の医療が十分にできるかまことに不安であります。この医師の人数は平和時における健康管理を中心に算出されたものなのか、それとも今回のような緊急事態の発生を予測して決定されたものなのか、あわせてお伺いしたい。
我が国からの選挙監視員四十一名がタケオ周辺に配置されました。選挙監視要員の緊急医療は自衛隊が担当すべきでありますが、今の体制で本当にできるのか、安全対策を言われるなら、こうした備えを万全にすべきと言いたいのです。総理、この点はいかがでしょうか。
さらに、選挙監視員など邦人要員の安全確保に関連して、政府は、同一場所において不測の事態が発生した場合には、我が国の要員を守るために自衛隊員の武器使用は認められるとの見解を示しております。しかし、同一場所とはどういう範囲なんですか。また、UNTACから具体的に選挙監視員の輸送まで依頼されているのか、この点を明確にしていただきたい。
何よりも何よりも安全対策に万全の体制をとることを強く求め、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕